2018年07月25日
海外送金の準備 〜 無駄な手数料を払わないために 〜
外国に移住するとなると初期費用がいろいろかかります。家を借りるにも家賃を数ヶ月分(カナダではだいたい3−4ヶ月分)前払いしないといけないですし、生活に必要なものを諸々揃えると結構な額のお金がかかります。やはり先立つものが必要で、日本からカナダにお金を持ってくる必要があります。
少し前まではtravellers' chequesで生活費を持ってくる方もかなりおられましたが、日本国内でのtravellers' chequesの新規発行は終了してしまいました。また日本の銀行でカナダドル建ての小切手を発行してもらおうとすると目玉が飛び出るほどの手数料がかかります。現地で追加の費用が発生することも多々ありますし、日本の銀行からカナダの銀行に送金するルートを(できれば複数)確保しておく必要があります。
私は一生懸命どの銀行が手数料が安いかいろいろ調べていたのですが、イギリスに住む友人に目からウロコの送金サービスを教えてもらいました。
TransferWiseというサービスです。
銀行間の海外送金サービスを利用すると日本側銀行の送金手数料、着金国銀行の手数料、さらに場合によっては中継銀行の手数料がかかります。これだけでも少なくない額の費用がかかりますが、さらに「隠れた手数料」として為替スプレッドが上乗せされ、これが馬鹿にならないのです。
よくニュースで「1ドル112円30銭から40銭で取引されています」などと聞くと思いますが、これは銀行間取引でドルを買う側は1ドルあたり112円40円を払い、ドルを売る側は1ドルあたり112円30銭を受け取る、という意味です。この売買の10銭の差が為替スプレッドです。銀行間取引ではこのような狭いスプレッドですが、銀行が顧客との少額取引を行う際には、例えば1ドルを114円80銭で売り、1ドル109円90銭で買う、というような大きな為替スプレッドを要求してきます。
この例だと、日本円で1万ドルを海外送金する際、銀行間取引の1ドル112円40銭に対し114円80銭という不利なレートを要求されますので、1ドルあたり2円40銭、1万ドルに対し2万4千円の「隠れた手数料」がかかることになります。一般に「手数料」と明示されている額よりも大きな金額ですね。
一方、私たちが友人と外貨を融通し合う時はどうでしょうか? 例えばアメリカから帰ってきて米ドルが余っている人がこれからアメリカに行く友人に「手持ちの米ドルと円を交換しない?」と持ち掛けるような場合です。本当に親しい友人なら余っている米ドルをタダであげるでしょうが、そうでなければ銀行間取引として公表されている値の中間のレート、上の例だと1ドル112円35銭で交換するのではないでしょうか。
これのような外貨両替・送金方法を多数の利用者向けにシステム化したのがTransferWiseです。日本からアメリカに送金する際、利用者は日本円をTransferWiseの日本の口座に振込み、アメリカでTransferWiseから利用者の銀行口座に米ドルの振込みを受けます。TransferWiseは逆方向の取引を必要とする人を探し、それぞれの通貨の増減を相殺します。無駄なコストをカットした賢いシステムですね。
TransferWiseの信頼性はどうでしょうか? TransferWiseのサイト(⇒ こちら)を見ると出資者として三井物産、Virgin、PayPal、Skypeなどの大企業や名の通ったベンチャーが紹介されおり、1日に10億ポンドを超える額の送金を行っていると謳っています。またTransferWiseについてネット検索をしてもよい評判が専らです。それでも私は心配性なもので、最初は予定額の1/10ほどを送金してみました。いつ着金するかドキドキでしたが、3日後に問題なくRBCの口座(カナダの銀行開設についてはこちらを参照してください→(4) 銀行口座の開設)に入金されました。手数料は1,164円で一般的な銀行間送金よりも4-5,000円程度節約できました!
