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2017年12月27日
東野圭吾『学生街の殺人』
〜『学生街の殺人』7つのポイント〜
『学生街の殺人』は、新しい駅ができ寂れてしまった学生街を舞台にした東野圭吾の4作目の作品。
廃れてしまった旧学生街の薄暗い雰囲気の中ストーリーが始まり、殺人事件が発生します。
事件に立ち向かうのは、廃れた街同様、自分自身の将来に展望が見えないビリヤード場の店員として働く光平。
学生街のビリヤード上で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。
「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して・・・。
第二の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。
奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実!
さあ、『学生街の殺人』について語りましょう。
1 あらすじ
近くにある大学の正門が移転し新しい駅ができてしまったため廃れてしまった学生街。
そこにあるビリヤード場『青木』で働く津村光平は大学卒業後、大学院に進むと親に嘘をついてフリーターをしています。
光平の恋人・広美は光平たちも常連のバー『モルグ』で働いていますが、自分のことは何も話さず謎だらけ。
毎週火曜日は『モルグ』にも出勤せずどこかに出かけている様子。
ある日、光平の『青木』の同僚・松木が何者かによって殺されます。
松木も自分の過去については何も話さず、光平も素性を知りません。
なぜ、そして誰に松木は殺されたのでしょうか。
その謎が解けぬまま、第二の殺人が起こります。
そしてクリスマスの装飾をした松の木の下で第三の事件が起こりますが、被害者は意外な人物でした。
3つの事件の関連は?
松木の正体は?
広美の抱えた謎とは?
密室事件のトリックは?
そして犯人は一体誰なのでしょうか。
2 登場人物
津村光平
フリーター。喫茶店兼ビリヤード場の『青木』のホールで働く。
両親には大学卒業後、大学院に進んでいると嘘をついている。
有村広美
光平の恋人。カフェバー『モルグ』で働く。
突然ピアノを弾かなくなる、火曜日はどこかに外出する、など謎の多い女性。
光平も彼女の秘密を知らない。
松木元晴
『青木』のフロア責任者。自宅で何者かに殺される。
沙緒里
『青木』の従業員。
マスター
『青木』の経営者。
日野純子
広美の親友。『モルグ』を広美と共同経営している。
井原
『青木』の常連客。通称「ハスラー紳士」。
太田
井原の友人で『青木』の常連客。電子工学科の助教授。
時田
『モルグ』の常連客。書店を経営している。
武宮
工学部の大学院生。沙緒里に惚れている。松木と揉めた。
堀江
養護施設『あじさい学園』の園長。
佐伯良江
『あじさい学園』に出入りする保険外交員。
斎藤
『モルグ』に来店するレザージャケットの男。
医師。『あじさい学園』での診察も行う。
香月
事件を担当する刑事。
悦子
広美の妹。短大生。
3 第一の殺人
武宮と揉めた直後、松木が何者かに殺されます。
そして松木とは本名ではないことも判明します。
松木の正体とは一体?
