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2024年04月14日

「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に7

4 ゴーディマのメディカル用語

 医学の分野には、世界中でし烈な競争が繰り広げられている細胞レベルのミクロの研究と身体全体に通じる外部環境も含めた体内時計のようなマクロの研究がある。システム系もミクロは電子レベルの研究であり、マクロは地球規模の環境問題や交通とか震災システムのような研究である。経済でも、ある企業と日本全体の問題とか日本国内と世界の国、地域からなるミクロとマクロの研究がある。  
 いずれもミクロの研究は、個人やグループのアイデアが評価の対象となり、マクロはそれに基づいたグローバルな分析から結論を導いていく。こうしたミクロとマクロの発想や調節を人文科学、特に文学分析にも適用していきたい。個人が個人の研究をすればよいのでは、文系脳で頭打ちとなり、20世紀型で時代遅れも甚だしい。
 中でも特に注目する点は、問題解決の場面である。問題未解決の場面に比べて、作家の執筆脳は強く働いていると思われる。例えば、どうにもならない精神状態を説明するときに、ゴーディマは、メディカル表現を用いて問題解決を試みる。以下に、作品の中で使われているメディカル表現を抽出して用語を説明し、その場面を紹介する。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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