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2014年10月13日

<ノーベル平和賞>少年たちも喜び サティヤルティさん受賞

 児童労働根絶に取り組むインドのカイラシュ・サティヤルティさん(60)のノーベル平和賞受賞決定を受け、労働現場から保護された子供たちにも喜びが広がっている。いずれもサティヤルティさんが設立した団体「子供を救え運動(BBA)」の活動で教育を受ける機会を取り戻した。「バーイー・サーハブ(兄さん)」と慕うサティヤルティさんの快挙に、子供たちは「自分が救われた時と同じぐらいうれしい」と笑顔を見せた。

 ニューデリーで大学に通うマナン・アンサリさん(18)は、6歳で東部ジャルカンド州の鉱山で働き始めた。午前8時から午後5時まで鉱石に混じった砂を取り除く。日当10〜15ルビー(18〜27円)は両親に渡して家計を支えた。8歳のころ、マナンさんの境遇を知ったBBAのメンバーが両親に教育の重要性を説き、BBAの施設に引き取られたという。「当時、両親は教育に関心がなかった。今は僕の成長を喜んでいる」と語る。

 首都ニューデリー郊外のBBAの施設では、現在12人の子供が共同生活を送る。「ここに来る子供の多くはトラウマを抱えている。喫煙や飲酒をする子供もいる」。スタッフのアルチャナ・チャトゥルベディさん(31)が説明する。施設では規則正しい生活や基礎的な教育などを通じて「リハビリ」を目指すという。

 サティヤルティさんは頻繁に施設を訪れ、「子供のように振る舞い一緒に遊ぶ」(スタッフ)。施設で暮らす少年は「今度『兄さん』が来たら、お祝いのパーティーをするつもりだ」とうれしそうに話した。
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