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2016年05月31日

564話 本当の気持ち・・・

結局、喧嘩別れとなってしまった印象の龍之介と龍太郎。


龍之介は、いくら龍太郎に嫌われようが、龍太郎が常軌を逸しようが、

最後には信じて止まない。いつまでも、可愛い大好きな実の子供のなのである。



「お父さんのそんなとこが嫌いなんだよむかっ(怒り)

 俺、ぐれてやろうかな。」



そんな言葉を発した龍太郎は、一瞬、いわゆる『キレた』状態になってしまったのだろう。


すぐにそれを察した龍之介は、龍太郎から距離をおくことになる。



ちょうどそんな中、異動の話は訪れた。



「是非にその話を進めてください。近い将来、野球の上手な長男を

呼び寄せ、甲子園で優勝したことのある名門高校に通わせることが

できる時がくるかもしれないですから。」



龍之介の心の中には、小さいながらに野球を頑張ってきたカッコいい

龍太郎のイメージしか思い出せない。



「準備は出来たよ。後は、お前の脱反抗期待ちだ。」



そうして間もなく、龍之介は甲子園で優勝したことのある名門校付近に

単身赴任した。お気に入りのノートPCを持って・・・



単身赴任先で、ノートPCを開けると、そこは近代マンション。

Wi-Fiにより、無線でインターネットが楽しめる。



起ち上がったノートPCの画面には、一番可愛かった頃の龍太郎が

微笑みかけてくる。



「お父さん 大好きだよ!」 



・・・と



何があろうと、実の息子。



愛する気持ちに未だ変わりはない。

























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