どうにかシロタンだけは脱走を阻止できたが、多分、姿が見えないジロタンに脱走されたことは間違いなかった。これまでシロタンのことは「ちゃっかり坊主」を略して「チャーボー」と呼んでいたが、ジロタンのこともこれからは「チャーブー」と呼ぶことにした。だってジロタンは映画「大脱走」で「トンネル屋」と呼ばれた穴掘り名人のチャールズ・ブロンソンさん並みだもので。チャールズ・ブロンソンさんを略して「チャーブー」と呼ぶことにしたまで。
その後、チャーブーは確かに脱走に成功したらしく、縁側の前をいそいそと通ったりしたが、今朝も薄っすらと雪が積もっていたこともあり、二日ぶりでまた自由の身になれたとしても、昨日と同様で、それほど外にいても面白くなかったはずだ。ところが、今日は寒い割には結構粘って、10時半に縁側前で「頼もう~」コールをするまで、外に居続けた。サッシを開けて中へ入れてやると、すぐに相棒のチャーボーが駆け付け、尻穴の臭いを嗅いでいた。
その後、ジジイの股の間に収まると、泥でかなり汚れた足の裏を念入りに舐めては、きれいにお手入れし続けていた。ザ・ドリフターズのメンバーの中で現在も残っているのがチャーボーこと加藤茶さんとブーさんこと高木ブーさんの二人だけとなり、二人合わせて「チャーブー」であり、今日命名されたジロタンと同じだ。