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バビロンC

三か月が過ぎ、おそらく一月後にはまた風が吹くというころ彼女は倒れた。

違うグループにいた薬の扱いに長けた老婆が言うには、咳が頻繁に出て呼吸を妨げいつしか死に至る病で、治療法はない、とのことだった。

僕たちの木の家には新しく仕切りが敷かれ、彼女はそこで臥せることになった。追い出されるということがなかったのはそれだけ彼女が好かれていたからだろう。

「大丈夫だよ。昼はあんまり苦しくないんだ」
そういって彼女は弱弱しく笑った。みんなに迷惑をかけて申し訳ないとのことだった。
「神さまはね、私たちがかわいくて仕方がないのよ」
「だから色々な表情を見るために、夜に眠るようにしたり突然、病気にしたりするの」

僕には彼女が言うことがさっぱり分からなかったけど、そんなことを言って咳き込む彼女を見ると、自分がとても悲しくなることは分かった。
この土地に来て四カ月がたったある日、ついに風が吹いた。僕はあまり話さなくなった彼女を抱いて一緒に飛ばされた。空は憎らしいほど青くて、空気はくやしくなるくらい澄んでいた。前を向くと一面に海が広がっていて、僕はいつの間にか涙を流していた。


昔々、一人の王様が居ました。彼は風に飛ばされぬように国の四方を高い壁で覆い、さらには天まで届く塔を作ろうとしました。天に居る神さまに会おうとしたのです。
なぜ、彼が神さまに会おうとしたのかは分かりません。ただ、その行為は神さまを大変に怒らせ、神さまは塔を壊し、風を吹いても天には近づけないように調節し、さらには言葉をばらばらにして、もう二度とそんなことができないようにした、ということです。
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バビロン第四段です。
しゅ、終了〜。

次からは、三題噺にしたいとおもってます。

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