今年燃え尽きた三人の巨星たち　①PANTA (中村治雄): RAKISH GENTLEMEN CLUB

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2023年10月23日

今年燃え尽きた三人の巨星たち　①PANTA (中村治雄)

さて、今夜はこの夏以降物故した三人のミュージシャンたちを紹介しましょう。
まず今夜紹介する一人めは、ぼくの地元・埼玉県所沢市から生まれた元祖ロックンローラー・中村”PANTA”治雄さんです。
彼は1950年、市制施行を間近に控えていた埼玉県所沢市(当時は入間郡所沢町)に生まれ、幼少の頃から駐日米軍基地のある街の雰囲気を感じ取りながら過ごしてきました。その後海城高校に入学してからグループサウンズ｢モージョ｣｢ピーナツバター｣に参加して音楽活動をスタート。その後、関東学院大学入学と同時に学生運動の洗礼を受けてロックバンド｢スパルタクス・ブント｣にメンバーとして参加しました。
のち1970年に｢頭脳警察｣を結成してリードボーカル兼作詞作曲を担当。1972年にビクター音楽産業(現在のビクターエンタテインメント)よりメジャーデビューを果たし時代の寵児となりましたが、その活動期間中ライブでマスタベーションを交えた過激なパフォーマンスをしたり、歌詞や曲が政治的・思想的に刺激の強すぎる内容だったりしたことから業界筋で問題視され、レコード発売中止やラジオ・テレビでの放送禁止・番組出演拒否を喰らった一面も持っています。
1975年いっぱいでバンドを解散した後はソロシンガーとして活躍する一方、本名名義で石川セリ、岩崎良美、荻野目洋子などのアイドル系歌手に楽曲を提供しています。また独自の新しいバンド｢PANTA&HAL｣を結成したり、｢頭脳警察｣を再結成・再々結成したりするなど、多彩な活躍を繰り広げてきたのは周知の通り。
晩年は制服向上委員会などと共演したり、俳優として｢稲村ジェーン｣(1990・東宝)｢天使に見捨てられた夜｣(1999・日活)｢沈黙～サイレンス～｣(2017・KADOKAWA)｢ナミヤ雑貨店の軌跡｣(2017・松竹、KADOKAWA)にも出演したりするなどマルチプルに活躍を続けてきましたが、肺がんとの闘病に力尽きて呼吸不全と心不全を併発し、今年７月７日に73歳の生涯を閉じました。
ぼくと頭脳警察との直接的な関わりはありませんけど、ぼくのご同郷と出身大学にこんなとっぽくてファンキーな先輩がいるのには今更ながらびっくりさせられてしまいます。
最後に、晩年のPANTAさんの貴重な映像をお届けいたしましょう。

改めて遺族の皆さまに哀悼とお見舞いの意を申上げます。さて、明日は「ダンシンオ～～ルナイト」といえばこの男、もんたよしのりさんをご紹介いたします。どうぞおたのしみに！
それでは今夜はこの辺で失礼いたします。夜も更けてきました。おやすみなさい。

PANTA（本名：中村治雄）
1950～2023