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2019年03月18日

脳の情報処理A

最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。

判断力・直観力

脳の情報処理A

脳は同時並行で情報を処理する

一方、脳の場合、目で見たりんごの映像は、網膜にある細胞で電気信号に変えられ、視神経を通って、脳に届く。
そして視覚情報を処理する『視覚野』という領域で、特定の神経細胞のネットワーク(神経回路)が働くことでりんごの画像として認識される。
そして海馬の助けを借りて大脳皮質へと記憶される。

脳には、CPUやメモリに単純に対応する部分はない。
ただし、あえて大まかな対応づけを行えば、神経回路がCPU、一時的に記憶を保存する大脳皮質の一部『ワーキングメモリ』(3月20日に紹介)がメモリ、大脳皮質や海馬がハードディスクだということもできる。

神経回路はコンピューターと違い、情報を分散して“同時並行的”に処理する。
非常に複雑で捉えがたい処理方法なのである。

また、私たちの意識にのぼる脳の活動は、全体の活動の本の一握りだと考えられている。
そして、自覚できない脳の活動は、私たちが意識的に決めたと思っている行動や意思にも、影響を与えているという。

脳の情報処理

脳では、脳内に広がる『神経細胞のネットワーク(神経回路)』が並列的に活動することで、様々な情報が処理される。
コンピューターと大まかな対応づけを行えば、『神経回路』がCPU、一時的な記憶の置き場『ワーキングメモリ』がメモリ、『大脳皮質』や『海馬』がハードディスクだということもできる。

脳は、デジタル情報とアナログ情報をおりまぜながら扱う。

コンピューターに比べて情報処理の速度は遅く、正確さも劣るが、不完全な情報をもとに答えを出したり、『創造』や『ひらめき』を生み出したりすることができる。

コンピューターVS脳
コンピューターと脳は、共通した機能を持っている。
例えば、どちらもりんごの画像を認識し、記憶(記録)することができる。
ただし、その方法は異なる。
コンピューターは『CPU』という計算装置が一つずつ順番に情報を処理している。
一方、脳は分散した『神経細胞のネットワーク(神経回路)』が同時並行的に活動し、情報を処理している。
神経細胞の回路はとても複雑なうえ、コンピューターと違い、その回路自体を日々、変化させている。
記憶や感覚などの様々な情報が、脳の中でどのように処理されているのか、詳しい仕組みは解明されていない。

参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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タナカマツヘイ
総合診療科 医学博士 元外科学会専門医指導医、元消化器外科学会専門医指導医、元消化器外科化学療法認定医、元消化器内視鏡学会専門医、日本医師会産業医、病理学会剖検医
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