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2017年06月04日

美空ひばりだけは「別格」

正直、演歌や歌謡曲はあまり聴くジャンルではない。北島三郎は「与作」、石川さゆりは「津軽海峡・冬景色」、島倉千代子は「人生いろいろ」…と、その人の代表作くらいは知っているものがある程度だ。

でも、美空ひばりだけは別格で、そらで言える代表曲だけでも「川の流れのように」を筆頭に「東京キッド」「お祭りマンボ」「愛燦燦」「一本の鉛筆」「悲しい酒」…とニワカ程度に知っている。そして、後にも先にもこの人の上をいく演歌・歌謡曲の歌い手はいないだろうな、と思う。そのくらい完成されている。

歌がうまい人はたくさんいる。でも、演歌がうまく歌える人は限られている。演歌をうまく歌える人もまあたくさんいる。その中で演歌の一流がいる。でも、演歌の一流でさえ「歌をうたう」を超えるところまで来るとなると、かなり厳しい。美空ひばりの場合、歌をうたうことは日本人が日本語を話すごとくあたりまえのことのように思われるからすごい。日本人に対して日本語が流暢だと言うのがおかしいように、美空ひばりに対して歌がうまいというのは違和感がある。要するにその域まで来てしまっているのだ。

演歌、歌謡曲だけでなくジャズまでこなす。「恋人よ我れに帰れ」「スターダスト」を聴くと「これが『リンゴ追分』を歌っているのと同じ人か」とため息が出る。エラ・フィッツジェラルドやビリー・ホリデイに混じって流れても何の違和感も抱きそうにない。

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感想(21件)



美空ひばりを聴くとき、そこには「歌は任せておけばよい」という安堵感がある。今のポピュラー・ミュージックのような刺激を求めるものとはちょっと違うけれども、穏やかな波の音に耳を澄ませるように、歌に身を任せることができる。

posted by ひえち豆 at 07:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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