2019年03月02日
見逃し三振はオッケー
宜野座で見た阪神・矢野燿大監督の表情は、すごく穏やかだった。
「(阪神の)監督辞められてから、あいさつができてなかったので。自分の野球観を変えてくれた人。ずっと引っかかってたんです」
昨秋、近本を1位指名したドラフト直後、野村克也元監督のもとを訪問し、野球談議に花を咲かせたという。
99年オフ、私もハワイまで取材に行ったことがあるが、話は延々と続き、午後からのゴルフの予約をキャンセルした覚えがある。おそらく矢野監督も、そんなありがたい長時間トークを経験したことだろう。
「鳴尾浜での最初のミーティングで、見逃し三振はオッケーと言われた。それまでの人生で、見逃し三振では怒られたことしかなかったから」
打者の理想は直球を待っていながら、変化球にも対応できること。だが、それを高い確率でこなせる打者は、ほんの一握りの天才。「凡人」が「天才」を追い抜くには、配球を読み、時には見逃し三振覚悟でヤマを張る。それぐらいしなければ「凡人」で終わってしまうという“ノムラの考え”が、選手矢野には新鮮だったようだ。
「2割そこそこの打者が、3割を打てるようになったし」
昨年の2軍監督時代の談話を聞いていると、いろんなところで“ノムラの考え”が垣間見えると感じていた。
さて、どんな野球をするのだろうか。穏やかな表情が、どう変わるのかにも興味がある。矢野阪神、徹底的に追いかけます
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