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2016年08月28日

574話 中学軟式野球の結末 その2

同点タイムリ−3塁打を放った龍太郎は

照れながら小さくガッツポーズをした。


しかし、後続は凡退。勝ち越すことは最終回まで訪れなかった。


同点で迎えた中盤の攻撃。


1アウト、ランナ−1、2塁でバッターは4番打者 龍太郎。

最高の見せ場が訪れたかのように思えたのもつかの間。


もはや、バッテリーに勝負の気配がない。

ストレートのフォアボールである。


ここで、今、自信を無くしている龍太郎に言いたい。


「この展開で敬遠されるバッターなんてそういない。

     そんな選手はみんなプロに行っている。」



そして後続は凡退。

チャンスを活かすことが出きなかった投手の心理は

いかがなものだろうか。なんとも流れの悪い展開だ。


案の定、1点のリードを許した自チームは最終回の攻撃を迎える。


しかしながら、打順は1番、3塁打を放っているキャプテン神からだ。


神は本来4番バッター。しかし、腰に故障をかかえての出場。

野球の世界では、いくら素質や実力があろうとも、故障して

しまえばアウト。野球ができなくなるのだ。


「無事、すなわち名馬なり」
          ※名馬=名選手

龍太郎にはむしろその言葉は当てはまる。


故障するほど、無理をしたことがないからだ。


「さあ、遅い球を右に持っていけ演劇


龍之介の応援もいよいよピークを迎えた。

とにかく、一人出れば龍太郎に打順がまわる。


龍之介は好打者達を信じて祈った。


続投している変化球投手の球威はもはやない。


「頼むぞ〜。」


力んだ神は緩い球をひっかけてショートゴロ。らしくない。

続く2番左打者は流してショートゴロ。


そしてたのみの3番バッター努力の優等生出木杉君も、

ひっかけて内野ゴロ。最後のバッターとなる。


4番打者龍太郎にとうとう打席はまわってこなかった。



眼鏡「ゲームセット」



試合終了後、負けた気にならない負け方に、選手はみな

悔し涙を流した。



しょせん、野球とはこのようなもの。

勝負の世界とはこのようなものなのである。

流れ、展開、運、作戦、実力、etc.

色々な要素が勝ち負けを左右する。



しかしながら、負けてこそ学ぶものがあり、今、君の悩み、迷いが

それである。

ここで「何苦礎」と思い努力をするのか、「挫折」して野球をやめるのか。

「何苦礎」と思い努力をして成功したのがメジャーリーガーまで上り詰めた

岩村選手であり、君が一度は目指したプロ野球選手なのである。













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