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2014年07月13日
母が亡くなる前の1週間前の話
今から、9年前、母は癌で亡くなりました。
亡くなる前の1週間前の話です。
僕は結婚して子供、妻を連れて帰郷し、病院に母の看病に行っていました。
そのころ、すでに母は、食べ物は食べては、吐き、1日に口にできるものは、スプーン一杯のアイスクリームだけでした。
夜7時、夕食が運ばれてきました。
母はそれに気づかず、つらそうに眠っていました。
そして、午後8時になって、食器を片付ける音が聞こえてきたので、僕は、母をそっと起こし、
少しでもいいから、食べて寝るよう勧めました。
母は、ゆっくり起き上がると、茶碗を手に持って、目をぎゅっとつむって、おかゆをかきこみ初めました。
僕が、そんなに急いで食べたら、また、吐くから!ゆっくり食べて、というと、母は、僕に、こういいました。
「だって、自分が早く食べて、栄一を家に帰してやらなきゃあ、家で待ってる美枝子や孫がかわいそうだ。」
それを聞いて、僕は頭が真っ白になりました。
病室で泣けず、母を寝かせて、病院の駐車場の車のなかで、声を上げて泣きました。
母は最期まで、そうゆう人でした。
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