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2017年03月29日

レオン・ワルラス『純粋経済学要論』(1874)

ワルラスの主著は彼の生前にあまり読まれなかったが、20世紀に入ると本書が展開した「一般均衡理論」は誰もが共有すべき理論と注目されることになる。1936年に書かれたケインズの『一般均衡』は本書への反論として一世を風靡したが、戦後のアメリカではケインズ理論のほうが本書の「一般均衡理論」に吸収され、後に「IS=LM」や「総需要=総供給」というマクロ経済学の主要な理論に繋がっていく。
 彼の理論は、自由主義のもとで市場が自動的に需給の均衡をもたらすことを論証する資本主義経済の擁護に使われたが、ワルラス自身は土地の国有を主張する社会主義者だった。多くの社会主義者の主張は「結果の平等」を求めるものだったが、ワルラスは「条件の平等化」のためにこそ土地の公有化が必要だと考えた。
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