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2018年06月07日

公立中高一貫校の特徴(中等教育学校型と併設型)

都立中の形態
現在全国で設置されている公立中高一貫校は「6年間の学校生活の中で計画的・継続的な教育課程を展開することにより、生徒の個性や創造性を伸ばす」ことを目的にしています。東京都には中等教育学校型と併設型の2つのタイプがあります。

中等教育学校型
小石川中
桜修館中
立川国際中
三鷹中
南多摩中
区立九段中等

「一つの学校において一体的に中高一貫教育を行うもの」とされています。前期課程(中学校の学習指導要領)と後期課程(高等学校の学習指導要領)に分かれていますが、一貫教育の特色を出すために
@「中学校の段階で選択教科をより幅広く導入できること」
A中学校と高校の「指導内容の一部を入れ替えて指導できること」
以上のような「基準の特例」を設けています。中学入学時には「適性検査(選抜試験)」が実施されますが、高校には「無試験で進学」できます。外部からの高校募集は行われません。募集定員は一部例外を除き男女各80名、合計160名となっています。



併設型
白鷗高附属中
両国高附属中
武蔵高附属中
大泉高附属中
富士高附属中

「高校入試選抜を行わずに、同一の設置者による中学校と高等学校を接続するもの」とされます。現在ある高校をベースにして、同じ敷地内に中学校と高校が設置されることから「併設型」と言われます。
中学校は「中高一貫」の教育課程が組まれていますが、中等教育学校と同様「特色ある教育課程を編成する」ことができるように「基準の特例」が設けられています。中学入学時には「適性検査(選抜試験)」が実施されますが、高校には「無試験で進学」できます。中等教育学校との違いは、募集定員は削減されますが、外部からの高校募集が行われる点です。したがって、このタイプの学校では高校入試は継続して実施されます。中学の募集定員は、白鷗中以外男女各60名、合計120名となっています。


教育理念は「リーダーの育成」
公立と私立の区別は、前者は社会の全員に門戸を開放し「対等平等」を基本としているのに対し、後者はあくまでも「特定の教育理念・方針」の実践・実績(自由であり、かつ特別な教育課程の編成など)への共感を基本としている点です。過去・現在においても、また将来においても、私立学校が「自由な教育」の実践を大きな魅力としているのに対して、公立学校は社会に対していかなる役割を果たしていけばいいのか、社会の費用(税金)で設立されている以上、社会へ貢献できる人材の育成が重要なテーマです。そのため公立中高一貫校の教育の基本理念として「未来を切り開くリーダーの育成」が掲げられているのです。

「リーダーの育成」の内容
主な内容は次の3点になります。
@「自然、社会、人文等のあらゆる分野に関心を持った生徒」の育成。
そのために、教育課程として、基本は「すべてを学ぶ」システム(教養教育)を用意しているのです。日本史、世界史、地理、政治経済、倫理社会のすべてといった具合です。
Aリーダーに一番必要な「コミュニケーション能力」の養成。
ここには2つの課題があります。1つはしっかりとした国語の力=言語能力をベースにして、自分の考えを「理由や根拠」を明確にして相手に伝えること。もう1つは「異なる文化や考え方をもつ人」との交流、一般的に国際社会の場面で自分の意見を述べることです。
B「論理的な思考力」の養成。
課題の論理的(合理的)解決と円滑なコミュニケーションに不可欠な柱です。公立中高一貫校の適性検査の多くが「論理的な思考力と表現力を必要とする問題」であること、また教育課程がこうした思考力と表現力を6年間かけて養成するシステムとなっていることが、従来の公立校と区別される重要な点だと言えるでしょう。

教育課程・カリキュラム
公立中高一貫校の6年間の教育課程の特徴をまとめてみましょう。

3段階の教育課程
多くの一貫校は6年間の課程を3つの段階に区切って、各段階でそれぞれに課程を明確にし、一定の能力や関心・態度の育成を図ると同時に、各校で重視するものについては、6年間系統的にその養成を目指しているのです(基礎力養成期・充実期・発展期の3つ)。
基準の特例
特徴の1つは、従来の公立校と異なり、「自由な教育課程の編成」が可能となっていることです。一貫教育の特色を出すために、
@「中学校の段階で選択教科をより幅広く導入できること」
A中学校と高校の「指導内容の一部を入れ替えて指導できること」
以上のような「基準の特例」が設けられているのです。つまり、学習単元の「順番を変えたり、内容を創意工夫」できるのです。例えば桜修館中では、中学校の歴史分野の授業で高校の『日本史』『世界史』の視点が取り入れられています。

習熟度別授業&土曜講座
より細かな生徒指導を行うという観点から、英数を中心に“少人数・習熟度別授業”を行ったり、基礎学力の養成の徹底を図るために、土曜日には予備講座や補習が組まれたりしています。

特色ある教育活動
朝学習や朝読書から始まって、特に一貫校では国際社会に貢献する人材の育成の必要から英語の系統的かつ実践的学習に力が注がれています。立川国際中では、2年生で英語合宿、1・2年生でイングリッシュ・サマー・セミナー、1〜3年生でレシテーション(暗唱)コンテストやスピーチコンテストなどの英語学習発表会、5年生で英語圏への海外研修旅行など、九段中等では2年次にオーストラリアホームステイ(選抜)、3年次にオーストラリア研修旅行(全員参加)などが行われます。論理的思考力の養成を重視する桜修館中の「国語で論理を学ぶ」や「数学で論理を学ぶ」も創意のある教育です。グローバル化が進む現代の中で、武蔵高附属中の目玉は「地球学」の学習です。調査・観察を通して課題を見つけ、中3で課題研究の発表が行われます(地球学発表会)。
また、三味線や伝統工芸など日本の伝統文化の学習(白鷗高附属中)、望ましい職業観・勤労観を培い、将来、職業を通して社会に貢献する志や使命感を育成するため、総合的な学習の時間に行う「志(こころざし)学」(両国高附属中)なども特徴的です。さらに、小石川中では観察・実験を重視し、自然の様々な事象への関心を深め、かつ科学的に分析、考察する力を養う「理数教育」、オーストラリア海外語学研修[3年次・一人一家庭で全員参加・2週間]など、国際理解教育を重視した教育実践が行われています。
十分な授業時間数の確保(前期3年間)
文部科学省が設定している公立校の標準的な授業時間数と比べて、一貫校では主要5教科(英数国理社)で、より多くの時間数を確保しています。例えば武蔵高附属中では、国語・数学で1.15倍、英語で1.05倍の時間数を設定しています。
都立武蔵高附属中の学習時間(中学3年間)
区立や市立などの中学校より、授業時間を確保しています。