なぜ松木は嫌いなこの旧学生街に来たのでしょうか。
松木の正体がこの事件のカギを握っています。
4 第二の殺人
第二の殺人のショックは大きいです。
なぜこの人が殺されなければならないのでしょうか。
そして現場は密室状態。
これまでの3作はトリックの解明に図解を用いていましたが、この作品ではそれがありません。
図解を使わなくても説明ができるトリックの方が読者としては読みやすいと思います。
そして第二の殺人には更なる謎が隠されています。
5 第三の殺人
第三の殺人の発生は予想外で驚きます。
これまでの2つの殺人とどのような関係があるのか考えても思い浮かびません。
事件発生時のアリバイ解明もポイント。
この第三の事件が物語に深みを増し、面白くしてくれています。
6 悦子
薄暗い雰囲気の旧学生街。
物語も冒頭から暗い雰囲気。
ずっとこんな感じで進むのかとちょっと不安になっていたところ、物語中盤から登場する「悦子」が明るい雰囲気を作り出してくれます。
それにしても全体的な暗さは残ったまま。
しかし、東野圭吾作品にある、美人で強気で行動的で主人公の男性を引っ張る女性キャラクターの走りと言ってもいいのではないでしょうか。
もう少し悦子が活躍する場面を楽しみたかったと思うのも正直なところです。
相変わらずキャラクターの描写が上手いと思います。
7 終盤のたたみかけ
始終暗く廃れた雰囲気の中で進む物語。
登場人物も暗い印象で、事件解決の行程も若干だれた印象があることも否めません。
技術の進歩はすごいものだと感心しながらも、香月の捜査のシーンなどは物語の展開にそこまで必要なのかなとも思ってしまいます。
ビリヤードもあまり馴染みが無いせいか、シーンにアクセントをつける役割は果たしているのでしょうが、いまいちピンと来ません。
光平と沙緒里のシーンも、光平のキャラクター設定にどうしても必要とは思えません。
このようなシーンが多いため、物語のボリュームも必然的に多くなり、途中でだれてしまう読者もいるかもしれません。
しかし、犯人が判明してからのたたみかけは流石の一言。
第一の殺人、第二の殺人の謎が解け、さらにその奥にある第三の殺人の謎が明らかになったとき、これまで溜まっていたものが一気に発散されます。
各所に張りめぐらされた伏線もきれいに回収され大満足。
あのシーンのあんなところも伏線だったのか、と驚きもあり、すっきりします。
そして、「加賀恭一郎」シリーズ第1作で東野圭吾のデビュー作でもある『放課後』に出てきたあそこが出てくるのもファンにとっては嬉しい仕掛けです。
まとめ
『学生街の殺人』7つのポイント
1 廃れ寂れた旧学生街が舞台
2 将来に展望が持てない光平が事件を通してどのように成長していくか
3 松木の正体は?
4 広美の謎は?
5 3つの殺人事件の関連は?
6 主人公を引っ張る悦子の存在
7 終盤のたたみかけ
『学生街の殺人』は、新しい駅ができ寂れてしまった学生街を舞台にした東野圭吾の4作目の作品。
廃れてしまった旧学生街の薄暗い雰囲気の中ストーリーが始まり、殺人事件が発生します。
事件に立ち向かうのは、廃れた街同様、自分自身の将来に展望が見えないビリヤード場の店員として働く光平。
学生街のビリヤード上で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。
「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して・・・。
第二の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。
奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実!
さあ、『学生街の殺人』について語りましょう。
価格:788円 |
1 あらすじ
近くにある大学の正門が移転し新しい駅ができてしまったため廃れてしまった学生街。
そこにあるビリヤード場『青木』で働く津村光平は大学卒業後、大学院に進むと親に嘘をついてフリーターをしています。
光平の恋人・広美は光平たちも常連のバー『モルグ』で働いていますが、自分のことは何も話さず謎だらけ。
毎週火曜日は『モルグ』にも出勤せずどこかに出かけている様子。
ある日、光平の『青木』の同僚・松木が何者かによって殺されます。
松木も自分の過去については何も話さず、光平も素性を知りません。
なぜ、そして誰に松木は殺されたのでしょうか。
その謎が解けぬまま、第二の殺人が起こります。
そしてクリスマスの装飾をした松の木の下で第三の事件が起こりますが、被害者は意外な人物でした。
3つの事件の関連は?
松木の正体は?
広美の抱えた謎とは?
密室事件のトリックは?
