2024年02月19日
【人生で一番甘い】リンゴが泣いていた…。傷物生かし「激甘」カレーに 愛媛・久万高原町の?グルメ
愛媛のリンゴ産地久万高原町に異色のグルメがある。名は「激あまりんごカレー」。店頭に並べられないリンゴを生かして地域活性化につなげようと、元地域おこし協力隊の江ノ上敦士さん(40)が開発した。町内の生産者を応援し、名物にもなり得るインパクトを持つカレー。山間地でひそかに提供される「激甘」を探った。
◆開発の背景
2020年〜23年の3年間、久万高原町の地域おこし協力隊を務めた江ノ上さん。国道33号沿いにある道の駅「みかわ」で、運営補助や商品開発に取り組んだ。
江ノ上さんは、道の駅に並べるリンゴの集荷で農家を訪れた際、「形が悪い」「傷がある」「小ぶり」などの理由で、加工用として奥に置かれたリンゴを目にした。味は一流でも、商品にならない状況に「リンゴが泣いていたんです」と江ノ上さん。活用策を考えたところ、レトルトカレーの原材料に使うことを思いついた。
それまでにも江ノ上さんは、地元で捕獲されたイノシシの肉を使い「激辛」のカレーを開発していた。対照的なリンゴの「激甘」カレーを作り、より大きな話題性を求めた。
◆リンゴを前面に
リンゴは、カレー300食あたり計約25キロを使っており、内訳は江ノ上さんが手作りしたサイコロ状のリンゴが15キロ、すりおろし状が約10キロ。1食分にテニスボールほどの大きさのリンゴが入っている計算だ。
レトルトカレーは愛南町のみそ製造会社がリンゴやカレー粉、野菜ペーストを合わせて加工。通常は、隠し味的に使うリンゴが前面に押し出されて甘さが際立つ一品といい、江ノ上さんは「人生で一番甘いカレー」と称す。
愛媛新聞ONLINE 2/19(月)