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入試分析(小石川中学)

2018年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1 串田孫一「考えることについて」による
文章2 出口治明「人生を面白くする 本物の教養」による
出題形式:例年通り、2つの文章を読む問題形式です。問題3までありますが、問題1が(1)・(2)とあるので、文章読解の問題が計3問、最後の1問が作文問題です。
内容:文章1・文章2ともに、「ものの考え方」について書かれています。
問題1の(1)は「知ること」の出発点にある気持ち、(2)は、「知ることができた」ときの気持ちを答えるものでした。どちらも解答となる箇所(かしょ)は見つけやすいものでした。問題2は、理由説明問題ですので、因果関係を読み取るだけです。必ず正解したいところです。問題3は、例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも「これから学校生活や日常生活の中で、何を大事にし、どのように行動していくか」という頻出のものでしたので、取り組みやすかったことでしょう。
適性検査U
大問1はさいころを扱った問題でした。受検生にとってはなじみ深い題材です。
問題1は展開図を書く問題で、実際にさいころの面のスケッチを描くものです。問題2はさいころの目を使って式を立てる問題でしたが、ルールに従うことができれば答えることは簡単です。問題3は鏡に映したさいころについて考える問題です。6の目以外が4個ずつ映ることに気が付けば正解にたどり着ける問題です。
大問2は「食料の輸入」を題材とした問題でした。
小石川中の適性検査で恒例の出題となっている「世界の中の日本」というテーマから、計算力が必要な問題・グラフの作成や字数の多い記述問題が出されました。今年の120字以上150字以下の記述は、3つのことに言及しなければならず、上手にまとめるのに苦労した受検生も多かったことでしょう。
大問3は「花粉や黄砂の測定結果」について考察する問題です。
問題1が「花粉を顕微鏡で観察し、花粉の数を求める」問題で、単位量当たりの計算を必要とします。問題2は黄砂を観測する装置の仕組みの説明から、計測結果を考察する問題です。初めて知る観測装置なので、会話文や図を読み仕組みを理解する力が必要です。問題3は「日本で黄砂が観測される原因と気象状況の関連」について考察し記述する問題です。身近な話題ですが、問題文や資料から観測の方法や分析の仕方を読み取る力が必要な問題でした。
適性検査V
大問2つの構成で、傾向も例年通りでしたが図示をする問題がはじめに2題出てきたので戸惑った受験生も多かったことでしょう。
大問1は「泡」に関する問題です。
「石けんの混ざった水でできた泡」の構造、「石けん液が細かい泡になる容器」の構造を書くという問題、それを踏まえて「泡の形が変化する理由」を考え確かめる実験方法を考える問題、「泡がたくさん出ると困ってしまう場面」の例示、考察と例示に対する工夫を問う問題が出されました。身近な現象から理由を考え実験により証明していく過程を問われる検査でした。日頃からの取り組みで差がついたことでしょう。
大問2は「図形の折り曲げ、対称性と規則性」に関する問題です。
長方形の紙を折るという単純な作業に関する問題。指定された折り方に沿って折る場合に折り目がどう変わるか、ルールの理解と規則を発見して解く力を問うような問題でした。解答に至った理由の説明も求められており、こちらも得点差がついたと考えられる問題です。

2017年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1 木皿泉「木皿食堂2 6粒と半分のお米」による
文章2 武田双雲「伝わる技術」による
出題形式:例年と同じく2つの文章を読む問題形式です。問題3まであり、文章読解の問題が2問、最後の1問が作文問題です。
内容:問題3の問題文にも書かれているように、文章1・文章2ともに、「自由」についての考え方について書かれています。問題1、2は、どちらも「具体例を一つ、本文中から探して書きなさい」というものでした。2題とも具体例を探すという問題になったのは、これが初めてです。どちらも解答となる箇所(かしょ)は見つけやすく、とくに問題2は、「何のためにそうするのかがはっきり分かるように」という指示まで出されていますので、必ず正解したいところです。問題3は例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも特別なものではないので、取り組みやすかったことでしょう。
適性検査U
大問3つの構成でした。大問1は「図形」がテーマで、立体の見方・対称性・規則性を見つける問題です。簡単な例を具体的に書き出して、作業をする中で解答を導き出していけるとよいでしょう。特に問題1は必ず得点したいところですが、同じ大きさの正三角形を答えるというようなミスは禁物です。問題2は、Aグループの枚数が(3の倍数+1)、Bグループが(3の倍数)になっていることに注目し、その差の1は3本の対角線の交点がある「き」の三角形であることに気が付ければスピーディーに解答にたどりつけます。問題3は問題文の誘導に従って規則性を検証する問題です。
大問2は「世界の水資源」を題材とした問題でした。小石川中の適性検査で恒例の出題となっている「世界の中の日本」というテーマから、計算力が必要な問題や字数の多い記述問題が出されていました。今年の計算はなかなか骨の折れるものでした。単位の換算も含めて、計算に時間をかけてしまった受検生が多かったことでしょう。
大問3は「時間を計ることを題材にした理科実験」を考察する問題です。問題1が「太陽、ふり子、ろうそく」のいずれかの法則から時間が計れる理由を記述する問題で、教科書範囲の知識が必要とされました。問題2は実験結果を考察し、比例の関係を導く問題でした。問題3は対照実験について考察する問題でした。いずれも、決して目新しいものではなく、あわてずに考えれば正解にたどり着ける問題です。
適性検査V
大問2つの構成で、傾向も例年通りでした。
大問1は「もののあたたまりやすさ、熱の伝わりやすさ」に関する問題です。「木より金属の方があたたまりにくい」という仮説が正しいとしたらその根拠は何か、金属のベンチが夏に熱くなる理由、実験結果の共通点とその考察について答え、「金属で作ると良い道具」を挙げる問題でした。身近な現象から仮説を考え実験により修正していく過程を問われる検査でした。日頃からの取り組みで差がついたことでしょう。
大問2は「円や球を並べたときの面積、対称性と規則性」に関する問題です。複合図形の面積や倍率や、敷き詰めた円の大きさ、ルールの完全理解と決断力などを問う問題、また、規則を発見して数を正確に数える問題でした。解答に至った理由の説明も求められており、こちらも得点差がついたと考えられる問題です。

