昨年12月、粒子加速器LHCでヒッグス粒子の兆候らしきものがあったとの報告から7ヶ月。今回はついに「発見」の報が来ました。
そこに何か新粒子があったのは確実で、それが目的のヒッグスかどうかはこれから、さらに調査をして調べていく模様。
LHCの出力なら検出できるはずとの予言どおりに、それらしい新粒子が出てきたのだから、このまま「ヒッグス粒子発見」でも良いようなものだけど、科学の歴史は既存の理論の見直しの歴史。流石に慎重だ。
ヒッグス粒子は素粒子に質量を与えるとされる粒子。現代物理の二本柱「相対性理論」「量子論」を統合する理論の中ではわりと上手くまとまっていると評判の「標準モデル」で存在が予言されていた。
その標準モデルでは
素粒子の質量をヒッグス粒子の抵抗(「水の抵抗」みたいな)の度合いとして定義しているようだ。
ちなみに、こうして生まれた質量のある物質間に働く重力については標準モデルの範疇外なんだそうな。まぁ、素粒子を相手にする場合、重力は無視できるほど小さいという事で。
ネットで調べてる時に色々と変なトピックを見かけた。
ヒッグス粒子で重力制御
ヒッグス粒子でワープ
ヒッグス粒子でタイムマシン
良く分からないけど、みんな無理じゃないかな? 夢見すぎだ。ロマンチストどもめ。
マイナビニュース「ATLAS実験とCMS実験、ヒッグス粒子とみられる新粒子の観測に成功」
[2012/07/04] ここの記事が難しいけど詳しく書いてる様子。しかし、素人には難しい。
個人的につまづいたところを調べてみた
>GeV/c2 ギガ電子ボルト/(光速度の二乗) 質量のときは(光速度の二乗)は省略される事が多いらしい。初めて知った。
電子ボルトはエネルギーのすごく小さい単位。1 GeV ≒ 1.60217646 × 10
-10 ジュール
>両実験ともに5σ程度の確度 σは統計学で言うところの標準偏差。5σ=99.99997% 統計苦手なので良く分からんかった。
>ヒッグス粒子の質量が126GeV/c2付近だと、bb,WW,gg,ττ,cc,ZZ,γγの順に崩壊する割合が高い。 質量によって崩壊するモードは大体見当がつくんだそうな。しかし、何に崩壊したかすら分からんぞ。
ボトムクォークとWボゾンとグルーオンとトップクォーク、チャームクォーク、Zボゾンとガンマ線?
>積算ルミノシティ6.3fb-1 これも全く知らなかった概念。ホント、知らない事ばかり。
読み方は「インバース・フェムトバーン」。数学ならインバースは最後につけるのですごい違和感。
フェムトは10
-15、バーンは面積の単位で10
-28u。その逆数(インバース)だからすごく大きい数。
衝突型の粒子加速器では反応の起こる度合いを「断面積」といい、σで表す。って、標準偏差のσと記号同じか。何とかしろいw
そして反応の起こる回数はσに比例。この時の比例定数を「ルミノシティ」(Lと表記)というそうな。断面積を陽子一個分で計算すると
反応回数 = L × σ
= 6.3fb
-1 × 1b
= 6.3 × 10
15 = 約600兆回
という事になる。らしい。
大阪市立大学高エネルギー研究室 OCU HEP Lab. Newsにヒッグス含め、色んなトピックあり。まだ読んでないけど現場の話が面白そう。
キッズサイエンティスト>優しい物理教室>ヒッグス粒子と質量 キッズを過大評価しすぎだ、ふざけるな!←分からなかったらしい