2019年11月01日
2019年10月のプライム・ビデオ見散らかし
誰も知らない
前々から見たいと思っていた作品。気づいたらAmazon プライムの会員特典Prime Videoに追加されていたので、この機会を逃さぬうちにとさっそく。
その昔実際に起きた子供置き去り事件を題材にしたお話。主役の男の子(柳楽優弥)がカンヌ映画祭の最優秀主演男優賞をとったことで一躍話題になった。よくよく考えたら(そもそも考えるまでもないのだけど)とんでもない出来事を描いてるのだが、そんなことを忘れてしまうぐらいに妙に自然でリアリティがあって、日常に起こるすべてのことが淡々と進んでいく感じはどこかフランス映画のタッチに似ている。カンヌ映画祭の審査員はいつもほとんどが欧米系の人たちだけれど、なるほど彼らの好みに合ってたのかもしれない。
さて、この映画で育児放棄する母親を演じているのがタレントのYOU。あなたをおいて他に誰がありましょうというぐらいの圧巻のはまり役。無戸籍で小学校にも通わせてもらえず「早く学校に行きたい」とせがむ息子に「学校なんか行かなくたってエラくなれる。田中角栄もアントニオ猪木も行ってないし。たぶん」みたいなことを言ってむりやり息子を諭すシーンではたまらず笑ってしまった。ほんとにそんなこと平気で言いそうだ。
気になって実際の事件のことをちょっと調べてみた。亡くなった子供もいるというのに事件を起こした母親は驚くほどの軽い量刑ですんでいる。およそ30年程前に起きた事件らしいが、昨今も痛ましい児童虐待事件は起き続けている。しかもその刑罰は今もってなお驚くほど軽い。我が国はこの方面ではまだまだどうしようもなく後進国なのだとしみじみ感じた。
そして誰もいなくなった
1945年のアメリカ映画。モノクロ。原作はアガサ・クリスティーの同名小説。絶海の孤島を舞台に「十人のインディアン」という不気味な童謡の歌詞になぞらえて次々人が殺されていく。原作とはちょっと異なる展開。どうやらこの作品は小説の他にクリスティ女史自身が書いた戯曲版もあるらしくて、この映画はそっちの方がベースになっているらしい。「密室状態の孤島で起こる連続殺人」というそら恐ろしいテーマのわりには、コメディタッチに話が進んでいくので怖くない。それにしても1945年といえば終戦の年。日本は焼け野原状態で大変な状況だったろうときに、アメリカは戦争してる間も変わらずこんな娯楽映画をばんばん作っていたことに驚いた。国力の差を見せつけられた感じでため息。
22年目の告白−私が殺人犯です
時効を迎えた連続殺人事件をめぐる話。残念ながらキャストの顔ぶれを見た段階でだいたい真犯人の見当がついてしまう。序盤の方こそ「えっ??」という雰囲気で話が進んでいくが、途中、半分ネタばらし的な展開をむかえたところで「ほらもうやっぱあんたしかおらんやん」という感じになる。まあでもなんだかんだで飽きることなく最後まで見通した。なんとなく昔見た松田優作の「野獣死すべし」を思い起こさせる映画だった。
きのう何食べた?
これも見たい見たいと思いながら、リアルタイムではいつも見逃しているうちに気がついたら終わってしまっていたドラマ。ありがたいことに早くもプライムビデオにラインナップされていた。
男性同士のカップルの日常をほんわか描く。主人公のゲイカップルを西島秀俊と内野聖陽が演じている。内野聖陽はつねづね私の中で、男性フェロモンが服着て歩いている人というイメージだったが、このドラマではみごとおちゃめなゲイの男性になりきっている。俳優さんというのはやっぱりすごいんだなと思った。
毎回登場する西島秀俊が作る料理が楽しみ。家庭の台所を預かる身としてはレシピがとても参考になる。「鮭の炊き込みご飯」「小松菜と厚揚げの煮びたし」「手羽先の水炊き鍋」等々、このドラマで見た料理がおかげさまですでに数品我が家の食卓にもあがった。
田中美佐子や山本耕史、梶芽衣子、志賀廣太郎など、脇を固める役者さんたちも皆いい味出しててとってもいい。
あんまり面白くて思わず6話まで一気見。時間を見つけて早く続きも見なくっちゃ。
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