薬を飲むだけで老化が防げる―ーー。そんなアンチエイジング薬の開発を目指して、様々な研究が進められています。 はたして、効果があるのでしょうか?
|薬を飲むことでサーチュインの
活性化を目指す。
直レートやコーヒー、赤ワイン等に含まれる「ポリフェノール」には、アンチエイジング作用があるといわれています。ポリフェノールとは、分子の中に【フェノール基】と呼ばれru酸化されやすい部分を持った物質の総称です。その為、ポリフェノールがDNAなどの代わりに活性酸素から酸化ストレスを受けることで、細胞の老化を防ぐのではないかといわれてきました。しかし、ポリフェノールの老化に対する作用については国立健康・栄養研究所は「十分なデータが見当たらない」と評価しています。
ブドウニッ含まれるポリフェノールである【レスベラトロール】は抗酸化作用以外にもはたらきを持つといわれています。実は、レスベラトロールはサーチュインタンパク質に作用し、その活動を活性化させます。つまり、カロリー制限を行ったのと同様な効果を得ることが期待出来る。
ここから、レスベラトロールを服用してさーっちゅいんたんぱく質を活性化させ、老化を防ぐという考えが生まれました。
例えばこんな実験があります。マウスに高カロリー食を与えると。肥満になって早死にします。しかし、高カロリー食とレスベラトロールを同時に与えると、肥満にはなるものの早死にしなくなることがわかりました。
通常に食事とレスベラトロールを摂取したマウスは、寿命の伸長は見られませんでしたが、血管の弾力映画維持されるなど、老化を防ぐ作用が見られた。ただし、レスベラトロールの人での効果はまだよくわかっていません。
|ほかの物資でカロリー制限の状況を再現することも
カロリー制限によって影響を受けるのはサーチュインだけではありません。【mTOR(エムトール)】というたんぱく質はカロリー制限によって働きが低下します。
この現象も、マウスの長寿化に影響しているのではないかといわれています。そこで。mTORの働きをていかさせる【ラパマイシン】という物質をマウスに投与するという実験が行われました。すると、マウスの余命が9〜14%長くなるという効果が得られました。
ただし、ラパマイシンはもともと免疫機能をていかさせる効果を持つため、多量に投与すると免疫系に有害な作用を及ぼす恐れがあります。また、腎臓にも影響があることが知られています。
ほかにもアンチエイジング薬の候補に挙げられている物質はいくつかありますが、今のところ飲むだけで老化を防げるような薬はないようです。今後の研究に期待されている。