早稲田大学の理工学部数学科に入学し、修士課程を経て印刷会社へ、平日は画像処理ソフトウェアのエンジニアとして働いている。
セーラー服を着て初めて街へ出たのは2011年6月、神奈川県のラーメン店の「30歳以上でセーラー服を着て来店したらラーメン一杯タダ」という企画がきっかけだったという。
ラーメン店に行ったときのことを、こう振り返っている。
「結局、自分への言い訳が必要だったんだと思います。ラーメンを食べに行く目的があってのことなんだ、と。人に聞かれたら、ちゃんと答えが用意してあるんだ、と。必死に自分を説得してました」
セーラー服を着て街へ出たい、という欲求を自分の中で正当化する口実だったと語っている。
やってみると、何も起きなかったという。
改札を通るとき、駅員は何も言わなかった。
電車に乗っても、みんな普通で波風は立たなかった。
こんなにスルーされるのか? これが都会なのか?と驚いたと話しているが、いやいや、何も起きてないわけがない。
近藤真彦の曲の歌詞のように、冷めた視線で、熱くみているのだ。
彼、いや彼女?は、これを機に裁判を傍聴してみたり、セーラー服でフランスや中国に行ってみたりと、活動はどんどん広がっていったそうだ。
夏服3着と冬服2着を着回しているという。
ところで、なぜセーラー服なのか?
「ただ、カワイイものを着たいだけなんです。セーラー服ってカワイイという記号の組み合わせで出来ているんです。私は女性になりたいわけではありません」「自分でカメラを持ち歩かなくても、家に帰ってからネットで検索すれば写真が確認できるんです。便利でしょ」と語っている。
誰がどう見ても「ヘンタイ」なのだが、それをくちに出していうものはいない。
「ヘンタイ」を突き詰めて、もはやアートとなった。
実際に初めて見ると、衝撃を受けるかもしれない。
他にも私が、歌舞伎町を歩いていた時、後ろからド派手な自転車で、通り過ぎる人がいた。
後からわかったのだが、お面をつけていない「タイガーさん」だった。
世の中には、いろいろな人がいる。
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