2014年10月17日
野菜とどう違う? 栄養成分は残っている? 「野菜ジュース」4つの誤解
「健康のために野菜をもっと摂ったほうがよい」ということは多くの人が感じているでしょう。しかし野菜ジュースは栄養がない、糖分が多くて太る、塩分が多い、あるいは野菜ジュースさえ飲んでいれば野菜不足にはならない、などといった誤解が多いようです。野菜ジュースの誤解されがちな点を解説します。
「野菜ジュース」とひと口に言っても、使われている材料や製法によって、それぞれの商品に含まれる栄養成分は異なります。またあくまで食品ですから、薬のように治療や体調改善といった過度な期待はできません。しかし、忙しい現代人にとって、不足しがちな野菜の栄養をバランスよく摂るために手軽に活用できる食品のひとつだと思います。
■野菜ジュースの誤解・その1:「野菜の栄養はほとんどなくなっている?」
野菜をジュースに加工する過程で、一般にビタミンCや食物繊維などは減少します。しかし、すべてゼロになるわけではありません。また、鉄分やナトリウム、カリウムなどのミネラルや、野菜の色素であるカロテノイドなどはあまり減りません。
さらに、野菜の栄養成分の中には、ジュースなどに加工することがメリットになる場合もあります。リコピンやβ-カロテンなどは、生野菜から摂るよりも野菜ジュースや加熱して摂るほうが吸収率は高くなります。
また一般に、トマトジュースに使用される加工用トマトは、生食用トマトよりも、リコピン含有量が高いものですから、効率的にリコピンを摂取したいのであればトマトジュースを飲むというのもよいでしょう(最近は、リコピン含有量が高いトマトも市販されています)。
■野菜ジュースの誤解・その2:「砂糖を加えているから太る?」
日本では健康志向が強く、肥満を予防改善したいという消費者のニーズに応え、「甘さ控えめ」や「野菜本来の風味にこだわる」ことを優先した商品が増えていると思います。
野菜ジュースに限らず、清涼飲料水等の表示に「砂糖不使用」と書いてある製品には砂糖は使用されていません。しかし、野菜100%ジュースでも栄養表示に「糖質」や「ショ糖」と記載されている場合がありますから、「なぜ?」と思われる人もいるのではないでしょうか。
砂糖は食品名で、主な成分は確かに「ショ糖」です。しかし、糖質やショ糖は原材料の野菜にも含まれています。100%野菜ジュースで「砂糖不使用」なのに栄養表示に「糖質」「ショ糖」という記載があれば、野菜由来のものと考えてよいでしょう。
飲みやすく味を調えるために果物をブレンドしているジュースもありますが、これも同様で「砂糖不使用」という記載があれば、野菜または果実由来のものと考えてよいでしょう。
ただ、糖質は生きるうえで欠かせない重要なエネルギー源ですが、摂り過ぎには注意が必要です。健康な成人なら、コップ1杯程度、飲みきりタイプ(約200ml)なら、1日に1〜2杯程度を目安にするとよいでしょう。
個々の製品により、カロリーや栄養価は異なりますから、栄養表示をチェックし、食事全体のバランスを考えて飲みましょう。
■野菜ジュースの誤解・その3:「野菜ジュースは塩分が高い?」
昔は、トマトジュースには食塩を加えて飲まれることが多く、今でも味のバランスを調えるために塩分を加えている商品も見受けます。しかし、減塩志向がある中、「食塩無添加」で作られる野菜ジュースのほうが多いといえるでしょう。
栄養表示に記載されている、ナトリウムの含有量が食塩と勘違いされる人も多いので、説明しておきますと、ナトリウム=食塩(塩化ナトリウム)ではありません。
ナトリウムは生きるためには必要なミネラルのひとつで、野菜などにもわずかですが、ナトリウムは含まれています。野菜ジュースの場合も、ほとんどが野菜由来です。
ナトリウム摂取量を食塩摂取量に換算するには、
「食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000」」
で求めることができます。
ナトリウムは体に必要なミネラルとはいえ、食塩を摂りすぎると、血圧や他の生活習慣病に影響を及ぼすことがあります。食塩を摂りすぎないように気をつけるのと同時に、カリウムというミネラルの摂取についても気をつけておきたいところです。
カリウムは、余分なナトリウムの排出を助ける働きがあります。カリウムは野菜や果物、芋、豆、海藻、きのこ等に多く含まれ、加工品なら野菜ジュースにも多く含まれています。
■野菜ジュースの誤解・その4:「野菜ジュース=野菜?」
健康的な食生活の基本は、多様なものをバランスよく食べることです。とはいえ忙しい現代人は野菜が不足しがち。そこでさまざま栄養成分を手軽に摂れる食品として、野菜ジュースは有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
