2019年09月30日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <40 卑怯な女>
卑怯な女
「ごめんなさい。なにもかもあなたにおっかぶせちゃって。私心配なのよ。体壊さないでほしいの。真也もいるんだし。」
「Tコーポをやるのは真也のためだ。」
「でも真也は浜野興産を継ぐことになるでしょ?」
「梨央、浜野興産は結局Tコーポに組み入れられるんじゃないかと思ってる。」
「それじゃ、浜野の皆さんはどうするのよ。妹さんたちはどうなるの?」
「婿さんによるな〜。自分じゃ何もできないからな〜」「私とおんなじだ。自分じゃ何にもできない。」
「梨央、梨央はちゃんと子育てをしてるし、この家を守ってる。それに、俺は梨央がいなけりゃ人並みの心も持てなかったんだ。」といいながら、内心梨央はホントは俺を引き込んでいい気分にさせて、いっぱい働かせる大した女だよ、と思っていた。
「この前、隆おじさんの事務所で話したことなんだが、田原ビルの話を持ち出されたんだ。こんな時に仕事の話なんてしやがって嫌な奴だと思った。ところが仕事の話はきっかけで本当はお義父さんの気持ちを俺に伝えたくて呼んだんだ。お父さんが俺を可愛く思ってることを伝えたかったって言われた。」
「あなた何にも言ってくれなかったのね。」
「うん、なんか、お義父さんの容態がはっきりしなかったから、言い出しにくかった。叔父さんは最初は事業の話を始めたんだ。で嫌な奴だと思ったよ。兄が瀕死の時に商売の話かと思ったんだ。でも違った。つまりはお義父さんが俺を気にかけている。可愛いと思っていることを理解しろっていう話だった。弟が兄の真意を代弁したんだ。
叔父さんは梨央の事件も知っているようだった。俺に田原の家のことを頼んだんだ。あの時感じたんだよ。なんていうか、モノが違うって。俺の家はあんな風にならない。俺の家で、父や俺に命の危険が出たらまず金の話になる。誰がどれだけもらうかだ。人間としてのモノが違うんだ。浜野は事業を何代も重ねていくのは難しい。結局は割らなきゃ済まない家なんだ。」
「あなた、あなたのご家族そんなんじゃないと思うの。あなたが壁を作って誰も入れないんだと思うのよ。」
「俺か?俺が悪いのか?」
「あなたが悪いんじゃない。巡り合わせが悪いのよ。」
俺が気色ばんで怒りそうになると梨央は俺の顔を抱いて自分の胸に押さえつけた。知っているのだ。こうすれば俺が怒れないことを。「卑怯だろう!」と口に出た。
「そうなの、今卑怯な手を使っているの。あなたに嫌なことを言うには、この方法が一番いいの。ねえ、違う。」
「違わない。」
「あなた、今度の家のことでご家族はあなたの見方が変わったんじゃないかって思うの。ねえ、妹さんたちと仲良くして。真也のおばさんたちよ。」といいながら今度は濃厚なキスだ。ホントに卑怯な女だった。
「真也は妹たちの世話にはならない。」
「世話になるとかならないじゃなくて、愛されてほしいじゃない。」そういいながら、押し倒されてしまった。梨央は普段こんなに積極的に誘うことは無い。たまに出張で間が開いたときには、背中にもたれかかって来て「寂しかった。」というだけだった。
とにかく、性的なことを正面切って言うことができなかった。ところが、今日は自分から俺を押し倒して来た。色仕掛けとはこういうことかと妙に納得した。
色仕掛けに負けてひと汗かいた後に結局のところ、「そうかたくなにならなくてもいいか?」と思っていた。とにかく、婿探しが肝心だと思うようになっていた。どういう結果になっても、皆暮らしがたてばそれでいいと思うようになった。
梨央は一人では何もできないかもしれないけれど、かたくなな男を溶かして自分の思うように誘導した。わかっているが、不幸な気がしない。金の仏様のプログラムだ。
続く
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「婿さんによるな〜。自分じゃ何もできないからな〜」「私とおんなじだ。自分じゃ何にもできない。」
「梨央、梨央はちゃんと子育てをしてるし、この家を守ってる。それに、俺は梨央がいなけりゃ人並みの心も持てなかったんだ。」といいながら、内心梨央はホントは俺を引き込んでいい気分にさせて、いっぱい働かせる大した女だよ、と思っていた。
「この前、隆おじさんの事務所で話したことなんだが、田原ビルの話を持ち出されたんだ。こんな時に仕事の話なんてしやがって嫌な奴だと思った。ところが仕事の話はきっかけで本当はお義父さんの気持ちを俺に伝えたくて呼んだんだ。お父さんが俺を可愛く思ってることを伝えたかったって言われた。」
「あなた何にも言ってくれなかったのね。」
「うん、なんか、お義父さんの容態がはっきりしなかったから、言い出しにくかった。叔父さんは最初は事業の話を始めたんだ。で嫌な奴だと思ったよ。兄が瀕死の時に商売の話かと思ったんだ。でも違った。つまりはお義父さんが俺を気にかけている。可愛いと思っていることを理解しろっていう話だった。弟が兄の真意を代弁したんだ。
叔父さんは梨央の事件も知っているようだった。俺に田原の家のことを頼んだんだ。あの時感じたんだよ。なんていうか、モノが違うって。俺の家はあんな風にならない。俺の家で、父や俺に命の危険が出たらまず金の話になる。誰がどれだけもらうかだ。人間としてのモノが違うんだ。浜野は事業を何代も重ねていくのは難しい。結局は割らなきゃ済まない家なんだ。」
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「俺か?俺が悪いのか?」
「あなたが悪いんじゃない。巡り合わせが悪いのよ。」
俺が気色ばんで怒りそうになると梨央は俺の顔を抱いて自分の胸に押さえつけた。知っているのだ。こうすれば俺が怒れないことを。「卑怯だろう!」と口に出た。
「そうなの、今卑怯な手を使っているの。あなたに嫌なことを言うには、この方法が一番いいの。ねえ、違う。」
「違わない。」
「あなた、今度の家のことでご家族はあなたの見方が変わったんじゃないかって思うの。ねえ、妹さんたちと仲良くして。真也のおばさんたちよ。」といいながら今度は濃厚なキスだ。ホントに卑怯な女だった。
「真也は妹たちの世話にはならない。」
「世話になるとかならないじゃなくて、愛されてほしいじゃない。」そういいながら、押し倒されてしまった。梨央は普段こんなに積極的に誘うことは無い。たまに出張で間が開いたときには、背中にもたれかかって来て「寂しかった。」というだけだった。
とにかく、性的なことを正面切って言うことができなかった。ところが、今日は自分から俺を押し倒して来た。色仕掛けとはこういうことかと妙に納得した。
色仕掛けに負けてひと汗かいた後に結局のところ、「そうかたくなにならなくてもいいか?」と思っていた。とにかく、婿探しが肝心だと思うようになっていた。どういう結果になっても、皆暮らしがたてばそれでいいと思うようになった。
梨央は一人では何もできないかもしれないけれど、かたくなな男を溶かして自分の思うように誘導した。わかっているが、不幸な気がしない。金の仏様のプログラムだ。
続く
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