NISA(少額投資非課税制度)を利用した投資信託の中で、全世界株式と米国株式に連動するインデックスファンドが非常に人気です。特に、オール・カントリー(全世界株式)とS&P500(米国株式)のどちらを選ぶべきか迷う投資家も多いのではないでしょうか。これら2つのファンドに関する比較と、投資先を選ぶ際のポイントについて解説します。
松井証券のNISA
オール・カントリー vs S&P500:どちらがパフォーマンスで優れているか?
オール・カントリー(オルカン)とS&P500の最近の運用実績を比較すると、Slim S&P500の方がオルカンよりもやや高いパフォーマンスを見せています。しかし、どちらも非常に低コストで、長期的に見ても高いリターンが期待できるファンドです。特にリスク調整後のリターンを示すシャープレシオにおいても、S&P500が優位な結果となっています。
MSCI ACWIとS&P500とは?
オルカンのベンチマークであるMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)は、先進国から新興国まで47カ国の株式市場を網羅した指数です。一方、S&P500は米国の代表的な500社で構成された指数であり、米国市場に特化しています。オルカンは国際分散投資が可能である一方、S&P500は米国に集中投資する形となります。
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オルカンの米国依存度は高い
オルカンは全世界の株式を対象にしているため、47カ国を対象にした国際分散型のファンドです。しかし、実際にはその約6割が米国株式で構成されており、米国依存度が非常に高いのが現状です。S&P500が100%米国企業に投資しているのに対し、オルカンでも約63.8%が米国企業に投資されています。
両ファンドの主な構成銘柄
オルカンとS&P500の上位構成銘柄を比較すると、マイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾンなど、米国の大手企業が上位に名を連ねています。S&P500では台湾セミコンダクターの代わりにバークシャー・ハサウェイが入っている以外は、両者の構成はほぼ同じです。Slim S&P500では特定企業への比率が高く、分散の度合いが少し異なる点が特徴です。
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両方に投資する必要はあるのか?
これらを踏まえると、オルカンとS&P500の両方に投資する必要性は低いといえます。両者は米国株式への投資が重複しており、今後の長期的な米国株式のパフォーマンスについても不確実性が残ります。リスク分散を重視するなら、米国だけでなく全世界に分散投資ができるオルカンが適しているかもしれません。
最終的には、投資目的やリスク許容度に応じて選ぶことが重要です。長期的な資産形成を目指すなら、オール・カントリーを通じて多様な国々に投資し、リスクを分散することが一つの有効な手段と考えられます。
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まとめ
NISAでの投資信託選びにおいて、オール・カントリーとS&P500はどちらも人気の高い選択肢ですが、投資先が重複していることを考慮すると、両方に投資する必要はないかもしれません。長期的なリスク分散を考えるなら、より幅広い国々に投資できるオール・カントリーが有力な選択肢となるかと思われます。
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