2014年09月30日
苦難のメジャー14年目にも超プラス思考 「マイナスが思い浮かばない」イチローの強さと自信
メジャー14年目。ヤンキースのイチロー外野手が、苦難のシーズンを終えた。開幕前は外野手の5番手という位置付けからスタートしながら、高いパフォーマンスで出場機会を勝ち取り、143試合に出場。ただ、完全に定位置を確保することは、最後までできなかった。初めて規定打席不足となり、先発94試合、102安打も過去最少に終わった。
予期せぬ壁が連続したシーズンだったか?
最終戦となった28日(日本時間29日)のレッドソックス戦後、報道陣のこんな質問に、イチローは素直に答えている。
「最初から最後までそういうことの繰り返しだったですね」
開幕前には、ジャコビー・エルズベリー、カルロス・ベルトランが加入。ブレット・ガードナー、アルフォンソ・ソリアーノも加えた外野人の5番手という厳しいポジションからスタートした。ただ、ソリアーノが極度の不振に陥り、7月に戦力外に。控えという立場にも腐らず、努力と入念な準備を続け、高いパフォーマンスを披露していたイチローが定位置をつかんだ。
しかし、ここで調子を落としたこともあり、ヤンキースは補強に動く。7月のトレード期限で内野が本職のマーティン・プラドを獲得し、当初はライトで起用。イチローは再びレギュラーを奪われる形になった。
また、6月下旬には、ヤンキースが開幕前にイチローをアストロズに移籍させようとしていたとする極秘文書がハッキングで流出。思わぬ騒動にも巻き込まれた。確かに、予期せぬ壁が連続したシーズンだった。
「自分の支えになる時間だった。“これ以上はない”という時間」
イチローほどの圧倒的な実績を誇る選手にとっては、つらい1年、受け入れがたいシーズンだったのだろうか。思わずそんな想像もしてしまうが、本人の考えは違う。
「いや、プラスに考えられることなんかいっぱいありますよ。マイナスが思い浮かばないくらいですね」
ここにイチローの強さを見ることができる。
当然ながら、日本球界で史上初のシーズン200安打を達成した1994年から、イチローが控えという立場になったことはなかった。それでも、プライドを傷つけられるというマイナスの思考よりも、この現実を前向きに消化していきたい。そんな気概が感じられる。
「(これまでも)色んな経験をしてきて、いつか自分の支えになっていく経験はあると思いますが、もちろん、その中に加わる時間だったと思っています。自分の支えになる時間だった。たとえば、高校時代の2年間は僕の大きな支えになっている。そういうことの1つ。今後、僕を支える時間だと思います。なかなか“これ以上はない”という時間かな」
今季の月別の打率を見てみると、4月は3割5分7厘、5月は2割8分6厘と好調を維持した。6月は2割5分7厘、7月は2割2分4厘と調子を落としたものの、8月は3割5分2厘と再び調子を上げ、9月は2割8分2厘とまずまずの状態でフィニッシュした。いつ試合に出るかも分からず、リズムを作りにくい中で通算打率2割8分4厘。打席数は170も減ったが、昨年の2割6分2厘よりも上昇した。
内に秘める確固たる自信「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる」
「去年の最後は半信半疑で何とかいい形になっていたかなぁと思っていたんだけど、今年は最後まできっちりと自信を持ってグラウンドに立てる自分がずっといた」
貴重な経験を積みながらも、確かな手応えを得ていたのは間違いない。だからこそ、最終戦後には「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる。今から162試合やれと言われても、何の問題もない状態にある」と話している。
来季の去就は不透明だ。地元メディアの間では、フリーエージェントとなる安打製造機がヤンキースと再契約する可能性は、低いと見られている。ただ、全てはFA市場の状況次第。あらゆる可能性があると考えられる。
激動のシーズンが終わり、ホッとしたかを聞かれると、イチローは「そら、終わったときはもちろん解放されるから。少なくとも僕がやってきたシーズンではそうです」と答えた。
さらに、デレク・ジーターという、自分と同じ“レジェンド”と2年半をともにプレーしたことについては「一緒にやっていく選手が同じ価値観を共有して、やっている気持ちよさ。それを感じさせてくれる人だった」と話した。
これまでに経験したことのないシーズンを終え、イチローがいったい何を求めるのか。来季の所属先を決める要素は、いくらでもある。10月に41歳を迎える男は、しばらく体を休めてから、新たな戦いが始まることになる。
予期せぬ壁が連続したシーズンだったか?
