2021年07月11日
キリンレモン
酸っぱい食材や食品に含まれていることが多い、クエン酸。最近では、食べものだけでなく、100円均一ショップや多くの量販店などでも、この文字を見かけることが増えてきましたよね。クエン酸は、体内に摂取するとさまざまな効果が期待できるといわれますし、掃除にも大変役立つと評判です。
本記事では、クエン酸の正体や活用方法、また効果のあがる摂り方についても、あますところなく掘り下げていきます。ぜひクエン酸を活用して、健康で清潔な生活を楽しんでくださいね!
目次 [開く]
■クエン酸とは?
クエン酸を実際にその目でご覧になったことはあるでしょうか?もしあるとすれば、食用や掃除用に売っている粉末タイプのものでしょう。日常生活で普通に暮らしているかぎりは、クエン酸を自然なかたちで見ることはほとんどありません。
平素で目にする機会が少ないクエン酸は、いったい何もので、私たちにとってどのようなメリットがあるのか、解説していきましょう。
・「酸っぱい」と感じる酸味成分
クエン酸には、「酸」という字が使われているように、酸性で酸っぱい味がするのがもっとも大きな特徴といってよいでしょう。クエン酸を語るうえでよく引き合いに出されるのが、レモンです。こう聞くと一気にクエン酸が身近なものに感じられますよね。レモンと聞くだけで、誰しも口の中に唾液がにじみ出てくるかもしれません。それはレモンをとても酸っぱい食べものとして深く認識しているからにほかなりません。
クエン酸の酸っぱさもとても強いため、五大味覚のうちの酸味がかなり敏感に刺激されます。そしてクエン酸は、ただ舌を刺激するだけでなく、私たちが健康に生きていくために大きな役割を果たしているのです。レモンにもクエン酸が含まれていますので、酸っぱさを同等とイメージするのでしょう。
・クエン酸のキレート作用
クエン酸が活躍する場は、私たちの細胞のミトコンドリア内です。ミトコンドリアは、人間だけでなくあらゆる動物の細胞内にも存在し、生きていくためのエネルギーの95%近くを生成している生命の源ともいえる器官です。
ミトコンドリア内にある「クエン酸回路」では、呼吸を通じて糖を代謝してエネルギーへと変化させるうえに、カルシウムやマグネシウムといったミネラルやビタミンを体内に吸収しやすくして、疲労物質を分解するという大切な役割を果たしているといわれています
たとえば、急激に激しいスポーツをすると筋肉痛になることがありますよね。すると乳酸がたまって体は疲労するわけですが、クエン酸はこの疲労物質を分解して蓄積させないといわれます。これらの一連の流れを「キレート作用」と呼びます。
クエン酸のもつキレート作用のおかげで、仕事や家事、育児に疲れても、やがて回復してまた明日に向けて頑張れるのかもしれませんね。
・代謝回路に関わるクエン酸
人間が生きていくためには、24時間、365日、常に代謝を行い生命維持に必要なエネルギーを生成し続けなければなりません。たとえば呼吸をして酸素を取り込むことでもエネルギーが作られますが、その代謝回路は、「解糖系」「クエン酸回路系」「電子伝達系」の3つからなります。
その一角を担っているのが、クエン酸が関係するクエン酸回路系です。クエン酸回路系は、人間に限らず、基本的に酸素呼吸を行うすべての動物に存在します。人は一日に約3万回近く呼吸し、その度にクエン酸回路系は稼働し続けるのですから、いかにクエン酸が必要不可欠な存在かお分かりいただけるでしょう。
■クエン酸効果が期待できる食材3選
クエン酸の重要な役割がわかると、そのクエン酸がどのような食べものに多く含まれているのか気になりますよね。それがわかれば、意識してクエン酸を体に取り込むことも可能になります。早速、クエン酸効果の期待できる食材を3つ紹介しましょう。
・梅干し
日本人にとって酸っぱい食べものというと、もっとも身近に感じるのが、梅干しかもしれませんね。梅干しには100gあたり約4gのクエン酸が含まれています。1個の換算すると、約1gです。
