コーシャ認証という言葉をご存知でしょうか?
コーシャとは「適正」を意味するヘブライ語で、イスラム教におけるハラルと同じく、ユダヤ教徒が口にしてもいい食品の規定です。
具体的には、規定に則って屠殺された牛、羊、ヤギ、鹿など蹄が分かれた反芻動物のみ食用可で、鳥や魚介類の中にも食べてはいけない種類があります。また一緒に食べたり調理してはいけない食品のルールもあるため、イスラエルのキッチンは肉用、魚用の2組の鍋や調理道具、シンクが備えてあるのだそうです。
コーシャの主な規定
【食べても良い食品】
・穀物、野菜、果物、海藻、塩やハーブなど
・蹄が分かれた、反芻する草食動物の肉とそれらの乳
・鶏、鴨、アヒル、ガチョウ、七面鳥の肉
・ヒレと鱗を持つ魚介類
【調理に関する規定】
・肉と乳製品は一緒に調理することは禁止。
・調理器具やシンクも別々にすることが望ましい
静岡県が発行している「しずおかコーシャによるおもてなしガイドブック」に、コーシャの基本的な規定がわかりやすくまとめられています。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-110/documents/kosherguidebook.pdf
「ラビ(ラバイ)」と呼ばれる専門の宗教指導者が、それらの規定に沿っているかどうかをチェックし、承認されたものだけがコーシャフードとして認証されます。世界のユダヤ教人口は約1400万人と言われており、15.7億人いるイスラム教徒と比べるとかなり小さな市場と思うかもしれません。
しかしこのコーシャ認証食品、購入するのはユダヤ教徒だけではないようです。
米国で関心が高まるコーシャ認証フード
原材料から製造過程まで厳正にチェックしたうえで認証されるコーシャ認証食品は、欧米では商品の品質保証マークと同じように捉えられており、食品の安全意識が高い人たちに多く支持されています。アメリカ人のなんと約5人に1人がコーシャ食品を買っているというデータもあるほどです。
コーシャフードを購入するアメリカ人は宗教的な理由ではなく、体に良い、安全であるという理由でコーシャ製品を選んでいます。製造工程で肉製品や乳製品が交じり合うことがないため、ベジタリアンや食物アレルギーを持つ人々にも安心して食べられているようです。コーシャフードへの関心の高まりを受け、大手スーパーマーケットにはコーシャコーナーが設けられ、コカ・コーラやユニリーバ、ネスレなどの食品大手もコーシャ認証を取得しています。現在では、コーシャ認証を持つ商品は70万種類にものぼると言います。
コーシャ認証を取得した日本食品
コーシャ認証を知ってますか?ハラルだけじゃない、宗教に関わる食品認証
コーシャ食品のユダヤ教徒以外への広まりを商機と捉え、日本企業でも味の素やキッコーマン、CHOYAなどは、すでにコーシャ認証を取得し、世界中のコーシャ専門店の棚に並んでいます。大手や有名ブランドだけでなく、中小企業の商品にもコーシャ認証を取得したものが多くあります。
ユダヤ教はアルコールを禁止していないため、「獺祭」や「南部美人」、「菊水」、「梵」などの日本酒はすでにコーシャ認証を取得しています。世界的に人気の和食はユダヤ人にも人気で、お茶や海苔、調味料、澱粉、肉製品、健康食品などたくさんの日本食品がコーシャ認証を取得しています。
コーシャ認証を取得する方法
コーシャ取得には、専門の聖職者であるラビ(ラバイ)の検査が必要なため、認証団体に依頼する必要があります。基本的には書類による事前審査と、原材料や製造工程を見る実地検査が行われます。原材料はどのようなものか、またそれをどのように保管しているか、検査対象の製造ラインが他の製品とどのように区分されているか、梱包材料に使ってはいけないものが使われていないか、など製造から出荷までチェックします。
日本にもいくつかコーシャ認証団体があり、団体により認証のプロセスが異なるようですので、詳細は各認証団体に確認してください。
ハラル、コーシャ以外の食規定
イスラム教、ユダヤ教以外の宗教にも食規定があります。
インドで人口の80%以上を占めるヒンドゥー教徒は、肉全般や卵、魚を口にしない人がほとんどです。カースト上位になればなるほど、肉食を避ける傾向が強いのだそうです。肉や魚そのものだけではなく、エキス、出汁についても食用を避けるため、植物性のもので代用することが必要です。
一部の厳格な仏教徒は肉全般や五辛(臭いや辛みの強いニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)を食べない人もいるようですし、キリスト教の一部宗派でもアルコール類など禁止される食品があります。
外国人を食事に招待したり、食品を贈ったりする場合には、ひとくくりにせず事前に調査・確認したほうがよいでしょう。
コーシャ認証と相性がいいのは?
食品の安全意識が高いヘルシー志向の消費者は、日本食に関心を持つ層とも重なりますし、オーガニックやアレルゲンフリー食品を求める層にも需要があると考えられます。実際にイスラエルでは寿司が人気で、寿司を出しているコーシャレストランがたくさんあるのだそう。和食関連商材やオーガニック商品を海外に販売する際はコーシャ認証の取得を考えてみてもいいかもしれません。
製品を世界に広めるにあたっては、世界の人々の宗教や嗜好などを理解し、それに対応した認証の取得や、また必要があれば対応する新商品を開発することが必要でしょう。
https://www.b2b.alibaba.co.jp/aj-press/000328/#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E8%AA%8D%E8%A8%BC%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E8%A8%80%E8%91%89%E3%82%92,%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E7%A8%AE%E9%A1%9E%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
<コメント>
▲👁毒や昆虫食や様々な食品添加物を避ける為に活用できますね♪
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