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ハナブサチロロ
世田谷区出身。
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posted by fanblog

2018年10月11日

映画『いろとりどりの親子』(2018/米/レイチェル・ドレッツィン監督)@京橋テアトル

自閉症、ダウン症、同性愛、低身長症、殺人…それぞれに向き合う家族のドキュメント。
同性愛者である原作者(アンドリュー・ソロモン)が語り手であり一登場人物(本作のプロデューサーでもある)。
それぞれの過去、日常にメイキングのようなインタビューを挿入し淡々と「幸せ」を抽出していく。
皆、俳優のように何かを表現しているかのように見える。
撮影されることによって彼らの思いが引き出されているように見えた。
しかし、彼らと世間の距離はまだまだありそうだ。

また本作では家族以外に友人たちの存在の大きさも映し出されている。
彼らには彼らだけの心地良い世界があるのだ。
自閉症の少年はタイピングを習得してから変化していくように見える。詩人のように想いを伝えるように見える。
低身長症の支援団体「リトル・ピープル・オブ・アメリカ」でお互いに分かり合える仲間に出会うシーンも印象的である。
こういった所ももう少し掘り下げて欲しかった。

息子が殺人を犯し、映画の元となった本「FAR FROM THE TREE」を読んだ父親は原作者に手紙を送ったそうだ。
本作に家族みんなで出演もしている。よく、撮影を受け入れたなと思うし、現在の息子は獄中からの声の出演のみであるため、違和感も感じたが、「家族」という大きなテーマとこの本を通して出会った人たちとして彼らの出演は必須だったのかもしれない。

これらをどう見るかは「世間」のそれぞれの考え方次第だろう。

ただ、「普通」やら「幸せ」というワードが少し薄くなってぼやけてくる。
それらが何だかまた分からなくなる。所詮、世間の中でどうなのかというちっぽけな指標があるだけなのだろう。

この映画は親が子供を愛している、という設定があって成立していると思う。
しかし、現実的には子供をうまく愛せない親もいる。

世間と比べられない「幸せ」。あると信じて生きていくしかない。

2018年07月02日

映画『泳ぎすぎた夜』(2017/仏・日/ダミアン・マニヴェル、五十嵐耕平共同監督)@トリウッド

夜も明けぬ暗い中稼働する市場、無人の風景、動き回る犬など五十嵐監督の前作『息を殺して』(2014)を思い起こさせる雰囲気。

アルベール・ラモリス監督『赤い風船』(1956)の少年のような可愛らしい少年が主人公である。
彼のゆっくりと成長する逞しさが映える。
そして静かに家族の温もりが感じられるのである。

シャワーのような豪雪が圧倒的だった。


人の多い下北沢から離れて千歳船橋のすがやへ。
トウモロコシの天ぷらが甘くて塩が合う。酒が合う。

2018年06月14日

映画『判決、ふたつの希望』(レバノン・仏/2017/ジアド・ドゥエイリ監督)@京橋テアトル

戦争、内戦、難民、虐殺…続く負のスパイラル。小さく見えた争いは政治、民族、歴史問題を孕んでいた。
その一方で争う二人のそれぞれの家族、仕事仲間もしっかり描かれ、さらにはお互いの弁護士が父と娘という構図で、全く個人の問題ではなく、この地域で歴史を感じてきた人たちすべてを巻き込む話になっている。

巻き込まれて事故るピザ屋の青年や大統領による仲裁などのエピソードも印象的で、日常のことがいちいち政治色を着けられて情報が違う形で広がっていく怖さも感じる。また、その時の大衆の動きも怖い。

さらには重い問題を扱った社会派映画としてだけではなく、法廷エンターテインメントとしても惹きつける。
脚本のジョエル・トゥーマの力量も大きいだろう。

世界に「赦し」はあるのだろうか。勝者も敗者もいない中、ふわっと感動が訪れる作品であった。

2018年06月04日

映画『四月の永い夢』(2017/中川龍太郎監督)@新宿武蔵野館

失われつつある風景。
国立も富山も蕎麦屋も銭湯も花火も浴衣もうなじも不器用な男も…ラジオも…。

主人公が元教え子を救いに駆けつけ、部屋を間違えるシーンに心が動いた。

非常に静かなシークエンスの連続であったが、「今」が崩れ落ちてしまいそうな過去からの不安定な引力をもう少し感じてみたかった。

次回作は中川監督の持つ劇画的は力強さに期待したい。

劇場を出てとても腹が減ったので信州屋のかけそばを食べた。濃い目のつゆがとても良い。

2018年04月27日

映画『榎田貿易堂』(2017/飯塚健監督)@映画美学校

群馬の渋川市を舞台にして下ネタもふんだんに散りばめられ、演劇的リズムも加味され軽快に物語が進行する。
珍宝館も全面協力のしっかりした笑いを提供。
そしていつしか、それなりに生きてきた大人たちの心の奥が見え隠れしていくのである。
そこそこの人生でも上等だ、と思う。思いたい。