梅干しは、昔からおにぎりの具に使われたり、お弁当に添えられる定番食材としてお馴染みですが、農作業などをしたあとに食べる習慣があったのも、クエン酸のキレート作用の効力を知らず知らずのうちに感じ取っていたからかもしれませんね。
・柑橘類
レモンやみかん、グレープフルーツなどの柑橘系にもクエン酸が含まれています。同じフルーツでは、パイナップルやキウイにも含まれます。スポーツドリンクや疲労回復系の飲み物に柑橘系のフルーツ成分が多いのも、クエン酸の疲労回復効果を期待してのことといえるかもしれませんね。
・酢
酢にもクエン酸が含まれています。
一年を通じてもっとも疲れやすい時期といえば、夏かもしれません。とくに近年は、列島全体の平均気温が上昇し、熱中症リスクが大幅にアップしています。暑くなると酢を使ったメニューが数多く作られるようになりますよね。これも今に始まったことではありません。
昔から、酢に含まれるクエン酸への疲労回復効果を、経験から感じとっていたからかもしれませんね。
■クエン酸が持つ嬉しい効果
梅干しや酢を通じて昔の人も感じていたと考えられる、クエン酸がもつ嬉しい効果について具体的に紹介していきましょう。疲れたときだけでなく、美やアンチエイジング、ダイエットなどその効果はかなり広範囲にわたると考えられます。楽しみですね。さっそく見ていきましょう。
・疲労回復・筋肉痛の防止
クエン酸は、疲労物質を分解して蓄積させない期待効果があり、さらに糖を代謝させてエネルギーに変化させることがあるため、仕事や運動などで疲れても、キレート作用で元気を回復させられると望めます。筋肉痛の一因である乳酸も分解して新陳代謝を高める場合もあるので、クエン酸をしっかり摂れば、痛みを長く引きずらずに済むかもしれません。
・血液の酸性化を抑制・血流改善
クエン酸は、ビタミンやミネラルが体内で酸化する前に包む込む期待作用があるため、血液の酸性化を抑制する効果があると考えられます。疲労物質の乳酸がクエン酸回路を通じて分解されると、血液のサラサラ効果も期待できます。ミトコンドリア内で作られるエネルギーのもとは血液を通じて全身に送られます。
よってクエン酸で血流改善すれば、エネルギーが全身にみなぎって、やる気が出て前向きに過ごせる日が増えるかもしれませんよ。
・ミネラル吸収促進
クエン酸には、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを体内に吸収しやすくする作用があると期待できます。カルシウムは骨の大切な成分ですし、イライラする気持ちを抑えてくれるとも考えられています。
また、マグネシウムは心疾患の予防や精神安定効果に期待があるといわれていますから、小さな子どもから高齢者まで、幅広く恩恵を受けられるかもしれませんね。
・美肌効果
クエン際には美肌効果も期待できます。ニキビなどにより肌が荒れていると、鏡で自分の顔を見ただけでテンションが下がったり、人前に出るのもおっくうになりますよね。ところが、クエン酸は新陳代謝を高めることがあるため、古くなった角質をはがして肌ツヤをよくする効果がみられることも。
フルーツや梅干しを毎日食べる習慣ができれば、無理なくクエン酸を摂取することができます。美肌は一日にして成らずですが、根気よく続けていけば、先で喜べる結果が待っているかもしれませんよ。
・食欲増進
クエン酸の入った食品は、唾液や胃酸の分泌を促すと言われています。酸っぱい食べものを口に入れた瞬間、というより食べる前から口の中に唾液が出てくるのがわかることがありますよね。そしていざ口に入れると、すぐに胃も反応して消化態勢に入るわけです。
とくに夏バテで食欲が落ちやすい時期には、クエン酸入りの食べものをうまく取り入れることで、消化しやすくなって食欲を回復できるかもしれません。ぜひ試してみてください。
・ダイエット効果
クエン酸に期待できる効果の中でとくに嬉しいのは、ダイエット効果ではないでしょうか。ほかのメリットについてはピンとこない人でも、ダイエットと聞くと無視できないかもしれませんよね。
