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2014年10月01日

<アジア大会>男子テニス、西岡が金 日本勢40年ぶり

 仁川アジア大会は第12日の30日、テニスの男子シングルス決勝で19歳の西岡良仁(ヨネックス)が第1シードの盧彦勲(台湾)にストレート勝ちし、この種目の日本勢で40年ぶりの金メダルを手にした。

 勝利を決め、コートでガッツポーズをしながら何度も跳びはねて喜びを表した。手渡された国旗を肩にかけ、観客席に手を振る姿は堂々としたものだったが「勝った瞬間は何も考えられなかった。ただうれしかっただけ」と西岡。夕暮れのセンターコートに19歳の若武者の笑顔が輝いた。

 西岡の世界ランキングが168位に対して第1シードの盧彦勲(台湾)は42位。「経験も含めすべてが上の尊敬する相手」に挑戦者として向かった。第1セットで5ゲームを連取して、セットポイントは信条の「粘り」でラリー戦を制した。

 競った展開だった第2セットは第6ゲームで2本のサービスエースを決めてキープ。次のゲームは盧の2本のダブルフォールトでブレークして5−2と突き放した。最終ゲームは左利きの特徴を生かして角度のあるサービスを盧のバックハンド側に入れる攻め方を徹底し、マッチポイントも同じコースへのサーブ。レシーブに行った盧をコートの外に出し、返球を空いたスペースにフォアで真っすぐに打ち込んだ。

 格上を相手に1時間11分でストレート勝ち。「精神的に崩れることなく、攻めるところは攻められた。ベストのゲーム。ここまでうまくいくとは思わなかったのですごい自信になる」と喜んだ。試合の主導権を最後まで握った完勝だった。

 中学3年生で米フロリダ州のテニスアカデミーに留学。脱落者も多い厳しい競争社会を生き抜き、日本のエース錦織圭(日清食品)と同じ足跡をたどっている。日本の男子シングルスでは40年ぶりの快挙に「知らなかった」と目を丸くしたが、「(錦織と)比べてもらうのは本当にうれしい。でも、同じ年のころ(錦織は)もっと上にいた。これで少しは近づけたかな」と西岡。全米オープンで錦織が4大大会で初めて準優勝した、日本テニス界にとっての歴史的な年に、西岡も名をしっかり刻んだ。
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