雨降らしではない雨も降っていたようなので撮影も繋がり的に大変だったのでは、と想像する。
滝藤賢一演じるスーパーチーフ助監督の現場話も楽しい。オフはせっせとシナリオ書きに励む助監督の複雑な気持ちが伝わるのであった。
伊香保温泉の階段は是非上がってみたくなる。いつか行ってみたい。

2018年04月04日

映画『女と男の観覧車』(2017/米/ウディ・アレン監督)@松竹試写室

ある日、ケイト・ウィンスレット演じるウェイトレスの再婚同士で一緒になった夫の元に絶縁したはずの娘が現れる。
ここから思いがけない「メロドラマ」のような時間が訪れる。重たい日常は横たわったまま。

撮影はヴィットリオ・ストラーロ、美術は舞台美術でも活躍しているサント・ロカスト。
逆光による暗部で芝居が始まると光がふわっと魔法のように現れる。見世物小屋を改装した家族の住処は舞台装置のようだった。
色彩豊かな光が動き、カメラは俳優たちを追っていく。

夫を演じたジム・ベルーシの芝居がきめ細やかだった。酒乱気味で愛妻家で娘想い。
妻への不憫な想いと娘の未来に期待する想いが交錯する様を巧みに表現していた。

後半、レストラン・カプリを舞台とする演出は唸った。
主人公の電話からレストラン外の車の動きまで心に残るシーンとなった。

いつかコニーアイランドに行ってみたい。
あと、映画好きの火遊び少年の未来が心配だ。

2018年03月16日

映画『さよなら、僕のマンハッタン』(2017/米/マーク・ウェブ監督)@京橋テアトル

主人公の恋人未満の女の子、両親、父親のグラマラスな愛人、そしてある日引っ越して来たアパートの隣人。
本来であればドロドロの煮込みになりそうな恋愛劇が…朝食に飲みたい透明なスープのようだった。
『花様年華』(ウォン・カーウァイ監督)の影響かどうかは全く分からないがスローモーションが効いている。
主人公の友人の結婚披露宴で酔っ払いのおじさんがスピーチをはじめるが、それがいつしか詩となり、シーンを超えていく心憎い演出がいい。
父親を演じたピアース・ブロスナンはイメージどおりのロマンスグレーで、隣人を演じたジェフ・ブリッジスはこれ以上ないシブさであった。

監督はインタビューで本作は「ニューヨークへの憧れであり、ニューヨークの物語」と語っているが、
実景も合わせて街が主人公でもある映画であった。

2018年03月15日

はじめてのおつかいぢゃないけれど

はじめての債権者集会に参加した。
建物の入口を入ると警備員たちが待ち構えてのお荷物検査である。
エレベーターに乗って会場に向かう。
広い会議室のような所に椅子がたくさん並べてあり、そこへ座る。
開始時間が近づいてくるにつれ、人が増えてきた。
前方にはテーブルがいくつも置かれており、どうやらいくつもの「集会」が同時に行われるようである。
いつかこのようなシーンを撮影する時のためにこの光景を覚えておこうと思った。
破産管財人はどこか頼りなく、ペライチの表のようなものを見ながら、専門用語を並べて説明していたが、何も心に響かない。
映画に関わる人たちが悲しみにくれることのないようにしなければならない。

2018年03月07日

映画『ばぁちゃんロード』(2018/篠原哲雄監督)@映画美学校

『犬神家の一族』(1976/市川崑監督)の印象でずっと怖いイメージであった草笛光子。
彼女が演じたばぁちゃんは美しくパワフルだった。思い通りに動けない体、気持ちを繊細に表現されていた。
特にこめかみの汗が光るリハビリシーンはアスリートのような力強さである。

また主人公の婚約者を演じた三浦貴大は港が似合う男だった。そして昭和を感じる男である。
たしか高倉健主演『あなたへ』(2012/降籏康男監督)でも漁師を演じていたと思う。

結婚を控える二人があることで喧嘩し、それぞれがあらためてお互いを思い直し、
ユーモアを交えて仲直りするあっという間のシークエンスはさすがの演出だと思う。

89分の中で家族であること、家族になることの喜びが描かれていた。
エンディングは大貫妙子が唄う「この道」。
いい感じです。

あと、ロケ地で使われていた富山・氷見の居酒屋・まる甚は旨そうだった。
行ってみたい。

2018年02月13日

映画『名前のない女たち うそつき女』

『名前のない女たち うそつき女』(2018/サトウトシキ監督)

ルポライターの日々から物語ははじまり、世の中の影のような染みのようなものがうっすらと浮かび上がってゆく。
それぞれの食事シーンがとても良い。
思い出も今も、どこで誰と何を食べるか。
「幸せ」のバロメーターの一つになり得ると思う。

何気なく空気を感じ取る彼氏を演じた笠松将が印象に残る。
相手にも観客にも感情をほんのりと伝える。要注目である。


セリフにもある「社会の底辺」という言葉がグサリと胸を突いてきた。
まあ、その社会というものが何なのかはわからないが
星が付いたレストランでなくとも大切な人とごはんと味噌汁をゆっくり味わえれば
そんな幸せなことはない。
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