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2022年06月21日

(転載)追いつかれてもなぜ譲らない?追い越し車線に居座るドライバーへの対処と対策とは

高速道路を走行中、追い越し車線をノロノロ走り続けるクルマに出くわすことがあります。
「後ろ詰まってますよ」と伝えたいところですが、近年は煽り運転が社会問題化していることから、トラブルになることを避けるためにそれを伝えることもできず、だからといって、左側から追い越しすることは道交法違反となることなどから、後続のクルマにとって大変迷惑。



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 追い越し車線を走行し続けることは道交法違反なのに、これらのクルマはなぜ車線を譲らないのでしょうか。またそのような状況に遭遇した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

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法定速度で走っていても違反
 2車線以上の道路では、特に指示がない場合を除いて、左側車線が走行車線、右側の中央寄りの車線は追い越し車線と規定されています。

道路交通法では、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければいけない」と明記されており、通常は走行車線を走り、追い越し時には追い越し車線を使って前走者を追い越した後、走行車線に戻るのがルール。追い越し車線を走り続けると、例え法定速度以内であっても、「通行帯違反」となり、減点1で反則金6,000円が科せられます。




 具体的に追い越し車線をどれくらいの時間走り続けると違反になるのか、ということについては、警察の取り締まりでは、その目安を2km程度としているようです。
すなわち、高速道路を100km/hで走行している場合は、時間にして1分12秒追い越し車線を走り続けると取り締まりの対象となることになります。



 繰り返しになりますが、法定速度で走っていると言い張っても、無駄です。追い越し車線を走り続けること自体が、違反なのです。




運転が未熟、身勝手なドライバーのほか、煽り運転予備軍のドライバーの可能性も
近年は煽り運転が社会問題化。道路交通法が改正され、煽り運転は妨害運転として厳しい罰則が科せられるようになった



 そんなクルマのドライバーは、いったい何を考えているのでしょうか。
大別すれば、以下のような3つのドライバーに分けられると考えられます。



 ・そもそも、追い越し車線の走行ルールを知らない、あるいは後続車が迫って自分が走行の邪魔になっていることに気づく余裕のない未熟なドライバー

・追い越し車線を走り続けてはいけないことは知ってはいるが、クルマが少なく走りやすいからという身勝手なドライバー

・後続車を困らせることにある種の喜びを感じる煽り運転予備軍のドライバー


 対応が難しいのは、前走車のドライバーが上記の3つのどれに相当するのかがわからないこと。

基本的には、じっと我慢して車線が開くのを待つのが安全ですが、あまりにノロノロ運転の場合は、あくまで自己責任でお願いしたいですが、以下のような対策が可能だと考えられます。




走行車線に移って様子を見てから追い抜く
 煽り運転が社会問題化している現在において、パッシングやクラクションで警告するのは避けるべき。
安全なのは、走行車線側の空きのタイミングを見計らって走行車線から追い抜く方法です。




 注意していただきたいのは、追い越し車線で前走車に追いついて、すぐに走行車線に移って、追い越しをしないこと。
これは、左側からの追い越しと判断されて「追い越し違反(先行車両の左側からの追い越し)」となり、減点2点、反則金9,000円が科せられます。



 違反にならない方法は、追い越し車線から走行車線に移って、しばらく走行車線で様子を見て、追い越し車線のクルマが変わらずノロノロ運転しているのを確認して、そのまま走行車線で追い抜くこと、これは違反になりません。



 ちょっとした違いですが、クルマが走行車線に移って前走車の前に出る「追い越し」でなく、車線を変えてある程度走行してから追い越し車線に戻ることで、クルマが進路を変えずに前走車の前に出る「追い抜き」となり、OKということです。




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アウトバーンがスムーズに流れるのは、ルール厳守を徹底しているから
 高速道路の本家本元のドイツのアウトバーンでは、追い越し車線のノロノロ運転の事例は少ないようです。
アウトバーンも、最近は安全を考慮して、都市近郊では100km/h〜130km/h程度の速度制限を設けている区域が増えていますが、通常片側3車線以上あるうち、一番右は、120km/h、真ん中は140km/h、追い越し車線は160km/h以上となっています。




 速度無制限区間になると、ほとんどのクルマが、真ん中か一番右の車線へ移動します。
なぜなら、後ろから高級スポーツカーが、矢のようなスピードで走ってくることがあるからです。
たとえこちらが160km/hで追い越し車線を走行していても、あっという間にすぐ後ろまで追いついてしまうため、アウトバーンでは、自分の車速に応じた車線をしっかり守る、速いクルマが来たら車線を譲るということが徹底されています。





 また、たまにしか高速道路を走らない日本人に対して、常日頃からアウトバーンの走行に慣れているために高速走行の運転技術が高いことも、アウトバーンの流れが速くスムーズな理由だと考えられます。





追い越し車線に最低速度を規定する方法は、日本では非現実的
 追い越し車線を走り続けるドライバーを減らすには、基本的なルールを周知させることが必要。それには、車線の直上に警告看板を立てるなどの啓蒙活動をすることが有効だと考えます。
これで、ある程度減らすことできるのではないでしょうか。




 アウトバーンのように、車線に最低速度を規定する案もありますが、日本の高速道路の法定(最高)速度が100km/hなので現実的ではありません。
なぜなら、追い越し車線の最低速度を規定するなら、おそらく105km/h〜110km/hに設定しなければ効果はありません。
東名や新東名では、追い越し車線を走行する多くのクルマは、遅くてもそれぐらいで走行しているからです。





 法定速度が、100km/hなのに最低速度をそれ以上の例えば105km/hに設定するという矛盾が発生します。
追い越し車線の最低速度を現実的な値に規定するためには、高速道路の法定速度を少なくとも105km/h以上に改訂しなければいけません。
しかし、日本の道路事情を考慮して決めた法定速度100km/hなので、高速道路を作り直さない限り変更は無理だと考えられます。





 ゆっくり走れば安全だと考えがちですが、状況に応じて時にはアクセルを思い切って踏み込むことも必要です。
法定速度を守ることは当然ですが、何よりも自分が流れに乗っているかを意識しながら運転するようにしましょう。





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