2020年06月20日
ミレイユ どっしりと ふっくらと
Feel the Beat もっと楽しく感じるままに 技術のミレイユ
※Switch版エルネア王国での出来事をベースに、妄想+創作+脚色を加えた物語です
エナ持ち男2人と親しい妹ミレイユの恋路が心配だったので、
私はなんとなく2人の国民台帳に目を通していて――気付いてしまった。
彼は一匹狼な性格だった。
つまり彼は単独行動を好む人柄なのに、エナほほ持ち独身男性のせいで常に女性に囲まれる運命にあるらしい。
エナ様はなかなか残酷なことをする……。
彼に恨みでもあるのだろうか。
4日の朝、妹の様子を見に魔銃導師居室に行くと、ちょうど家から出て行こうとする彼女と鉢合わせした。
アナ
「おはよう。どこ行くの?」
「おはよう、お姉ちゃん。お父さんみたいな魔銃兵になりたいから、ダンジョンで鍛えようと思って」
アナ
「じゃあ、一緒に行く?」
「うん!よろしくね。お姉ちゃん」
誘ってみたら快諾してくれた。
素直で可愛い妹だ。
魔銃兵になりたいとのことなので、近いし旧市街跡へ2人で向かう。
途中、
森の方向から業を背負う男ヴァーノンが歩いてくるのが見えた。
ヴァーノン
「おはよう」
「あ、ヴァーノンさんおはようございます」
声を掛けてきた積極性-2の一匹狼に対し、妹は挨拶だけして通り過ぎようとする。
妹のその態度に、ヴァーノンはショックを受けたような顔をしていた。
向こうはミレイユちゃんのことが気になって朝1で話しかけに来てるんだから、もうちょっと話してあげたら……?
私が立ち止まって頷くと、ミレイユちゃんはヴァーノンに向き直った。
ヴァーノン
「どこに行くの?」
アナ
(ヘタレ……)
私は失礼なことを呟いた。もちろん心の中で。
エナほほなんだから、もっとガツガツいけばいいのに。積極性-2だから無理か。
「お姉ちゃんとダンジョンだよ」
ミレイユちゃんはにっこり微笑んだ。
オールプラスの妹から放たれるそれは、なんだか魔性の笑みのように見えた。
「残念。ヴァーノンさんは忙しくて行けそうにないね?」
ヴァーノン
「……え?」
暇そうなヴァーノンは、妹の言葉に困惑していた。
ミレイユちゃんは微笑んだまま、彼の背後を指さす。
ヴァーノン
「なっ……!」
ヴァーノンは絶句し、私は彼に同情した。
彼の背後から、新成人の女性軍団(+その中に埋もれているもう一人のエナほほ男アモス)が、
こちらに向かって突進してくるのが見えた。
あっと言う間にヴァーノンは女性たちに取り囲まれてしまった。
彼が一匹狼でいることを、エナ様は許してくれないようだ。
「お姉ちゃん、行こう」
アナ
「助けなくていいの?」
「私が助けに入ったら逆効果だよ」
アナ
(……がんばれ……)
ミレイユちゃんに手を引かれる。
ヴァーノンは取り囲む女性たちの対応に手一杯でこちらの様子に気付いていない。
アモスだけはミレイユちゃんに話しかけたそうに私たちの方を見ていたけど、女性たちに囲まれて身動きがとれないようだ。
私はヴァーノンに心の中でエールを送りながら、旧市街跡に足を踏み入れた。
アナ
「ミレイユちゃんは気になる人とかいないの?」
ダンジョンの中で、それとなく妹に聞いてみる。
「恋人候補ってことだよね?うーん、それならヴァーノンさんかな。見てて面白いんだよ」
予想外の返答に、思わず攻撃を外してしまった……。
可愛くて純真な妹!と思っていたけど、少々Sっ気があるのかもしれない。
「それにさ、私たちって別に子供の頃からすごく仲良し!ってわけじゃないんだよ。お姉ちゃんたちと違って」
204年に農業管理官をしていた時、牧場でミレイユと遊んでいたのは違う男の子だった。
ヴァーノンと遊んでいるところを見かけたことは一度もない。
「彼はエナ持ちだから、私から追いかけたらダメだと思うんだよね。駆け引きってやつだよ」
確かに、ミレイユちゃんから彼に話しかけるということはつまり、先程の取り囲み女子の一員になるということ。
アモスはそうでもなかったけどヴァーノンは迷惑そうだったし、妹の対応が正解なのかなぁ。
アナ
「ミレイユちゃんが意外と腹黒だってことがわかって悲しい」
正直な感想を告げたら、ミレイユちゃんは困ったように笑った。
「えー?でもこっちも大変なんだよ。気を抜くとエナほほの力に引き込まれそうなんだもん」
私は既婚者だからか彼からエナほほの力を感じないけど、ミレイユちゃんは違うらしい。
うっすらと頬を染める妹は、どこにでもいる恋する少女だった。
エリアクリアしてダンジョンを出ると、どうにか取り巻きを振り切ったらしいアモスがミレイユちゃんに話しかけてきた。
だが、塩対応で撃退されていた……。
ミレイユちゃんが気になっているのはヴァーノンらしいから、当然といえば当然なんだけど。
まさかエナほほ男子2人が妹に翻弄されているとは……。
世の中は不思議なことばっかりだ。
205年の終わりに、ミレイユちゃんはヴァーノンと無事に付き合いだしていた。
めでたしめでたし。
【あとがき】
オールプラスな性格は非常にモテるようだと、ミレイユのおかげで学びましたw
初代の子供のうち、PCアナと末っ子ヴェロニクはあまりモテず、
逆にセイルとミレイユはモテまくりでした。
モテる勢も、それぞれ人との接し方が違うのが面白い。
セイル(積極性-1優しさ+1)は恋人ができるまで、しょっちゅうどこぞの女たちと高速移動していました。
同居していたころ、朝から自宅に彼目当ての女たちが数人やってくるほどでした。
男とも移動している姿をたびたび見かけたので、天然の人たらしなんだろうなぁ……。
逆にミレイユ(積極性と優しさ+2)は誰かと高速移動しているのをほぼ見かけませんでした。
話しかけられた時の塩対応もやたら目につきました。
本当に優しい子なのでしょうか……
NPCの行動は、性格だけで決まるわけではないのかもしれないですね。
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大学受験の予備校で、現代文の指導をしているaikoです。
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女の子とねずみの 友情の物語。
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薄くて嵩張らないし 面白いし、本当に秀逸!
コツコツ買いためてきたのですが、
4歳になって 通しで読めるようになりました。
寝る前に持ってこられると 悲惨ですけど。
長くてなかなか終わらない。。。
(内容、半分くらいは理解してるかな?)
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