クエン酸回路が活性化すると、血液の流れが増進されて代謝がアップすると考えられます。そのため、汗をかきやすい体になり、余分な脂肪も除去されて体がスッキリしてスリムになることが期待できます。クエン酸が入った食べものは比較的安価なので、美肌になってシェイプアップできたら、かなりコスパがよいといえそうです。試してみる価値がありそうですよね。
■クエン酸の効果的な飲み方!疲労回復に
クエン酸を摂取する方法は、なにも食べるばかりではありません。ドリンクとして体に入れても、しっかりとクエン酸の効果は期待できます。クエン酸と水などがあれば簡単に作れるので、今日からでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか
・クエン酸ドリンクの作り方
クエン酸ドリンクはとても簡単で、あっという間に作れますよ。グラスにクエン酸を小さじ1だけ入れて、はちみつかメープルシロップを小さじ1加えます。あとは水230ccを少しずつかき混ぜながら入れて溶けたら完成です。お好みで水の代わりに炭酸水を使っても飲みやすいですよ。
レモンやすだちで代用することも可能ですが、クエン酸をダイレクトに摂取するためには、この作り方がもっともおすすめです。氷を入れて冷やして飲む場合は、水の量を減らしたりクエン酸やはちみつの量を増やすなど、お好みで調整してください。多めに作って冷蔵庫でストックしておくのもよいでしょう。
・最初のうちは飲める濃さで飲む
クエン酸ドリンクは酸っぱいのが特徴なので、苦手な人は飲みにくいと感じるかもしれません。その場合は、お好みで濃さを調整してください。はちみつやメープルシロップを多めに入れるのもいいですね。
・2時間おきに計6回程度飲む
クエン酸ドリンクの理想の飲み方は、2時間おきに1日計6回程度飲むというやり方です。経験のない人は、少々驚かれるかもしれませんが、慣れればそんなに苦にはなりませんよ。2時間おきに6回も飲む理由は、クエン酸はあまり長く体内にとどまることができないからです。
クエン酸によりアップした代謝により、クエン酸自体もどんどん体外に排出されてしまいます。キレート作用による効果を持続させていこうと思えば、2時間を目安にクエン酸を摂取していくのが理想なのです。ずっと家にいられないときは、マグやペットボトルに入れて持ち歩きましょう。
これが定着すれば、美肌効果やダイエット効果も期待できるかもしれませんよ。
■元気な体づくりに!クエン酸を利用して栄養をたくさん摂ろう
クエン酸は、毎日の食事でまめに摂ることが理想といえます。クエン酸は、ほかの栄養素の吸収をよくするはたらきが期待できるため、食べ合わせを工夫するのもおすすめです。おかずの材料やお弁当の付け合わせなど、意識して工夫すれば、相乗効果が大いに期待できるでしょう。
・鉄分を多く含む食材と一緒に
クエン酸のキレート作用を活かせば、鉄分も吸収されやすくなることがあります。とくに成長盛りの若者や、鉄分が不足して貧血気味の人は、クエン酸とともに鉄分を多く含む食材を摂取するとよいでしょう。たとえばレバーにレモン汁をかけるとか、かつおやひじき、納豆を梅肉とともに和えるなどすれば簡単に摂取できますよ。
・カルシウムを多く含む食材と
カルシウムもクエン酸のキレート作用を活用することで、体内に効率よく取り入れられることが期待できます。豆腐にすだちをかけたり、ヨーグルトにオレンジやキウイをトッピングしてもよいでしょう。今日からでも簡単に毎日のルーティーンにできますよ。
・ビタミンB群を多く含む食材と
ビタミンB群も、クエン酸のキレート作用を活かせ効率よく摂取できるでしょう。ビタミンB群が不足すると、たんぱく質や糖質などの大事な栄養素を摂取しても代謝不足によってエネルギーに変換できなくなるといわれています。ビタミンB群とクエン酸を同時摂取することで、より代謝がアップして元気に過ごせるとよいですよね。
・過剰摂取による心配はある?