2016年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1菊田まりこ「本は心の友だち」による
文章2茂木健一郎「ある時脳ははばたく」による
出題形式:例年と同じく2つの文章を読む問題形式です。問題3まであり、文章読解の問題が2問、最後の1問が作文問題です。
内容:文章A・文章Bともに、読書をすることのメリットが書かれています。どちらも読書をするべきだという立場で書かれているので、問題3の作文テーマ「読書が与えてくれるもの」につながる文章でした。内容としては、どちらも平易な文章でした。問題1、2は読解問題です。問題1は、解答の仕方に指定が多くあるので、書きやすいはずです。問題2も筆者の考えを読み取る問題なので、正解したいところです。問題3は例年と同様の400字以上440字以内の作文で、テーマも頻出のものなので、取り組みやすかったことでしょう。
適性検査U
大問3つの構成でした。大問1は「渋滞」を題材にした作業中心の問題で、ルールと条件に従い作業を行えば平易に解答を導き出すことができました。必ず得点しなければならない問題です。
大問2は「日本の小売業」を題材とした問題でした。例年通り、「世界の中の日本」というテーマや、計算力が必要な問題が含まれていました。割合を計算する問題に手間取ってしまった受検生も多かったかもしれません。
大問3は「アゲハチョウの幼虫のからだのしくみと蛹化する環境についての実験」を考察するものです。資料から幼虫の体のしくみを考える問題が1問、実験結果から結論を導き説明する問題が2問の、小問3題で構成されています。
適性検査V
例年通り大問2つの構成でした。
大問1は「もののすべりやすさ」に関する問題です。円と割合に関する計算問題以外は、すべりやすい所、すべりやすくなる原因と検証実験、すべりにくくする工夫など、身近な現象への興味関心や理科実験のやり方を問われる問題でした。日頃からの取り組みにより差がついたことでしょう。
大問2は「規則性と展開図」に関する問題です。立体の展開図や、模型を作るため工作用紙に切る線と折り曲げる線を書き込む問題、及び、規則を発見して数を正確に数える問題でした。解答に至った理由の説明も問われており、こちらも得点差がついたと考えられる問題です。

2015年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1木下是雄「理科系の作文技術」より
文章2養老孟司「メッセージのメッセージ」より
出題形式:小石川中・武蔵中・富士中・大泉中の共通問題は、公開されたサンプル問題(小石川中・武蔵中の過去問題)とほぼ同様の形式で、「メッセージ」について書くものでした。大きな形式上の変更はありませんが、総計の文字数は最大500字以下と、心もち少なくなっています。
内容:文章1・文章2に共通するのは「コミュニケーション」、「人間同士の伝達」です。問題1・問題2は部分要約の問題で、問いのキーワードから内容をしぼっていけますが、どの言葉を利用し、どこを削るか、つめて考える必要があります。問題3の課題「人が何かを伝えあうときには、どのようなことが重要か」というテーマはこれまでの都立中でもよく出題されてきたものです。
適性検査U
大問3つの構成でした。大問1は「うるう年」を題材にした計算中心の問題でした。うるう年の計算法がきちんと説明されていたので、受検生は得点しやすかったはずです。
大問2は余暇の使い方を題材とした問題でした。例年通り、計算力が必要な問題が含まれていました。
大問3は「発泡スチロールでできた立体を水中に沈め浮力により水面上へ打ち出す実験」について考察するものです。小問3題で構成されています。
適性検査V
例年通り大問2つの構成でした。 大問1は「ボールのはずみ方」に関する問題です。割合の計算問題以外は、実験結果に影響を与えると考えられる要素を挙げていく、理科実験への興味関心を問われる問題でした。日頃からの取り組みにより差がついたことでしょう。
大問2は「カレンダーを題材にした数の性質」に関する問題です。指定条件の通りに具体例の書き出しを行う、法則の理解が試される問題でした。解答に至った理由の説明もあり、こちらも得点差がついていると思われます。

2014年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1毎日新聞コラム
文章2鈴木義理「日本語のできない日本人」
文章3竹内政明「『編集手帳』の文章術」
今年は文章が3つになりました。設問は4問。問題1は「こだわる」という言葉が、「否定的な意味合いが強い言葉から、肯定的な意味で使われるようになった」ということを読み取り、実際に「こだわる」という言葉を肯定的な別の表現で言い換えるという問題です。問題2、問題3は記述問題です。これらの問題は「こだわるという言葉について」から、「言葉の変化について」の記述となっており、問題4「言葉の変化について」の作文へと流れを作っています。作文は文章2と文章3の両方の意見をふまえ、401字以上440字以内で書く問題です。例年通りの設問でした。
適性検査U
例年の出題傾向をふまえた問題でした。外国に関するテーマ、計算を多用する問題、グラフの作成、150字前後の記述、とほぼ変化ありません。よって、小石川中の対策を十分に積んできた受検生は安心して問題に取り組めたはずです。ただし、毎年のことではありますが、計算に時間を取られてしまった諸君は、最後まで終わらないということになってしまったでしょう。
適性検査V
例年通りの大問2問構成で、問題のレベルも昨年並でした。取り組みやすいため、受検生は手ごたえを感じますが、書けてはいても点は低いことが想定される問題です。
大問1が理科の内容で、鉛筆の字が消えること、レシートの字がうすくなることが題材となっています。小問は7つで、身近な現象、実験企画、予想結果、便利にする工夫などの説明が出題されています。大問2が算数の内容で、おはじきを線で結ぶことが題材となっています。小問は5つで、ルールを読み取り地道に調べる力と法則を見出し、説明する力を問われました。
ボーダーライン
例年の傾向と大きな変化がなく、各受検生が十分に対策を講じてきていると考えると、若干ラインが上昇し、適性検査全体の素点で55%程度と考えられます。

