2018年08月30日
児童養護施設での保育士の働き方、児童養護施設で働くには?
今回は「児童養護施設」における保育士の働き方についてお話ししようと思います。何回かに分けてその内情に迫りたいと思います。
児童養護施設はどういうところ?
児童養護施設は乳児院の上に位置する組織で、1歳〜18歳までの何らかの事情で家庭や家族、親族の下で育てられない子供たちが共同生活する施設になります。
児童福祉法41条の規定で
児童相談所長の判断に基づき、都道府県知事が入所措置を決定する児童福祉施設になります。単に、「養護施設」と言われることもあります。
児童養護施設の子どもたちは家庭で育てられないケースなので、障害者ではありません(障害を持っている子どももいますが、大多数は健常者です)。
昔は「孤児院」と呼ばれていたように、戦災孤児などを受け入れるための施設でしたが、現在は、DVや児童虐待などで親元に置いておくことが危険な子どもたちも預かるようになっています。したがって、児童相談所との連携も、以前に増して重要になってきています。
現在、児童養護施設に預けられる子どもたちは、以下の条件に該当する人たちです。
@父母と死別した児童
A父母に遺棄された児童
B父母の行方不明、長期入院、拘禁、離婚、再婚、心身障害などで家庭環境不良の児童
C保護者がいても児童虐待を受けている児童
@Aは昔の定義で言うと「孤児」になります。Bの中には親がうつ病や統合失調症で育てられないようなケースもあります。
Cの児童虐待は最近増えていて、児童相談所への通報などで発覚することもあります。児童相談所のケースワーカーが親から引き離す行政措置を取ります。「保護者の健康上・経済上の理由などで監護を受けられない児童、または保護者の元で生活させるのが不適当(家庭環境が悪く、保護者のもとで生活させるのは無理)」な状況にある」と児童相談所が判断するケースが予想以上に増えているんですね。
暴力やネグレクトで心身に深い傷を負った子どもが児童養護施設にやってくることもあり、生傷など凄惨な証拠が残っています。
子どもは18歳になると、施設を出て一人で生きていかなければならなくなりますが(多くは寮付きの職場や、奨学金をもらいながらの学生生活になります)、場合によっては20歳まで延長できるようになりました。いずれにせよ、20歳になれば施設を出て、保護者がいない中で生きていかなければならなくなります。
また2005年の「児童福祉法改正」により、安定した生活環境の確保など特に必要な場合は、乳児も入所させることもできるようになり、0歳〜20歳までの未成年が同居する施設になりました。
その未成年の親代わりとして、成長を見守り、教育していくのが児童養護施設の職員になります。
児童養護施設職員はどういう人?
児童養護施設で働くためには、必ずしも保育士の資格を持っている必要はありません。法で定められている、保育、教育、福祉関連の資格のうちどれか1つを持っていれば、児童養護施設に就職、転職することができます(取得していなくてもOKの場合もありますが、持っているに越したことはありません)。
具体的には以下の資格になります。
保育士
幼稚園教諭
小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭の免許状取得(学校種や教科は不問)
社会福祉士
精神保健福祉士
看護師
栄養士
心理士
社労士
調理師
心理カウンセラー
地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業
つまり、児童養護施設で働く職員は、保育、教育、福祉それぞれのバックグラウンドを持つ、多種多様な人たちの集まりということになります。
児童養護施設での仕事
具体的な仕事は、別記事で詳しく書いていこうと思いますが、保育士の仕事とはかなりかけ離れていると思ってください。
保育士、保育園の仕事は、時間内だけ子どもたち(0歳〜6歳)の面倒を見ればいいだけですが、児童養護施設はむしろ、保育園の時間は別の保育園ないし幼稚園に子どもたちを預けます。
児童養護施設職員は、保育園や学校の時間以外のすべてを「親代わり」として子どものお世話をすることになります。子どもが病気になれば24時間対応しますし、学校の行事、PTAなども「保護者」として参加します(遠足や運動会も保護者として出ます)。
身の回りのことをすべて行わなければならず、児童養護施設職員1人当たりの担当子ども数は4人〜6人なので、親よりもかなり大変なんです。基本、男女の職員がペアを組んで「父母」代わりになるのですが、宿直が3日に1回あり、日常生活は破壊されます。真夜中でも子どもが熱を出せばすぐ病院ですし、突発的なことがあれば休みもなくなります。
めちゃくちゃハードで、新卒で入っても3年もたない人がほとんどだと言われています。しかし、社会的には絶対に必要な施設であり、保育士の経験を生かして子どもの将来にかかわるのは、大きな財産になるのも事実です。
児童養護施設の実態については、何回かに分けて書いていきたいと思います。
もし、児童養護施設で働くことに興味があるという人は、保育士専門の転職エージェントに登録して、エージェントから詳しい待遇や働き方について聞いてみてもいいでしょう。ただし、子どもたちのすべてに関わり、「親代わり」となるので非常勤ではなく正規職員を募集しているところがほとんどです。
児童養護施設はどういうところ?
