自分の近くの宿にカルカッタで一緒の部屋だった日本人の男性がチェックインをして、彼の部屋でゆっくり話をする事にした。彼はプリーから自分のあとを追う形で来たとの事だったが、プリーではサンタナ・ロッジではなくて違う所に泊まっていたので、プリーで会う事はなかった。まさか、この大都市で会うとは予想にもしていなかったので、カルカッタを離れてから、こここまでの旅の経緯の話をして盛り上がった。彼はカルカッタを出たのは、自分の出た2日後で、そのままプリーに移動したと言う。彼は、昨日にプリーを出発して、さきほどマドラスに到着して、エグモア駅まで電車で来たみたいで、さほど疲れていないと話していた。だが、プリーに比べてマドラスは暑いと言うのは同じ意見でもあり、この暑さで出掛けるのは地獄なので、夕方に一緒に出掛ける事にした。丸2日間も1人でいると寂しかったので日本語を話していると楽しい。旅を始めた頃は、1人の方が良かったのだが、今では1人が妙に寂しく感じる。自分は、彼と話している時に「自分の旅は終焉に向かっているのではないか?」と考え始めていた。最初は、自分を強くする為に始めた旅でもあったが、今では新しい街に行って日本人と遊ぶ事が当たり前になり、それが楽しみになっていた。もう、1年仕事もしないで、毎日が悪戯に過ぎていくだけの日に飽きてきているのかもしれないと感じていた。
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