ミッキーマウスな彼〜2/4
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3.神戸の志望校と震災
センター試験を受ける前、私は神戸の大学を受験すると
心に決めていた。
地球物理学科のある大学。
そして、パンとお菓子のおいしい神戸の街で、
素敵な女学生になる。
かなり不純な動機だったが、私は本気だった。 その動機が崩れたのが、センター試験翌日。
自己採点で、とても満足する点数が取れたと思った私は
さっそく願書を用意した。
そして、翌朝起きて、ニュースを目にする。
阪神大震災。
日本中が混乱しているようだった。
私だって、混乱していた。
神戸の街は、大丈夫なの?
受験は、できるの?
受験用の、宿はとれるの?
関西の数少ない友人たちの無事を確認した後は、
まったく自分本位なのだが、
自分の受験と進学後の心配だけに、心捕らわれていた。
私は、混乱するまま、神戸の第一志望校に願書を提出した。
4.私大合格
かなり気の抜けた状態で、私は岡山の私立大学を受験した。
運よく学費免除コースに合格した私は、心を決めた。
学費がタダで、地球物理学が勉強できて、
実家を出て、南の方に行けるなら、ここにしよう。
もう、受験のこと考えるの、嫌だ。
受験勉強も、飽きた。
一月、早々と進学大学を決めた私だったが、
なんとなく、他にやることもなく予備校に通った。
予備校に行けば、面白い人達に会えるから。
二・三浪中の成績優秀者たちも、
東大・京大ではなかったが、次々に合格を決めた。
予備校に行くと、ミッキーな彼を目で探してしまう。
見つけると、胸が高鳴った。
私たちは、予備校で顔を合わせると
一緒に遊びに出かけるようになった。
5.雪道の告白
ミッキーマウス、好きなの?(私は嫌いなんだけど)
と尋ねた私に、彼は、うん、ミッキー大好き〜♪
と、とても嬉しそうに答えた。
その頃、私は、ミッキーな彼に、間違いなく
口説かれていることに気づいた。
カラオケに、二人で行ったときには、
私を見つめながら、延々とラブソングを歌い続けた。
虚言癖がある、とも思った。
いろんな自慢話が、聞くたびに違って、少しずつ大きくなる。
この人は、ヤバい。どう考えても、ヤバい。
私はそう思いながら、彼に会うことを止められなかった。
彼から目が離せなかった。
3月、雪道で、彼は私に指輪を差し出した。
今の彼女とは別れます。京都の大学に進学するので、
僕と付き合ってください、と、泣きながら、言った。
そこ、泣くとこ?しかも、束縛の印の指輪?
と、心の中で突っ込みを入れながら、
泣きながら私を抱きしめる彼の腕の中で、うん、と返事をした。
だって、その時、私は、恋をしてしまっていたから。
彼は、私の左手の薬指に、指輪をはめた。
続く
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3.神戸の志望校と震災
センター試験を受ける前、私は神戸の大学を受験すると
心に決めていた。
地球物理学科のある大学。
そして、パンとお菓子のおいしい神戸の街で、
素敵な女学生になる。
かなり不純な動機だったが、私は本気だった。 その動機が崩れたのが、センター試験翌日。
自己採点で、とても満足する点数が取れたと思った私は
さっそく願書を用意した。
そして、翌朝起きて、ニュースを目にする。
阪神大震災。
日本中が混乱しているようだった。
私だって、混乱していた。
神戸の街は、大丈夫なの?
受験は、できるの?
受験用の、宿はとれるの?
関西の数少ない友人たちの無事を確認した後は、
まったく自分本位なのだが、
自分の受験と進学後の心配だけに、心捕らわれていた。
私は、混乱するまま、神戸の第一志望校に願書を提出した。
4.私大合格
かなり気の抜けた状態で、私は岡山の私立大学を受験した。
運よく学費免除コースに合格した私は、心を決めた。
学費がタダで、地球物理学が勉強できて、
実家を出て、南の方に行けるなら、ここにしよう。
もう、受験のこと考えるの、嫌だ。
受験勉強も、飽きた。
一月、早々と進学大学を決めた私だったが、
なんとなく、他にやることもなく予備校に通った。
予備校に行けば、面白い人達に会えるから。
二・三浪中の成績優秀者たちも、
東大・京大ではなかったが、次々に合格を決めた。
予備校に行くと、ミッキーな彼を目で探してしまう。
見つけると、胸が高鳴った。
私たちは、予備校で顔を合わせると
一緒に遊びに出かけるようになった。
5.雪道の告白
ミッキーマウス、好きなの?(私は嫌いなんだけど)
と尋ねた私に、彼は、うん、ミッキー大好き〜♪
と、とても嬉しそうに答えた。
その頃、私は、ミッキーな彼に、間違いなく
口説かれていることに気づいた。
カラオケに、二人で行ったときには、
私を見つめながら、延々とラブソングを歌い続けた。
虚言癖がある、とも思った。
いろんな自慢話が、聞くたびに違って、少しずつ大きくなる。
この人は、ヤバい。どう考えても、ヤバい。
私はそう思いながら、彼に会うことを止められなかった。
彼から目が離せなかった。
3月、雪道で、彼は私に指輪を差し出した。
今の彼女とは別れます。京都の大学に進学するので、
僕と付き合ってください、と、泣きながら、言った。
そこ、泣くとこ?しかも、束縛の印の指輪?
と、心の中で突っ込みを入れながら、
泣きながら私を抱きしめる彼の腕の中で、うん、と返事をした。
だって、その時、私は、恋をしてしまっていたから。
彼は、私の左手の薬指に、指輪をはめた。
続く
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