手続き上、一つ重要なことがあります。このサービスを使用するには日本にいる間にTransferWiseのアカウントを取得し、本人確認等の手続きを済ませておくことです。マイナンバー制度が施行されてからは海外送金についての規制も厳しくなっており、オンラインでの書類のアップロードだけでなく、日本の住所確認のためのTransferWiseからの郵便物を受け取る必要があります。日本の住居を引き払った後ではこの手続きはできませんので(ご家族が残っていれば問題ありませんが)気をつけてください。
TransferWiseの公式サイトはこちらです。
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少し前まではtravellers' chequesで生活費を持ってくる方もかなりおられましたが、日本国内でのtravellers' chequesの新規発行は終了してしまいました。また日本の銀行でカナダドル建ての小切手を発行してもらおうとすると目玉が飛び出るほどの手数料がかかります。現地で追加の費用が発生することも多々ありますし、日本の銀行からカナダの銀行に送金するルートを(できれば複数)確保しておく必要があります。
私は一生懸命どの銀行が手数料が安いかいろいろ調べていたのですが、イギリスに住む友人に目からウロコの送金サービスを教えてもらいました。
TransferWiseというサービスです。
銀行間の海外送金サービスを利用すると日本側銀行の送金手数料、着金国銀行の手数料、さらに場合によっては中継銀行の手数料がかかります。これだけでも少なくない額の費用がかかりますが、さらに「隠れた手数料」として為替スプレッドが上乗せされ、これが馬鹿にならないのです。
よくニュースで「1ドル112円30銭から40銭で取引されています」などと聞くと思いますが、これは銀行間取引でドルを買う側は1ドルあたり112円40円を払い、ドルを売る側は1ドルあたり112円30銭を受け取る、という意味です。この売買の10銭の差が為替スプレッドです。銀行間取引ではこのような狭いスプレッドですが、銀行が顧客との少額取引を行う際には、例えば1ドルを114円80銭で売り、1ドル109円90銭で買う、というような大きな為替スプレッドを要求してきます。
この例だと、日本円で1万ドルを海外送金する際、銀行間取引の1ドル112円40銭に対し114円80銭という不利なレートを要求されますので、1ドルあたり2円40銭、1万ドルに対し2万4千円の「隠れた手数料」がかかることになります。一般に「手数料」と明示されている額よりも大きな金額ですね。
一方、私たちが友人と外貨を融通し合う時はどうでしょうか? 例えばアメリカから帰ってきて米ドルが余っている人がこれからアメリカに行く友人に「手持ちの米ドルと円を交換しない?」と持ち掛けるような場合です。本当に親しい友人なら余っている米ドルをタダであげるでしょうが、そうでなければ銀行間取引として公表されている値の中間のレート、上の例だと1ドル112円35銭で交換するのではないでしょうか。
これのような外貨両替・送金方法を多数の利用者向けにシステム化したのがTransferWiseです。日本からアメリカに送金する際、利用者は日本円をTransferWiseの日本の口座に振込み、アメリカでTransferWiseから利用者の銀行口座に米ドルの振込みを受けます。TransferWiseは逆方向の取引を必要とする人を探し、それぞれの通貨の増減を相殺します。無駄なコストをカットした賢いシステムですね。
TransferWiseの信頼性はどうでしょうか? TransferWiseのサイト(⇒ こちら)を見ると出資者として三井物産、Virgin、PayPal、Skypeなどの大企業や名の通ったベンチャーが紹介されおり、1日に10億ポンドを超える額の送金を行っていると謳っています。またTransferWiseについてネット検索をしてもよい評判が専らです。それでも私は心配性なもので、最初は予定額の1/10ほどを送金してみました。いつ着金するかドキドキでしたが、3日後に問題なくRBCの口座(カナダの銀行開設についてはこちらを参照してください→(4) 銀行口座の開設)に入金されました。手数料は1,164円で一般的な銀行間送金よりも4-5,000円程度節約できました!
手続き上、一つ重要なことがあります。このサービスを使用するには日本にいる間にTransferWiseのアカウントを取得し、本人確認等の手続きを済ませておくことです。マイナンバー制度が施行されてからは海外送金についての規制も厳しくなっており、オンラインでの書類のアップロードだけでなく、日本の住所確認のためのTransferWiseからの郵便物を受け取る必要があります。日本の住居を引き払った後ではこの手続きはできませんので(ご家族が残っていれば問題ありませんが)気をつけてください。
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