2013年度 適性検査分析
適性検査T
出典:
文章1柳澤桂子「本を書く」より
文章2福岡伸一「鈴木少年の大発見」より
昨年は、課題文が3つであったり、漢文の書き下し文が出たりと、問題の傾向が少し変わり、やや難しいと思われる問題でした。今年は、文章が2つに戻りました。片方は小説を書くという視点、片方は化石の発掘という視点から、強い思いや情熱が結実することについて語られています。どちらも随筆で読みやすく、昨年よりも楽に感じた受検生が多かったのではないかと思われます。
設問に関しては、問題1が記述と書き抜き、問題2が記述、問題3が作文です。作文は、2つの文章のそれぞれの筆者の考えに関連づけて書くもので、401字以上440字以内でした。どの設問も標準的なもので、特に難易度が高すぎるものはありません。
適性検査U
概ね昨年と同じような傾向の問題でした。したがって、きちんと準備をしてきた受検生には取り組みやすかったと思います。ただし、計算を必要とする問題数を考えると、小数の計算がかなり速くて正確でないと、最後まで終えることは難しいでしょう。
なお、今年は、都道府県の位置がきちんとわかっていないとできない、地図を塗り分ける問題がありました。例年は、知識があったほうが楽という問題はあるものの、知識がないとだめという問題は出題されていませんでした。
適性検査V
大問1は、サケが自分の生まれた川に戻ってくることについての問題でした。問題1は、仕事算の考え方を使って式と説明を書かせる問題で、それ以外の3問は、調査の方法・実験の方法について自分の考えを書かせる問題でした。
大問2は、正多角形に関しての問題でした。オイラーの定理を使う問題3の(2)以外は、例年よりもかなり易しいのではないかと思われます。
ボーダーライン
例年の傾向と大きくは変わらないものの、解きにくい問題は減っており、合格ラインは60%を超えてくると考えられます。

2012年度 適性検査分析
適性検査T
以前は随筆や論説文が2題出題されており、昨年はそれが小説1題という形式に変わりました。今年は随筆1題と、関連した短い文章が2題という形です。随筆は公立中高一貫校でしばしば見られる、「子供の頃には何のためにやっているかわからずにやらされていたが、いま振り返ると…」という主旨の文章です。それに対して残りの短い文章の2題は、漢文とその書き下し文※、さらにその訳文で、小学生の段階では、多くが初めて触れる文章であると思います。さらに文章3は訳文の状態でもわかりにくい内容です。「漢文」という見慣れない文の形式に戸惑わず、しっかり文章の内容を理解できたかどうかが今年度の問題に取り組む時にポイントになります。(※書き下し文=助詞などを付けたし日本人でも読みやすいようにしたもの)
設問は昨年度と同様、3問でした。大問1は、指定した条件を満たす1文を抜き出す問題で、私立中入試の形式に近いものです。大問2は、随筆の中の一文について説明する問題で、例年の傾向に近いものです。大問3は、文章1、2、3の「いずれかに関連づけて」書く作文です。
適性検査U
「資料の分析を通して、パイオニアを目指す意欲をみるとともに、日本や世界のことについて考察する力や、考えを表現する力をみる。」という基本方針のもと、資料を分析する力と、自分の考えを適切に表現させる問題です。作文的な問題も含まれており、新しい何かを生み出す意欲も要求されます。
難易度や問題の形式は昨年度とほぼ変わりません。資料をもとにして、計算させたり考察させたりする問題が中心です。ただし、一昨年から徐々に小問数が多くなっています。今年度は大問が1題、細かく言えば小問が10問でした(昨年度は大問が1題、小問が8問)。正確で早い計算力が、昨年まで以上に要求されます。
なお、昨年度は農業に関する出題があり、農業従事者の高齢化や、日本の農業の特徴である集約農業についての知識を持っていると楽に解ける問題でした。今年度は、人口ピラミッド、旅客および貨物輸送などについての出題で、資料だけで充分に理解できる問題ですが、やはり普段から社会情勢や現代日本の問題などについてアンテナを張っておくことが重要です。
適性検査V
昨年とほぼ同様に大問2題、小問8題の構成でした。大問1は、雲や雨量計に関する問題、大問2は平面と立体のパズルの問題でした。近年の大問1は、「植物」「水の全循環」「乳酸菌」などの生物・地学的内容が出題されています。大問2は、「ゲーム」「パズル」などの算数系の内容が出題されています。
理系の問題では、自然科学への興味・関心の程度と表現力や論理的思考力を問われますので、普段から身の回りの科学的な事柄に関心を持つことが大切です。単なる文字上の知識だけではなく、理科事典などを使って図や写真を見ながら学習をしましょう。時間があれば、博物館などに足を運び、自分の目で見てじっくり調べたり体験したりするのも良いでしょう。 算数系の問題は数理的な分析と判断力を問うものです。対策として、ゲーム・条件整理・推理などの分野の問題をいくつかこなしておき、パズル的な考え方や情報の分析に慣れておきましょう。また、いずれの分野を解く場合も、正確で素早い計算力と、ことがらの処理能力が前提となります。

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2018年06月06日

入試分析(南多摩中学)






2018年度 定期検査分析
適性検査T
出典:平木典子『アサーション入門―自分も相手も大切にする自己表現法』による
出題形式:昨年度(29年度)と同様に1つの文章を読んで答える形です。問題数も昨年度と同じく、小問2題に作文1題の3題でした。
内容:文章は「自己表現」について述べられています。文章の難度は昨年度と同じ程度ですが、構成的には昨年度のものよりも読みやすいものでした。問題1・問題2はどちらも読解問題で、文中の抽象度の高い表現や比喩について説明をする問題でした。どちらも文字数が30字前後であり、昨年度は60字程度2問と比べて、今年度の方が、時間的に余裕があったといえるでしょう。作文の出題形式は昨年度のものが踏襲されており、書き方の条件が多く、指示に従うことにより構成が組みあがるため、書きやすいものでした。
文章中で述べられている「アサーション=自己主張をしつつも他者のことも考慮し、相手と意見を近づけていく」方法について具体的に書くという都立中の中では珍しい形の作文ですが、旧来から南多摩中では他の都立中よりも体験に重きを置かれたものが出題されているため、伝統に則った出題とも言えるでしょう。同校の過去問を遡って解きこんできているかどうかで点数が分かれる問題でした。
適性検査U
大問1はさいころを扱った問題でした。受検生にとってはなじみ深い題材です。
問題1は展開図を書く問題で、実際にさいころの面のスケッチを描くものです。問題2はさいころの目を使って式を立てる問題でしたが、ルールに従うことができれば答えることは簡単です。問題3は鏡に映したさいころについて考える問題です。6の目以外が4個ずつ映ることに気が付けば正解にたどり着ける問題です。
大問2は「日本のくらしと変化」をテーマにした問題で、昨年同様、小問は3問でした。
問題1は距離の違いによる高さの見え方の変化について考察する問題、問題2は東海道新幹線の路線の沿線の都市と人口、または工業地帯の関係性について考察する問題、問題3は割合の計算を行い、その計算結果をグラフに表し、その結果の数値を資料と関連させて考察する問題でした。昨年と同様に基本的な問題ですので、資料を読み取って考察する力と割合計算のスピードと正確性が重要なカギとなりました。
大問3は「花粉や黄砂の測定結果」について考察する問題です。
問題1が「花粉を顕微鏡で観察し、花粉の数を求める」問題で、単位量当たりの計算を必要とします。問題2は黄砂を観測する装置の仕組みの説明から、計測結果を考察する問題です。初めて知る観測装置なので、会話文や図を読み仕組みを理解する力が必要です。問題3は「日本で黄砂が観測される原因と気象状況の関連」について考察し記述する問題です。身近な話題ですが、問題文や資料から観測の方法や分析の仕方を読み取る力が必要な問題でした。