クエン酸は短時間で体外に排出されるため、過剰摂取の心配はないといわれています。ただし、サプリメントによる過剰摂取では、嘔吐や下痢などの胃腸障害を引き起こす可能性もあるといわれているので、注意してください。
■まだまだある!クエン酸の効果と活用法
クエン酸のは、上記以外にもまだまだ有効な活用法があります。直接体にはたらきかけるものから、食材などに混ぜることで意外な効果を発揮するものもあります。ぜひ活用してみてくださいね。
・熱中症対策
熱中症になるときは、脱水症状だけでなく、ミネラルもともに体外へ流れ出てしまっています。そこで、クエン酸をまめに摂取しておけば、キレート作用によるミネラルの吸収のサポートが期待できるのです。
・根菜の下ごしらえ
クエン酸は、煮物などの下ごしらえにも一役買います。水1リットルに対してクエン酸を小さじ1ほど入れて溶かし、その中に根菜類を入れると、黒ずみが防止できて、煮物がきれいに仕上がります。
・臭みを取る
クエン酸は、キャベツの臭みをとる効果もあります。ロールキャベツなどで、キャベツを茹でるときにクエン酸をひとつまみ入れておくと、臭みが消えて気にならなくなります。
・辛みを抑える
クエン酸は大根おろしの辛味も除去してくれます。大根おろしにひとつまみ入れるだけですからとても簡単ですよ。
・焼酎・ウイスキーに入れる
焼酎やウイスキーにもクエン酸を入れると、お酒に酸味が程よく加わるので、とてもおいしくなります。サワーやハイボールなどにレモンを入れるのは、そのような効果を狙ってのことといえるでしょうね。
■クエン酸を使った掃除方法
最後にクエン酸を使ったおすすめの掃除方法を紹介しましょう。クエン酸が100均や量販店で売られている理由は、掃除に簡単に使えて大きな効果があるからといえるでしょう。ぜひ試してみてください。
・クエン酸はアルカリ性の汚れ落としに最適
クエン酸はアルカリ性に反応して中和します。そのため、アルカリ性の汚れを落とすのに最適です。トイレやキッチン、洗面所などで威力を発揮するでしょう。
ペットボトルやプラスチック容器などについたカルキも驚くほど簡単に除去できますよ。安く手に入るわりに、見事にあっという間に汚れが落ちる抜群のコスパの良さを体感してください。
・粉のまま掃除する方法
クエン酸の粉を汚れが気になる場所に直接ふりかけてください。しばらくして濡れたスポンジや布巾などで軽くこすって拭き取るだけです。洗濯機の場合は、直接洗剤投入口に入れて使えますよ。
・スプレーにして掃除する方法
1カップ(200cc)の水にクエン酸小さじ1を入れて溶かし、スプレーボトルに入れて、汚れが気になる場所に吹きかけて使います。キッチンや浴槽なら、その後、布巾などで拭き上げてください。臭いが気になる衣類にも吹きかけておくと、消臭効果がありますし、黄ばみ防止にもなります。
・ペーストにして掃除する方法
クエン酸の粉末に少量ずつ水を足しながらこねてください。ペースト状になったらそのまま汚れた場所に塗るだけです。しばらくしたら布巾などで拭きあげましょう。スプレーしても取れないようなガンコな汚れにおすすめです。
■クエン酸を活かして体も家もスッキリと
クエン酸には、健康だけでなく、美容やダイエット効果が大いに期待できることが分かりました。また、食材に混ぜれば、臭みや辛味を除去する効果もあります。さらに、水に溶かすだけで掃除用の洗剤に早変わりします。クエン酸はどこでも安価に手に入るので、とてもコスパの良い便利アイテムといえるでしょう。
ぜひクエン酸をフル活用して、ますます健康で快適な暮らしを演出してください!
タグ:クエン酸
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