2024年02月13日
魚粉ゼロ餌のブランドマダイが世界へ 西予の水産会社、数学の知識も生かし挑戦(愛媛)
愛媛県西予市三瓶町周木の水産会社「赤坂水産」が生産するブランドマダイが国内外で注目を浴びている。魚粉ゼロの餌を一定期間使って育てた養殖魚「白寿真鯛0(はくじゅまだいゼロ)」。2021年冬の出荷以降、味や香りの良さに加え、水産資源の保護や持続可能性の観点が支持されていることから市場の拡大を続けている。「世界で戦えるマダイをつくる」。事業を主導する同社取締役赤坂竜太郎さん(38)は日本の海の価値を示そうと、数学の知識と技術を生かして挑戦を続けている。
赤坂水産の看板商品「白寿真鯛0」は、マダイの養殖期間2年のうち最も餌を消費する出荷前の半年間、天然のカタクチイワシを原料とする餌を使わずに育てる。代わりに与えるのが、白ごまなどを配合した植物性の餌。2年間で使う魚粉の量を3〜4割抑えられるため「環境に配慮した養殖魚」として注目されている。国内飲食店や生食になじみの薄い海外でも「臭みのない爽やかな味わい」と評価され、需要を広げている。
養殖業の変革を追い求める赤坂竜太郎さんは、自身の専門分野である数学を武器にしている。データに基づく給餌や飼料の購入で、マダイ事業の営業利益率を倍増させることに成功。「実験を繰り返し、数字を出すことで課題が明らかになり、今後の道しるべになる」という。
愛媛新聞ONLINE 2/12(月)