児童養護施設は乳児院の上に位置する組織で、1歳〜18歳までの何らかの事情で家庭や家族、親族の下で育てられない子供たちが共同生活する施設になります。
児童福祉法41条の規定で
「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童など、環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義されています。
児童相談所長の判断に基づき、都道府県知事が入所措置を決定する児童福祉施設になります。単に、「養護施設」と言われることもあります。
児童養護施設の子どもたちは家庭で育てられないケースなので、障害者ではありません(障害を持っている子どももいますが、大多数は健常者です)。
昔は「孤児院」と呼ばれていたように、戦災孤児などを受け入れるための施設でしたが、現在は、DVや児童虐待などで親元に置いておくことが危険な子どもたちも預かるようになっています。したがって、児童相談所との連携も、以前に増して重要になってきています。
現在、児童養護施設に預けられる子どもたちは、以下の条件に該当する人たちです。
@父母と死別した児童
A父母に遺棄された児童
B父母の行方不明、長期入院、拘禁、離婚、再婚、心身障害などで家庭環境不良の児童
C保護者がいても児童虐待を受けている児童
@Aは昔の定義で言うと「孤児」になります。Bの中には親がうつ病や統合失調症で育てられないようなケースもあります。
Cの児童虐待は最近増えていて、児童相談所への通報などで発覚することもあります。児童相談所のケースワーカーが親から引き離す行政措置を取ります。「保護者の健康上・経済上の理由などで監護を受けられない児童、または保護者の元で生活させるのが不適当(家庭環境が悪く、保護者のもとで生活させるのは無理)」な状況にある」と児童相談所が判断するケースが予想以上に増えているんですね。
暴力やネグレクトで心身に深い傷を負った子どもが児童養護施設にやってくることもあり、生傷など凄惨な証拠が残っています。
子どもは18歳になると、施設を出て一人で生きていかなければならなくなりますが(多くは寮付きの職場や、奨学金をもらいながらの学生生活になります)、場合によっては20歳まで延長できるようになりました。いずれにせよ、20歳になれば施設を出て、保護者がいない中で生きていかなければならなくなります。
また2005年の「児童福祉法改正」により、安定した生活環境の確保など特に必要な場合は、乳児も入所させることもできるようになり、0歳〜20歳までの未成年が同居する施設になりました。
その未成年の親代わりとして、成長を見守り、教育していくのが児童養護施設の職員になります。
児童養護施設職員はどういう人?
児童養護施設で働くためには、必ずしも保育士の資格を持っている必要はありません。法で定められている、保育、教育、福祉関連の資格のうちどれか1つを持っていれば、児童養護施設に就職、転職することができます(取得していなくてもOKの場合もありますが、持っているに越したことはありません)。
具体的には以下の資格になります。
保育士
幼稚園教諭
小学校・中学校・高等学校のいずれかの教諭の免許状取得(学校種や教科は不問)
社会福祉士
精神保健福祉士
看護師
栄養士
心理士
社労士
調理師
心理カウンセラー
地方厚生局長等指定の児童福祉施設職員養成学校を卒業
つまり、児童養護施設で働く職員は、保育、教育、福祉それぞれのバックグラウンドを持つ、多種多様な人たちの集まりということになります。
児童養護施設での仕事
具体的な仕事は、別記事で詳しく書いていこうと思いますが、保育士の仕事とはかなりかけ離れていると思ってください。
保育士、保育園の仕事は、時間内だけ子どもたち(0歳〜6歳)の面倒を見ればいいだけですが、児童養護施設はむしろ、保育園の時間は別の保育園ないし幼稚園に子どもたちを預けます。
児童養護施設職員は、保育園や学校の時間以外のすべてを「親代わり」として子どものお世話をすることになります。子どもが病気になれば24時間対応しますし、学校の行事、PTAなども「保護者」として参加します(遠足や運動会も保護者として出ます)。
身の回りのことをすべて行わなければならず、児童養護施設職員1人当たりの担当子ども数は4人〜6人なので、親よりもかなり大変なんです。基本、男女の職員がペアを組んで「父母」代わりになるのですが、宿直が3日に1回あり、日常生活は破壊されます。真夜中でも子どもが熱を出せばすぐ病院ですし、突発的なことがあれば休みもなくなります。
めちゃくちゃハードで、新卒で入っても3年もたない人がほとんどだと言われています。しかし、社会的には絶対に必要な施設であり、保育士の経験を生かして子どもの将来にかかわるのは、大きな財産になるのも事実です。
児童養護施設の実態については、何回かに分けて書いていきたいと思います。
もし、児童養護施設で働くことに興味があるという人は、保育士専門の転職エージェントに登録して、エージェントから詳しい待遇や働き方について聞いてみてもいいでしょう。ただし、子どもたちのすべてに関わり、「親代わり」となるので非常勤ではなく正規職員を募集しているところがほとんどです。
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