2017年度 定期検査分析

適性検査T
出典
茂木健一郎『最高の結果を引き出す質問力』による
出題形式:昨年(28年度)・一昨年(27年度)と2つの文章を読んで答える形式でしたが、今年は27年度以前の、1つの文章を読んで答える形に変わりました。また、条件をつけて言葉の説明を行う問題1、作文の問題2という問題構成から、問題3までの構成に変わりました。
内容:文章は「質問すること」について述べられています。文章の難度はそれほど高くなく、昨年度のものより読みやすくなったといえるでしょう。問題1、問題2はどちらも読解問題で、文字数が60字前後でした。昨年度が同じ程度の文字数の読解が一問でしたので、それよりも速い情報処理が求められていました。作文は以前よりも書き方の条件が多く、指示に従うことにより構成が組みあがるため、例年よりも書きやすいものだったといえます。
適性検査U
大問3つの構成でした。大問1は「図形」がテーマで、立体の見方・対称性・規則性を見つける問題です。簡単な例を具体的に書き出して、作業をする中で解答を導き出していけるとよいでしょう。特に問題1は必ず得点したいところですが、同じ大きさの正三角形を答えるというようなミスは禁物です。問題2は、Aグループの枚数が(3の倍数+1)、Bグループが(3の倍数)になっていることに注目し、その差の1は3本の対角線の交点がある「き」の三角形であることに気が付ければスピーディーに解答にたどりつけます。問題3は問題文の誘導に従って規則性を検証する問題です。
大問2は「野菜の栽培と流通」をテーマにした問題でした。昨年同様、小問は3題でしたが、「資料を分析・考察し、記述する問題」と「割合を計算する問題」が出題され、一昨年と似た傾向でした。資料を読み取って考察する力と割合計算のスピードと正確性が勝負の鍵でした。
大問3は「時間を計ることを題材にした理科実験」を考察する問題です。問題1が「太陽、ふり子、ろうそく」のいずれかの法則から時間が計れる理由を記述する問題で、教科書範囲の知識が必要とされました。問題2は実験結果を考察し、比例の関係を導く問題でした。問題3は対照実験について考察する問題でした。いずれも、決して目新しいものではなく、あわてずに考えれば正解にたどり着ける問題です。

2016年度 適性検査分析
適性検査T
出典
文章1西林克彦「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」による
文章2竹内薫「99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」による
出題形式:1つの文章の要旨を読み取らせ、作文を課していた例年とは異なり、要旨に関連のある2つの文章を読ませ、その関連性を説明させたうえで作文させる出題形式に変わりました。とはいえ、昨年の問題も文章のあとに文章の内容を補完する会話文が加えられていたので、広い意味では2つの文章とも言え、過去問をしっかり解いていた生徒にとってはそれほど大きな変更ではなかったと考えられます。
内容:問題1は、「文章1」で言及されている「わかったつもり」の状態を、「文章2」の中でどう表現されているか50字以上、60字以内で説明する問題です。文章1を丁寧に読むと、「わかったつもり」は、読み手が勝手にわかったと思いこんでいる状態です。共通部分を探すと、文章1の「読み手みずからが構築した」状態と文章2「自分の頭の中にある主観的な思いこみのほうが勝つ」状態が共通していると考えられます。
問題2は、文章1・文章2をふまえて、「わかったつもり」から具体的な経験を通して、本当に「わかった」ことを書きなさい(400字以上500字以内)という作文問題でした。「具体的な経験」を記述させるという内容も、指定の字数も例年通りです。ただし、文章の内容と同じような経験をすることはなかなか難しいことです。そのため、ここでは「調べてみたら自分の勘違いだったことがわかった」という経験から、「自分がわかったつもりになっていないかいつも疑う」ことが大切だと学んだという結論での記述がふさわしいでしょう。
適性検査U
大問3つの構成でした。大問1は「渋滞」を題材にした作業中心の問題で、ルールと条件に従い作業を行えば平易に解答を導き出すことができました。必ず得点しなければならない問題です。
大問2は「資料の読み取り」の問題でした。小問は3つあり、そのうちの1つが「歴史」をテーマとした問題だったため、驚いた受検生も多かったのではないでしょうか。今回の大問2では、3つの小問を通して「資料内容を正確に読み取る」「関連のある事柄を探す」「条件に沿って考える」という力が試されています。取り組む問題を選び、解きやすい問題を確実に得点することが高得点のカギとなりました。
大問3は「アゲハチョウの幼虫のからだのしくみと蛹化する環境についての実験」を考察するものです。資料から幼虫の体のしくみを考える問題が1問、実験結果から結論を導き説明する問題が2問の、小問3題で構成されています。