最終戦となった28日(日本時間29日)のレッドソックス戦後、報道陣のこんな質問に、イチローは素直に答えている。
「最初から最後までそういうことの繰り返しだったですね」
開幕前には、ジャコビー・エルズベリー、カルロス・ベルトランが加入。ブレット・ガードナー、アルフォンソ・ソリアーノも加えた外野人の5番手という厳しいポジションからスタートした。ただ、ソリアーノが極度の不振に陥り、7月に戦力外に。控えという立場にも腐らず、努力と入念な準備を続け、高いパフォーマンスを披露していたイチローが定位置をつかんだ。
しかし、ここで調子を落としたこともあり、ヤンキースは補強に動く。7月のトレード期限で内野が本職のマーティン・プラドを獲得し、当初はライトで起用。イチローは再びレギュラーを奪われる形になった。
また、6月下旬には、ヤンキースが開幕前にイチローをアストロズに移籍させようとしていたとする極秘文書がハッキングで流出。思わぬ騒動にも巻き込まれた。確かに、予期せぬ壁が連続したシーズンだった。
「自分の支えになる時間だった。“これ以上はない”という時間」
イチローほどの圧倒的な実績を誇る選手にとっては、つらい1年、受け入れがたいシーズンだったのだろうか。思わずそんな想像もしてしまうが、本人の考えは違う。
「いや、プラスに考えられることなんかいっぱいありますよ。マイナスが思い浮かばないくらいですね」
ここにイチローの強さを見ることができる。
当然ながら、日本球界で史上初のシーズン200安打を達成した1994年から、イチローが控えという立場になったことはなかった。それでも、プライドを傷つけられるというマイナスの思考よりも、この現実を前向きに消化していきたい。そんな気概が感じられる。
「(これまでも)色んな経験をしてきて、いつか自分の支えになっていく経験はあると思いますが、もちろん、その中に加わる時間だったと思っています。自分の支えになる時間だった。たとえば、高校時代の2年間は僕の大きな支えになっている。そういうことの1つ。今後、僕を支える時間だと思います。なかなか“これ以上はない”という時間かな」
今季の月別の打率を見てみると、4月は3割5分7厘、5月は2割8分6厘と好調を維持した。6月は2割5分7厘、7月は2割2分4厘と調子を落としたものの、8月は3割5分2厘と再び調子を上げ、9月は2割8分2厘とまずまずの状態でフィニッシュした。いつ試合に出るかも分からず、リズムを作りにくい中で通算打率2割8分4厘。打席数は170も減ったが、昨年の2割6分2厘よりも上昇した。
内に秘める確固たる自信「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる」
「去年の最後は半信半疑で何とかいい形になっていたかなぁと思っていたんだけど、今年は最後まできっちりと自信を持ってグラウンドに立てる自分がずっといた」
貴重な経験を積みながらも、確かな手応えを得ていたのは間違いない。だからこそ、最終戦後には「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる。今から162試合やれと言われても、何の問題もない状態にある」と話している。
来季の去就は不透明だ。地元メディアの間では、フリーエージェントとなる安打製造機がヤンキースと再契約する可能性は、低いと見られている。ただ、全てはFA市場の状況次第。あらゆる可能性があると考えられる。
激動のシーズンが終わり、ホッとしたかを聞かれると、イチローは「そら、終わったときはもちろん解放されるから。少なくとも僕がやってきたシーズンではそうです」と答えた。
さらに、デレク・ジーターという、自分と同じ“レジェンド”と2年半をともにプレーしたことについては「一緒にやっていく選手が同じ価値観を共有して、やっている気持ちよさ。それを感じさせてくれる人だった」と話した。
これまでに経験したことのないシーズンを終え、イチローがいったい何を求めるのか。来季の所属先を決める要素は、いくらでもある。10月に41歳を迎える男は、しばらく体を休めてから、新たな戦いが始まることになる。
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