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ハナブサチロロ
世田谷区出身。
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2024年05月24日

映画『シンデレラガール』(2023/緒方貴臣監督)@Morc阿佐ヶ谷

残酷な運命の物語に堕ちる主人公。無駄のない展開と登場人物たちの信じられないくらいのポジティブさでお涙頂戴はない。切り返しの少ないフィックスカメラで監督の静かな視点を感じられる。しかし、後半の病室での母親の表情は見たかった。廊下を歩く主人公の存在感を優先させたのだろう。また、もう少し主人公を取り巻く日常は見たかった。



2024年05月15日

映画『ゴールド・ボーイ』(2024/金子修介監督)@ヒューマントラストシネマ渋谷

見所は天才同士の対決。「と思いきや」の連続で気持ちが持って行かれる。
完全なる計画も思ってもいないことが起こるもので、その計算狂いに期待してしまうがまたそれを超えて来る。特級のミステリサスペンスと思いきや、「恋」の文字が浮かぶ。馴初め、思い出の場所…。
もしや、恋がうまくいった人といかなかった人たちの物語では!?恋と殺人の夏休み。



2024年04月21日

天才の作品群に息を呑む

東京オペラシティ アートギャラリーにて宇野亞喜良展。天才っているんだなあと思う。仕事はオールジャンル。日々描き続け今年御年90歳。
その膨大な900点を超える作品展示に息を呑む。作品たちの迷路を抜けると圧倒的なポスター群に痺れる展示構成もとても良かった。

夕飯は久々に幡ヶ谷・浜屋。小田原の真アジ刺し、ホタルイカのぬた、若竹煮、シジミのにんにく紹興酒漬け(汁が最高に旨い)、まあどれも旨くて豪快がすすむすすむ。いい気分。



2024年03月31日

存在する世界と自分の確認作業

東京国立近代美術館にて「中平卓馬 火―氾濫」。すばらしいとしか言いようがない。編集者、批評家の眼による写真。亡霊がいるかもしれない世界を切り取る写真。写真を撮るごとに自分の眼が開いているのを確認しているかのよう。奄美、吐カ喇で撮影された海の写真のカラーが何とも美しい。

写真 2024-03-30 16 17 23.jpg

夕飯は久々に下北沢のつ串亭。
何年ここで呑んでいるのだろうか。
ここは鯵の刺身が旨いなあ。
焼鳥は年々旨くなっていくように感じている。



2024年03月22日

映画『不死身ラヴァーズ』(2024/松居大悟監督)@アスミック・エース試写室

運命とか恋とか。失恋とか。運命の人「甲野じゅん」七変化の世界線かと思いきや。
でもそういうことかもしれないね。構造的な面白味アリ。新幹線が通り過ぎ、分譲された家々が見える地方の風景によりメルヘン度が増しているのかもしれない。
そして主人公の歴史の証人・田中の想いに胸が痛むのだった。



2024年03月05日

映画『ニンゲン合格』(1999/黒沢清監督)@調布市文化会館たづくり くすのきホール

一昨日の日曜は調布で映画を観るために昼食は調布駅から少し歩いたところにある中島屋で天ぷらそば。
昭和の映画に登場しそうな何ともいい雰囲気のお店である。どうやら創業は明治13年らしい。奥に座敷があるらしくその雰囲気もとても良い。
甘いつゆが美味しく体が温まる。

『Wの悲劇』(澤井信一郎監督)のロケ地・調布グリーンホールの裏手にある調布市文化会館たづくりに移動。
『Wの悲劇』『どついたるねん』『つぐみ』『ニンゲン合格』35oフィルム上映の調布シネサロンのとてもいい企画なのに若い人がほとんどいなく悲しい。
問題点がどこかにある。そこが解決しないと文化は繋がっていかない。

さて『ニンゲン合格』、初見である。
主人公の父親を演じた菅田俊がコミカルで少し哀しくていい。あらためていい俳優だと思う。
バラバラでも一歩家に入れば家族の機能が甦る不思議。不思議なカット、不思議な繋ぎ、不思議な活劇満載で、なんとなく西部劇的、さらには相米映画的な魅力も大きい。
人それぞれの10年と変化しない心と自分自身の存在証明。走馬灯のような映画。

夕飯は千歳烏山に移動し久々にやきとり仲屋へ。夕方から相変わらず混んでいる。
ホッと落ち着きながら映画を反芻してみた。



2024年03月01日

映画『枯れ葉』(2023/フィンランド・独/アキ・カウリスマキ監督)@ユーロスペース。

希望を感じることができてとても良い時間だった。データが消えるわけではなく風に吹き飛ばされる2020年代とは思えないクラシックな雰囲気。しかし、ラジオからはロシアがウクライナを爆撃する「ひどい戦争」のニュースが流れる紛れもない「今」の恋物語である。雰囲気のいい映画館では『デッド・ドント・ダイ』(ジム・ジャームッシュ監督)が上映されていてうれしい。出演しているワンコは『パターソン』(ジム・ジャームッシュ監督)のワンコと同じぐらい名優だと思う。次々といい曲が流れて来る。ラジオから聴こえる「竹田の子守唄」がとても印象に残った。



2024年02月18日

別次元か個々の宇宙か

小田原・うつわ菜の花にて「黒田泰蔵の小さな白磁たち。」。初めて氏の作品を観る。
その白さ、フォルムはどこか別次元に存在しているかのような、又はそれぞれが宇宙のようにそこに在るかのような佇まいである。
白とは何か。そこにできるかすかな影とは何か。永遠に流れる時間を感じた。

昼はそば茶屋正庵にて鯵のなめろうとせいろそば。旨い。久しく行ってない三茶の富田屋を思い出す。
さらにそば湯の旨さに驚く。また来たい。
nico cafeでおいしいコーヒーを飲んで、街をフラフラして帰る。



2024年02月14日

声が響くような多摩川物語

調布市文化会館たづくりにて尾花賢一+石倉敏明の多摩川ジオントグラフィー。思いがけずワクワクする多摩川物語。注目すべきは歴史に残らないかもしれない記憶をすくい取りながら表現をしている点で、特に明治生まれの方々の声も響くようでオカルティックで劇画的でコンテンポラリー・アートでとても楽しかった。

夕飯は今年初の幡ヶ谷・浜屋本店。
富士山サーモンと真鯛の昆布〆が旨い。



2024年02月06日

映画『FEAST 狂宴』(2022/香/ブリランテ・メンドーサ監督)@映画美学校

キリスト教国・フィリピン。その田舎町で起きた交通死亡事故の裕福な加害者家族と貧しい被害者家族が奇妙な共同生活を送る物語にずっと違和感を感じながら時が流れた。そして家族だけの宴が始まる。宗教的な赦しか、経済的赦しか…アイロニーなのか…フィリピン郷土料理が豪華に並ぶ。



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