2015年度 適性検査分析
適性検査T
出典:森真一「ほんとはこわい『やさしさ社会』」より
出題形式:例年と同じく問題1,2の2問構成で、問題1が文章の内容をまとめる問題、問題2がその内容を踏まえての意見作文でした。昨年は「調べる手順を書く」だったものが意見文になったので、とまどった受検生もいたかもしれません。しかし内容をみると意見・理由・体験・まとめの形で書ける、練習を重ねている受検生にとっては書きやすい問題だったといえます。
内容:問題1は、相手のことを本当に大切に思って、あえて今きびしく接する「やさしいきびしさ」と、相手を傷つけたり不快にさせたりしないように、全力をつくすことを強いる「きびしいやさしさ」がある、という文章を読み、「やさしいきびしさ」「きびしいやさしさ」それぞれについて60字以上70字以内でまとめる問題でした。問題2は文章の内容を受けて「学習発表会の実行委員」であるたまお君とみなみさんの会話文を読み、まずたまお君とみなみさんがどちらの立場なのかを読み取り、自分の意見を体験をあげながら説明する問題でした。一見やさしそうですが、問題1で間違えると作文で得点することはまず難しいと考えられます。
適性検査U
大問3つの構成で、大問1は「うるう年」を題材にした計算中心の問題でした。うるう年の計算法がきちんと説明されていたので、受検生は得点しやすかったはずです。
大問2は会話文形式で、図が5つに表が1つ小問3つで5ページというボリュームのある問題構成でした。話題自体は東京オリンピックをテーマに展開しますが、各小問はそれぞれ人口推移と世代別割合、物価の変化、地図の読み方に関する問題でした。どの問題も資料を読み取れば得点できる問題でしたが、計算・解答では条件があり、それぞれの設問で細かい条件が多く提示されているので、条件を丁寧に確認して答える必要があります。
大問3は「発泡スチロールでできた立体を水中に沈め浮力により水面上へ打ち出す実験」について考察するもので、小問3題で構成されていました。

2014年度 適性検査分析
適性検査T
大問1の問題1は、例年同様、資料の読み取り問題でした。問題1は1 回当たりの自転車平均利用時間と、資料からどんな目的で利用したのかを推測させる問題、問題2は富山市の平均気温・降水量・自転車利用回数の表から、富山市が日本各地の気候の特徴のうち、どれに当てはまるのか答えた上で、なぜ自転車利用者が減るのかを答える問題でした。問題2では、社会の基礎知識があると有利ではあるものの、表から読み取れていれば、冬に雪が多いために自転車を利用する人が減ることは容易に想像がつくので、得点しやすい問題といえます。問題1の1回あたりの利用時間を出す計算と合わせて、ここは確実に得点したい問題です。
大問2は、図形パズルに近い問題でした。問題1は箱ティッシュケースを切りとれない理由を説明する問題で、いすのならべ方が条件に合わないことを説明させる昨年の問題と同様のものでした。また、切り取れるように段ボールに線を入れる方法を書きこませる問題は、図形の把握能力を試す問題で、慣れている生徒であればすぐ気づいたと思われます。ですので、ここをきちんと解答できたかどうかが合否の分かれ目だと言えるでしょう。
大問3は、実験の計画を書き直し、書き加える問題1と資料の意味を正確に読みとる問題2・3です。例年そうですが、大問3は難易度が高く、正答率は低いと予想されます。ただ、今年は問題1の書き加える条件や、問題2のカイワレの茎が長くなった理由は比較的容易に読み取れますので、しっかり解いてあれば部分点が見込めます。あきらめずに最後まで書ききった生徒が得点できる問題です。
適性検査U
今年の作文は、資料や図が追加されるなど表面的には変化したように見えますが、その資料も本文の「注」に過ぎず、おおむね例年通りと考えられます。文章の出典は渡辺茂・著『ピカソを見分けるハト ヒトの認知、動物の認知』です。二題構成で、問題一は文中の「ではハトは一体なにを手がかりとしてこのような区別をしているのだろうか」という問題提起に対する筆者の考えを問う問題です。これは、まさに文章の要旨ですから、要約の力があれば解けるはずです。「区別」というキーワードが重要となりますが、最終段落にまとめられているので、得点できた受検生は多かったと思われます。問題二は、南多摩としては新傾向といえるかもしれませんが、「今関心をもっているが、まだ調べていないこと、試していないことをどのような手順で明らかにしていくか」という、意見を説明するのではなく、実験手順を説明する作文です。ついに、作文で意見を述べる内容がなくなったわけですが、なぜ関心をもっているのか、の説明は必要です。つまり、昨年までの対策がそのまま生きる問題であることに変わりはありません。ただし、ここは例年までの採点基準と変わらなければ、かなり差がつくところでしょう。
ボーダーライン
昨年は一昨年と比較して問題が易化したものの厳しい採点でした。今年はさらに問題が解きやすくなったと考えられるため、通常ですと合格最低ラインは上がると予想されます。しかし、採点が厳しいままだとすると適性検査I では、大問の1ができた上で、大問2と3でどれだけとれたかが合否をわけるでしょう。また、作文は傾向が昨年とは若干異なるものの、問題1が解きやすくなっています。そのためこちらも合格最低ラインは若干上がると予想できます。採点基準が例年と同様であれば、適性検査Iが【40%〜50%】、適性検査II(作文)は【50〜60%】で、全体で【55%程度】がボーダーラインの予想です。

2013年度 適性検査分析
適性検査T
大問1の問題1は、例年同様、理科分野の基本的な資料の読み取り問題でした。1人当たりの水量が2000年くらいから減少している理由を、水洗便器の使用水量と節水の意識から読みとっていれば正解です。ここは確実に得点したい問題ですね。
問題2は2つの水を使う場面のどちらかを選び、家での一日の水の使用量を調べる方法を説明する問題です。おそらく、アの「おふろとシャワー」がイの「調理(食器洗いを含む)と飲用」より答えやすいと思われます。
大問2は、いすのならべ方が条件に合わないことの説明、ならびに条件に合うならべ方を答えさせる問題でした。ここをきちんと解答できたかどうかが合否の分かれ目だと思われます。ただ、条件を書き出して考えればそれほど難易度が高いとはいえません。 大問3は、資料の意味を正確に読みとる問題です。ゲンジボタルの幼虫が陸に上がってきた日の特徴を具体的にグラフから読みとります。問題1は降水量と気温の変化について書けていれば合格ですが、問題2はあまり目にしたことのないグラフから、わかることを図を使って説明しなければならないので、かなり正答率は低くなると予想されます。
以上のように、全体を通して資料の読み取りと、数理処理力と理科の基礎力が問われる内容になっています。
適性検査U
概ね昨年と同様の傾向でした。文章の出典は日高 敏隆・著『春の数えかた』。二題構成で、問題一は筆者にとってなぜ2月が特別な月なのか、理由を説明させる問題です。
これは文章の要旨にもかかわる部分ですので、要約の問題に近いといえます。昨年と一昨年のように文中の言葉を説明させる問題ではありませんが、文章中から要素が取り出しやすいので、得点できた受験生は多かったと思われます。問題二は題が決められているのが今年の特徴です。ただ筆者と同様に身近な自然に「目をこらし」て、あなたが発見したことを書くという条件は、体験から書き始めるという点では昨年までと変わりません。
また、指定された題の「冬から春へ」は条件というよりも作文のヒントです。冬から春へと季節の移り変わりを感じさせる自然現象をまとめればよいのです。
ボーダーライン
昨年は問題が難しかっただけでなく、大変厳しく採点されていました。今年は問題が多少易化したので合格最低ラインは上がると予想されますが、採点が厳しいままだとすると適性検査Iでは、大問の1ができた上で、大問2と3でどれだけとれたかが合否をわけるでしょう。 また、作文は傾向が昨年とは若干異なるものの、比較的書きやすい題でしたので、こちらも合格最低ラインは上がると考えられます。適性Tが40%〜50%、適性検査U(作文)は50〜60%で、全体で50%程度がボーダーラインの予想です。

