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2018年10月10日

第6R〜あーうまかったー!最も事故が起こりやすい毒きのこ!?

必ずお読みください!

お久しぶりです。しばらく書いていなかったので、コイツついに誤食で死にやがったな?と思った方もいるだろうが、残念でした。

久しぶりって、さっきブログをアップしたばかりじゃねえか、と思った方もいるだろう。しかしあれはもうとっくの昔にほとんど書き上げていたにもかかわらず、あとちょっとが残っていたものをほっぽりっぱなしにしておいたものを仕上げて投稿した記事である。

まあそんなことはどうでもよいのだが、台風すごかったですねぇ・・・(←すごい今更感)1発目の台風でもヒラタケのホダ木などはけっこうなダメージを食らったのだが、2発目は強烈だった。山全体に深刻なダメージを与え、今秋のきのこはどうやら厳しい状況に陥った感がある。

何しろ山に入っていくことができないのだ。山に至るまでの道という道が片っ端から通行止めを食らっており、目的地のはるか手前で足止め→振り出しに戻るという感じの、恐ろしくヘタクソなすごろくをやっている気分になる。

昨日ようやく唯一生きている道(といっても目的地までは遠く、普段は山目的で使うことはない道)から山に入っていったのだが、惨憺たる状況であった。1発目の台風でかろうじて生き残っていた一番奥のヒラタケのホダ木のところまではとてもではないけれど入ることができない状況である。手前3本はどうせ1発目でぶち折られてしまったから、2発目の影響はさして大きくなかった。

ただ、ぼちぼち色づきはじめ、ひそかに狙っていた山ぶどうは、木ごと根こそぎ跡形もなく消え失せていた。ぜってえ折れねえだろうこれ、と思われた杉の大木も無残に折られており、なんだかなぁ・・・という感じである。ここまでたくさんの杉の木が折れている姿を私ははじめて目にした。きのことは無関係の杉ではあるけれど、さすがにちょっと悲しかった。

サルナシの木は大丈夫だったが、サルナシの実がすべてぶち落ちて腐っており、甘い香りが不規則な風に乗って去来していた。そのせいか、普段見たことがないオオスズメバチの羽音が不吉に耳を衝いた。あーやだなーもう・・・

毎年ちょっとしたシアワセを与えてくれる山ぶどうのかわりに、なんだかワケのわからん気持ち悪い赤い実が大量に路上を覆っていた。これである。なんだろうこいつは・・・木の実に詳しい方は教えてください。

DSC_0022.JPG

まあこれも自然現象なので仕方ないと割り切って、入っていけない山へと無理に入り込むよりは、入れる森に入って様子を見てこようということで採取してきたのが、今回のお題となるきのこである。こいつだ。

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DSC_0021.JPG

これは非常にうまそうなきのこだなぁ・・・おそらくみなさんもそのように感じられたことだろう。シメジ系のきのこかな?とも思っただろう。そしてだいたいこの系統のきのこは、油断すると痛い目を見ることになるのだ・・・

なーんてエラそうなことを言いながら、臆病者の私はシメジ系の同定(きのこの見極め)だけは慎重に慎重を重ねているので、幸か不幸か今のところ「ヒット」の憂き目に遭ったことはない。死なないこと、後遺障害が残らないことを前提に、一度くらいこっぴどい目に遭ったほうがいいのかな、なんてのんきなことを考えたりもするのだが、今のところセーフである。

ということで、このきのこもセーフであった。臆病者ながらも食い意地が張っている私はこのきのこをおいしくいただいた。それならばある程度正解の確率が高い予想をお届けすることができると思う。しかし食う前はマジでドキドキでしたよ・・・とりあえず、予想はこんな感じである。

◎ ハタケシメジ
〇 クサウラベニタケ
▲ シモフリシメジ
△ ホンシメジ
△ ウラベニホテイシメジ
△ ネズミシメジ
✕ シャカシメジ

実はこの近辺では毎年かなりの量のハタケシメジが採れる。これが根拠。ではなぜ食う前にドキドキしたのかというと、例年よりも時期が早いこと、そして例年のハタケシメジとはいろいろ異なる部分が多いことが挙げられる。

例年のハタケシメジはもっと群生しており、柄はもうちょいきったねぇ感じのまだら模様になることが多い。しかしご覧のとおり、このシメジは柄が真っ白に近く、しかも中空(空洞がある)気味の柄である。シメジは基本的に中実の柄を持つ・・・ここが最大のネックだった。なにしろ、強毒のクサウラベニタケが中空の柄を持つコレ系きのこの代表なのだから。

クサウラベニタケ、めちゃめちゃたくさん出てるんですよねぇこの近辺に。でもね、それは見るからに「典型的なクサウラベニタケ」なので、ハタケシメジとは明らかに違っている。しかしクサウラベニタケというのは非常にやっかいな毒きのこで、おそらくヤマドリタケモドキと並んで「いろんな見た目」へと変化’(へんげ)するきのこなのだ。

実際、ハタケシメジやウラベニホテイシメジ、そしてホンシメジとの誤食が起こりやすいらしい。だからこそ「最も誤食事故が多い毒きのこ」の異名をクサウラベニタケは持つのだろう。プロでさえ悩むのだから、ど素人の私が悩むのもおわかりいただけるかと思う。ちなみにこのきのこの特徴を列挙して、ハタケシメジとクサウラベニタケの特徴と比較してみると、こうなる。

@傘色・・・黒に近い灰色わずかに茶混じりカスリ紋様あり(ハタケシメジの特徴、クサウラベニタケは光沢がある)
A傘の質感・・・けっこう丈夫(ハタケに合致、クサウラはもろいことが多い)
Bヒダ色・・・白(ハタケに合致、クサウラはよーく見るとわずかにピンク)
C柄・・・中空気味(クサウラに合致、ハタケは中実)
D発生状況・・・2本(ハタケシメジは2本以上の株、クサウラはイッポンシメジの仲間だが2本くらいくっついていることもある)

悩んだのはC、Dである。まあDについてはクサウラよりもハタケが優勢かな、とは思ったが、Cは完全にクサウラベニタケの特徴だったから、これは本当に迷った。ただ、例年の10本くらいの株の中には、けっこう中空気味のハタケシメジも混じっている(中空、中空気味、中実の区別は微妙でどうもニガテです・・・)ので、これもハタケなんじゃないかな?と判断したのだ。はっきりいって我ながら非常にリスキーな判断だったと思う。

まあクサウラベニタケはよほどのことがなければ死ぬような毒きのこではないし、小ぶりなきのこ2本ならヒットしてもそれほどひどい目には合わないだろうという楽観的な解釈も手伝ったのだ。

ということで、食った感じは非常に美味であり、例年のハタケシメジに酷似していた。クサウラを食ったらたぶんこんなにうまくはないと思う。食感はもうショリッショリ、歯切れと独特の風味をわずか2本でも楽しむことができた。これならクサウラでもいいや、なんて思うくらいうまかったなぁ。

おそらくそろそろハタケシメジの群も発生していると思うので、明日あたり見てこようと思う。
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