そして犯人は一体誰なのでしょうか。
2 登場人物
津村光平
フリーター。喫茶店兼ビリヤード場の『青木』のホールで働く。
両親には大学卒業後、大学院に進んでいると嘘をついている。
有村広美
光平の恋人。カフェバー『モルグ』で働く。
突然ピアノを弾かなくなる、火曜日はどこかに外出する、など謎の多い女性。
光平も彼女の秘密を知らない。
松木元晴
『青木』のフロア責任者。自宅で何者かに殺される。
沙緒里
『青木』の従業員。
マスター
『青木』の経営者。
日野純子
広美の親友。『モルグ』を広美と共同経営している。
井原
『青木』の常連客。通称「ハスラー紳士」。
太田
井原の友人で『青木』の常連客。電子工学科の助教授。
時田
『モルグ』の常連客。書店を経営している。
武宮
工学部の大学院生。沙緒里に惚れている。松木と揉めた。
堀江
養護施設『あじさい学園』の園長。
佐伯良江
『あじさい学園』に出入りする保険外交員。
斎藤
『モルグ』に来店するレザージャケットの男。
医師。『あじさい学園』での診察も行う。
香月
事件を担当する刑事。
悦子
広美の妹。短大生。
3 第一の殺人
武宮と揉めた直後、松木が何者かに殺されます。
そして松木とは本名ではないことも判明します。
松木の正体とは一体?
なぜ松木は嫌いなこの旧学生街に来たのでしょうか。
松木の正体がこの事件のカギを握っています。
4 第二の殺人
第二の殺人のショックは大きいです。
なぜこの人が殺されなければならないのでしょうか。
そして現場は密室状態。
これまでの3作はトリックの解明に図解を用いていましたが、この作品ではそれがありません。
図解を使わなくても説明ができるトリックの方が読者としては読みやすいと思います。
そして第二の殺人には更なる謎が隠されています。
価格:15,940円 |
5 第三の殺人
第三の殺人の発生は予想外で驚きます。
これまでの2つの殺人とどのような関係があるのか考えても思い浮かびません。
事件発生時のアリバイ解明もポイント。
この第三の事件が物語に深みを増し、面白くしてくれています。
6 悦子
薄暗い雰囲気の旧学生街。
物語も冒頭から暗い雰囲気。
ずっとこんな感じで進むのかとちょっと不安になっていたところ、物語中盤から登場する「悦子」が明るい雰囲気を作り出してくれます。
それにしても全体的な暗さは残ったまま。
しかし、東野圭吾作品にある、美人で強気で行動的で主人公の男性を引っ張る女性キャラクターの走りと言ってもいいのではないでしょうか。
もう少し悦子が活躍する場面を楽しみたかったと思うのも正直なところです。
相変わらずキャラクターの描写が上手いと思います。
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7 終盤のたたみかけ
始終暗く廃れた雰囲気の中で進む物語。
登場人物も暗い印象で、事件解決の行程も若干だれた印象があることも否めません。
技術の進歩はすごいものだと感心しながらも、香月の捜査のシーンなどは物語の展開にそこまで必要なのかなとも思ってしまいます。
ビリヤードもあまり馴染みが無いせいか、シーンにアクセントをつける役割は果たしているのでしょうが、いまいちピンと来ません。
光平と沙緒里のシーンも、光平のキャラクター設定にどうしても必要とは思えません。
このようなシーンが多いため、物語のボリュームも必然的に多くなり、途中でだれてしまう読者もいるかもしれません。
しかし、犯人が判明してからのたたみかけは流石の一言。
第一の殺人、第二の殺人の謎が解け、さらにその奥にある第三の殺人の謎が明らかになったとき、これまで溜まっていたものが一気に発散されます。
各所に張りめぐらされた伏線もきれいに回収され大満足。
あのシーンのあんなところも伏線だったのか、と驚きもあり、すっきりします。
そして、「加賀恭一郎」シリーズ第1作で東野圭吾のデビュー作でもある『放課後』に出てきたあそこが出てくるのもファンにとっては嬉しい仕掛けです。
まとめ
『学生街の殺人』7つのポイント
1 廃れ寂れた旧学生街が舞台
2 将来に展望が持てない光平が事件を通してどのように成長していくか
3 松木の正体は?
4 広美の謎は?
5 3つの殺人事件の関連は?
6 主人公を引っ張る悦子の存在
7 終盤のたたみかけ
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