2012年度 適性検査分析
適性検査T
大問3題構成。大問1ではタンポポを題材に資料分析力・考察力を見たり、条件を考察して課題を解決する力を見たりする問題が出題されました。問題1では例年通り、複数の資料を読み解く問題が出されました。これまでは3つ以上の資料を重ね合わせていましたが、今年は2つの資料を重ねて読み解くだけだったので、記述しやすい問題だったと思います。大問2はペットボトルのリサイクルを題材に、分析する力や数理的に考察する力・表現力をみる問題でした。
大問3は、江戸時代に使われていた時刻の表し方に関する文章を読んだ上で、「お八つ」の時刻が最も遅い月を求める問題です。「月」・「『お八つ』の時刻」・「求め方の説明」と答える項目が3つあり、正解しきるのは困難で最後に回すべきでした。端数の処理について指示があり、指示に従うと誤差の累積のために、求め方次第で算出時刻が変わってしまいます。別の方法で検算をした受検生は迷ったかもしれません。すべて計算すると膨大な時間を要するため、候補を絞りこむ力が求められます。ただし、問題2は江戸時代に使われていた日時計の写真を見て、使い方を推測、説明する問題で、指定語句があり、推測も容易でした。
適性検査U
2012年度は1800字程度の文章でした。単なるエッセイではなく、物事を「理解」するということの本質とは一体どんなことなのか、そしてそれが人間にとってどれだけ重要なのかについてまで言及してあるため、内容を捉えるにはかなりの読解力が必要でした。
問題1は本文で特別な意味で使われている「理解」という言葉を、「対象」「整理」という言葉を入れて50字以上70字以内で説明させる問題です。昨年まで文字数は40字〜60字でまとめる形でしたので多少長くはなりましたが、それほど変わっているとは言えません。また、傍線の箇所について記述させるといった形式にも変更はありません。さらに、ある決まった言葉を使わなければならない、という条件も同じでした。
問題2は例年と同様に具体例をあげた上で、自分の意見を書く作文です。字数制限も400字以上500字以内と同じでしたが、「何かをつくり発表した」ということが前提となっていたため、そこは若干の違いがありました。南多摩の適性検査Uは、様々な説明文に触れ、内容を要約したり、文章問題を解いたりすることが対策になります。従って、単に読書が好きで小説を読んでいるだけでは不十分です。
新聞記事や説明的文章に日頃から親しみ、速く正確に読み取る力をつけておきましょう。そうすることで合格点をとれる作文を書けるようになります。

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公立中高一貫校の学校選び(小石川中学)

公立中高一貫校は設立理念など共通する部分はあるものの、学校ごとのカラーや教育方針は少しずつ異なります。せっかく入学したのに、わが子に校風が合っていなかった…といったことにもなりかねず、志望校がどういった学校なのか事前によく調べておく必要があります。そうはいっても、各学校のホームページを見ただけでは、なかなか見えてこないのが実情。今回から、詳しくご紹介する学校情報は、これから公立中高一貫校を考えるご家庭に大いに役立つはずです。


公立中高一貫校は教育プログラムや学校行事などに学校ごとの特色が色濃く出ます。それだけに、ミスマッチも起こり得ます。人気が高い、進学実績が伸びている、といったことだけで安易に学校を選ぶのではなく、わが子を通わせたいと思う学校がどういうところなのか、しっかり調べる必要があります。


学校の特色を知りたいときには、教育方針や校訓、SI(スクール・アイデンティティー)と呼ばれるものに着眼してください。これらの軸さえ見えていれば、授業はどうなっているのか、部活動はどうなのかなど、視点を横に広げていけるようになるはずです。

小石川中等教育学校


求める生徒像
現状に満足せず、高い志を持ち、自らの個性と能力を自ら開拓する生徒

旧制五中時代からの伝統を引き継ぐ「小石川教養主義」。
これは、初代校長の伊藤長七による理念で、「立志・開拓・創作」と各2年単位で時期が割り振られています。
同時に、旧制五中が大正デモクラシーの時代に出来たこともあり、現在にいたるまで「自由」な校風とされます。
それと理系に特化しているのは、よく知られていますね。

前期(中学過程)は制服がありますが、後期(高校過程)からは私服可となっています。


SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の取り組みを通して、高度な理数の力を養います。
AIの発達していくこれから先、理数系の需要はさらに高まっていくことでしょう。
以下では小石川中学が実施している「サイエンスカフェ」とよばれるものについて紹介します。

サイエンスカフェ「科学技術と人の幸せ」
2月15日(木)サイエンスカフェ「科学技術と人の幸せ 〜遺伝子診断によってもたらされた選択肢を考える〜」を実施しました。
 遺伝子診断の技術が進歩し、医療に新たな選択肢が加えられました。「遺伝子診断をすれば、将来難病を患うかどうかわかる」と告知されたとき、あなたなら遺伝子診断を受けますか? このようなことをテーマに、大日本住友製薬株式会社から遺伝子診断技術の開発に携わる研究者の方を講師にお招きし、1〜5年生が一緒にディスカッションを行いながら考えを深めました。
 私たちは、日々進歩する科学技術とどのように向き合っていくべきなのか。一人一人が自分のこととして考える時間になりました。

サイエンスカフェ 130億光年遥か彼方の宇宙を『見る』 〜現代天文学とビックバン宇宙〜
3月9日(金)に、東京大学理学部天文学科4年生の本校第3期OBをお招きして、サイエンスカフェを開催しました。テーマは、「130億光年遥か彼方の宇宙を『見る』 〜現代天文学とビックバン宇宙〜」です。
 ビックバン、ブラックホール、銀河、という言葉は、一度は聞いたことがあると思います。しかし、それらが一体どのようなものなのか、そもそも実在しているのか、そして、天文学者がどのように宇宙を『観測』しているのかを、わかりやすくお話し下さいました。また、そこから、過去の天文学者がどのように宇宙のことを理解してきたのか、実際に受講者が体験しながら学びました。
 OBゆえに、生徒との距離が近く、和やかな雰囲気で進行しました。生徒から、宇宙に関する質問が多く出され、宇宙への興味を呼び覚ます、有意義なサイエンスカフェとなりました。


