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2018年05月27日

いい夢


631 :本当にあった怖い名無し:05/01/07 16:52:53 ID:Xk1BFrwc
夢の話で思い出した話。

自分が小学生の頃、父の単身赴任中、
母が病気で入院したことがあって、叔父の家に1ヶ月ほど預けられた。
その家には『おじちゃん』という人がよくやってきた。
『おじちゃん』は近所で一人暮らしをしている老人(60代ぐらい)で、
酒やビールと惣菜を数品持参して、叔父と一緒に晩酌をしていた。

その日、『おじちゃん』は酔いつぶれて寝てしまった。
自分が起こそうとすると、ものすごく嬉しそうな顔をして寝ている。
起こすのを躊躇っていると、『おじちゃん』はぱっと目を開いた。
そして自分の顔を見ると、「お?おー・・・、ボクか・・・」と深いため息をついた。
「おじちゃんなー、今、すごーくいい夢みてたよ。
 おじちゃんが生きてた中で、一番幸せな時間だったなー」
と、まだ酔いが覚めていない赤い顔をほころばせながら言った。
どんな夢か聞いてみると、
「ボクには言ってもわからないだろうなー。もうちょっと大きくなったら教えてやるよ」
と言った顔は、本当に幸せそうだった。
そして千鳥足で家に帰っていった。

その数日後、叔父が『おじちゃん』の家を訪ねると、ひとりで冷たくなっていた。
葬儀には近所の人以外、親戚などは誰も来なかったらしい。
『おじちゃん』は60数年の人生よりも、10数分のうたた寝でみた夢の方が幸せだったのかと思うと切ない。


posted by 怖い話 at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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