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2014年10月21日

北京のヨーカ堂が1年で3店も閉店、高級輸入食品は救世主となるか―中国紙

2014年10月17日、日本の総合スーパー・イトーヨーカ堂の中国法人・華堂商場が運営するヨーカ堂北京西直門店が12月1日に閉店することが今月16日明らかとなった。2005年に開店した西直門店はこれまでの経営構造をうち破り、2万平方メートル近い売り場面積の約半分が服飾品に当てられ、当時は北京のヨーカ堂の中で最もグレードが高い店舗という位置づけだった。京華時報が伝えた。



華堂商場の関連部門の責任者は、「西直門店の閉店は連年の損失が原因だ。西直門エリアは土地使用料が高く、労働力コストも上昇が続き、開店から現在に至るまで運営コストが非常に高くついている上に、小売産業の競争の激化が加わって、支出が収入を上回る状態が続いていた」と話す。

北京市でヨーカ堂の店舗が閉店するのは、今年になってこれが3店舗目だ。4月には北京望京店が閉店し、8月には北苑店が閉店。昨年にも王府井ヨーカ堂北京勁松店が閉店している。閉店の理由は長期にわたる損失だ。同責任者は、「西直門店が閉店すると、華堂商場の北京にある店舗数は6つになる。この6店舗は利益を上げている」と話す。

▼ネット通販の影、経営に困難

北京志起未来営銷諮詢集団の李志起(リー・ジーチー)董事長(会長)は、「総合スーパーが閉店ラッシュに陥ったのには共通の原因と個別の原因がある。共通点をみると、ネット通販が伝統的な総合スーパーにダメージを与え、消費者の分化がますます進み、総合スーパーの来店者数が減少を続けていることが挙げられる。個別点をみると、総合スーパーという業態の競争力が低下し、消費体験という点ではショッピングセンターにかなわず、利便性という点ではコンビニエンスストアにかなわず、すき間に追いやられる羽目になったことが挙げられる」と話す。

また李董事長は、「華堂商場についていえば、閉店は同社自身の原因によるものだ。華堂商場は1990年代に中国に進出し、経営では日本式のやり方を堅持し、商品の調達では自社ブランドを重視して直接調達する商品が多かったため、総合スーパーで喜ばれる大手ブランドや人気ブランドが少なかった。これが若い消費者にそれほど浸透しなかった原因の一つだ」と話す。

▼百貨店業にはモデル転換が必要

ここ数年来、総合スーパーの閉鎖が相次ぎ、北京市市場だけでも昨年は王府井ヨーカ堂勁松店、貴友大厦方荘店、三利百貨などが閉店した。小売産業関連サイトの聯商網がまとめた統計によると、今年は上半期だけで総合スーパー12店舗が閉店したという。

総合スーパーはこれからどうなるのだろうか。業界では、総合型ショッピングセンター化と専門店化と2つの方向性があるとされている。北京工商大学貿易経済研究所の洪濤(ホン・タオ)所長は、「規模が大きい総合スーパーはレジャー、娯楽、教育などの機能を付加することができる。規模が小さい総合スーパーは特定分野の商品やサービスに経営を絞り込んで、特色を出す必要がある」と話す。

ヨーカ堂もモデル転換を模索している。前出の責任者は、「昨年に(広東省深セン市の)世貿百貨の地下1階に『食品館』をオープンし、高級輸入食品スーパーを試験的にうち出してみたところ、まずまずの売上だ。このパターンが成功すれば、会社もこれから『食品館』モデルに力を入れることを考えるようになる」と話す
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