聞くだけでも楽しくなるような、大学レベルの高い研究ができることがわかります。
今、理数系が得意なお子様はもちろん、将来そのような職に就きたい方にも有意義な時間が過ごせるのではないでしょうか。

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公立中高一貫校について




なぜ中高一貫校ができたのか
1999年、ゆとり教育全盛のときに公立中高一貫校は生まれた。当時は、過熱する高校受験競争を問題視する声が多く、受験に煮詰まった受験生が自殺してしまうといった出来事も発生するなどして、国が『ゆとり教育』にかじを切るべき背景があった。

そうしたなかで生まれたのが、ゆとりを持って6年間、じっくり子ども達を教育するという公立の中高一貫校だった。しかしその後、2003年と2006年にはOECD(経済協力開発機構)の学習到達度に関する調査で、日本の子ども達の学力が著しく低下していることが問題視されるようになる。

ゆとり教育が痛烈なバッシングを浴び大幅に見直されることで、公立中高一貫校もその位置付けが徐々に変化していった。ゆとりを持って子ども達を育てていきたいという本来の使命だけではなく、教科学力と共に“生きる力”を育み、次世代のリーダーを育成するといったことが求められるようになったのだ。

特に、設立の初期段階から教科学力と“生きる力”の育成に力を入れているのは、東京都。2005年に都立で初の公立中高一貫校「都立白鷗高等学校・附属中学校」が開校し、その翌年には「都立小石川中等教育学校」「都立桜修館中等教育学校」「都立両国高等学校・附属中学校」「千代田区立九段中等教育学校」が開校した。さらに2008年に「都立立川国際中等教育学校」「都立武蔵高等学校・附属中学校」、2010年には「都立大泉高等学校・附属中学校」「都立富士高等学校・附属中学校」「都立三鷹中等教育学校」「都立南多摩中等教育学校」が続き、区立を含め都内の公立中高一貫校は現在、11校となっている。


なぜ、東京都は公立中高一貫校設立に力を入れているのか。

東京都の場合、特に私立の中高一貫校の台頭が著しく、私立は難関国公立大への合格実績でも群を抜いていた。『都立日比谷高等学校』や『都立西高等学校』『都立青山高等学校』『都立戸山高等学校』など、名門とされる都立の進学校の復権のために、進学指導重点校として、大学受験を突破するための学力の育成に力を入れ始めた。進学指導重点校と共に、さらなる切り札として、6年間かけてじっくり学べる公立の中高一貫校を作っていったという流れがある。


公立中高一貫校はたくさんあるが、どのようにして受ける学校を決めればよいのか。
次回はそれについて書こうと思う。

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2018年06月05日

武蔵高等学校中学校の特徴

授業方針
学問とは「あそび」があるもの。
「本物」に触れる、武蔵の「本当の学び」

武蔵の掲げる「自由」とは「学問に対する自由」。学問に対し、自由に学ぶことができる、それこそが「本物」の教育だと考えている。

6年間の学びの中で、まずは基礎知識からしっかりと身につけ、自ら考え生み出す力を持つ人間を育成していきます。


基礎から応用・発展へと力を伸ばしていくカリキュラム
低​学​年​の​う​ち​に​ま​ず​、​学​問​に​取​り​組​む​姿​勢​を​学​ば​せ​ま​す​。​教​え​ら​れ​て​覚​え​る​の​で​は​な​く​主​体​的​に​疑​問​を​も​ち​自​分​で​謎​を​解​く​楽​し​さ​を​体​得​さ​せ​、​生​涯​に​わ​た​る​知​的​探​究​の​基​礎​を​作​る​も​の​で​す​。​学​年​が​進​む​に​つ​れ​て​各​分​野​を​系​統​的​に​学​ば​せ​、​そ​の​積​み​重​ね​​が大​学​受​験​へ​向​け​て​の​学​力​と​も​な​る​よ​う​に​配​慮​し​て​い​ま​す​。武蔵​で​は​こ​の​よ​う​に​、​一​方​で​は​大​学​入​試​を​見​据​え​つ​つ​、​一​方​で​は​受​験​教​育​だ​け​で​は​な​く​長​い​人​生​の​た​め​に​真​に​有​益​な​教​育​を​心​が​け​、​よ​い​人​生​の​基​盤​を​作​る​大​切​な​6​年​間​を​​有​意​義​に​過​ご​し​て​も​ら​い​た​い​と​願​っ​て​い​ま​す​。

分割授業
1クラスを名簿順に2つに分けた22名の少人数制授業を行います。
クラス分けは習熟度別ではありません。全員に密度の高い学びを習得させることが目的です。
分割授業時間数
中1
英語6、理科3、美術1
中2
英語4、理科2
中3
英語3、理科2、数学3、社会2
高1
英語3
高2
英語4、国語4、数学2

選択授業
高1までは選択授業はほとんどありません。必修授業で生徒の基礎力を養います。高2になると選択授業が増えてきて、高3では大部分が選択授業です。生徒がなるべく自由に選択できるようにと考えています。

中3
総合的な学習
第二外国語(初級)…ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語から1科目を必修選択。

高1
芸術…音楽、美術、書道から1科目必修選択。
総合的な学習…専任教員が開設する講座(約30講座)から必修選択。
第二外国語(中級)…ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語から1言語を自由選択。

高2
社会…必修のほかに、地歴分野から1科目選択。
数学…必修の分割授業のほかに、文系・理系の選択。
理科…物理、化学、生物、地学から1〜2科目選択。
第二外国語(上級)…中級に引き続き、1言語を自由選択。受講生の中から国外研修生が選ばれます。

高3
国語…現国、古典、漢文から2〜3科目選択。
数学…必修のほかに、文系・理系の選択。
社会…必修のほかに、地歴分野から自由選択あり。
理科…物理、化学、生物、地学から1〜2科目選択。
保健体育…必修のほかに、自由選択あり。
英語…必修のほかに、4種類の授業から1〜3科目の選択。
第二外国語(上級)…高2に引き続き、再度選択することも可能。

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