しかし、健康に有効な栄養成分を含むとしても野菜ジュースだけを飲んで健康になれるわけではありません。また同じ食品ばかり、大量に摂りすぎるのも栄養が偏ってよくありません。
問題は栄養面だけではありません。野菜を食べるときは、口に入れて噛んで飲み込みます。この「噛む」行為によって、脳の血流が良くなり、唾液の分泌を促し、満腹感が得られて食べ過ぎ防止にもなると考えられます。こうした点においては、野菜ジュースは「噛む」ことはないので、野菜と同じとはいえません。
普段の食事で野菜をできるだけ多く食べるように心がけ、野菜ジュースはあくまで野菜不足を補うためのものとして考えましょう。
また、食事前に野菜ジュースを飲むと、血糖値の上昇を抑え、メタボ予防効果があるという研究結果もありますので、野菜ジュースを上手に活用するのは効果的といえそうです。
「野菜ジュース」とひと口に言っても、使われている材料や製法によって、それぞれの商品に含まれる栄養成分は異なります。またあくまで食品ですから、薬のように治療や体調改善といった過度な期待はできません。しかし、忙しい現代人にとって、不足しがちな野菜の栄養をバランスよく摂るために手軽に活用できる食品のひとつだと思います。
■野菜ジュースの誤解・その1:「野菜の栄養はほとんどなくなっている?」
野菜をジュースに加工する過程で、一般にビタミンCや食物繊維などは減少します。しかし、すべてゼロになるわけではありません。また、鉄分やナトリウム、カリウムなどのミネラルや、野菜の色素であるカロテノイドなどはあまり減りません。
さらに、野菜の栄養成分の中には、ジュースなどに加工することがメリットになる場合もあります。リコピンやβ-カロテンなどは、生野菜から摂るよりも野菜ジュースや加熱して摂るほうが吸収率は高くなります。
また一般に、トマトジュースに使用される加工用トマトは、生食用トマトよりも、リコピン含有量が高いものですから、効率的にリコピンを摂取したいのであればトマトジュースを飲むというのもよいでしょう(最近は、リコピン含有量が高いトマトも市販されています)。
■野菜ジュースの誤解・その2:「砂糖を加えているから太る?」
日本では健康志向が強く、肥満を予防改善したいという消費者のニーズに応え、「甘さ控えめ」や「野菜本来の風味にこだわる」ことを優先した商品が増えていると思います。
野菜ジュースに限らず、清涼飲料水等の表示に「砂糖不使用」と書いてある製品には砂糖は使用されていません。しかし、野菜100%ジュースでも栄養表示に「糖質」や「ショ糖」と記載されている場合がありますから、「なぜ?」と思われる人もいるのではないでしょうか。
砂糖は食品名で、主な成分は確かに「ショ糖」です。しかし、糖質やショ糖は原材料の野菜にも含まれています。100%野菜ジュースで「砂糖不使用」なのに栄養表示に「糖質」「ショ糖」という記載があれば、野菜由来のものと考えてよいでしょう。
飲みやすく味を調えるために果物をブレンドしているジュースもありますが、これも同様で「砂糖不使用」という記載があれば、野菜または果実由来のものと考えてよいでしょう。
ただ、糖質は生きるうえで欠かせない重要なエネルギー源ですが、摂り過ぎには注意が必要です。健康な成人なら、コップ1杯程度、飲みきりタイプ(約200ml)なら、1日に1〜2杯程度を目安にするとよいでしょう。
個々の製品により、カロリーや栄養価は異なりますから、栄養表示をチェックし、食事全体のバランスを考えて飲みましょう。
■野菜ジュースの誤解・その3:「野菜ジュースは塩分が高い?」
昔は、トマトジュースには食塩を加えて飲まれることが多く、今でも味のバランスを調えるために塩分を加えている商品も見受けます。しかし、減塩志向がある中、「食塩無添加」で作られる野菜ジュースのほうが多いといえるでしょう。
栄養表示に記載されている、ナトリウムの含有量が食塩と勘違いされる人も多いので、説明しておきますと、ナトリウム=食塩(塩化ナトリウム)ではありません。
ナトリウムは生きるためには必要なミネラルのひとつで、野菜などにもわずかですが、ナトリウムは含まれています。野菜ジュースの場合も、ほとんどが野菜由来です。
ナトリウム摂取量を食塩摂取量に換算するには、
「食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000」」
で求めることができます。
ナトリウムは体に必要なミネラルとはいえ、食塩を摂りすぎると、血圧や他の生活習慣病に影響を及ぼすことがあります。食塩を摂りすぎないように気をつけるのと同時に、カリウムというミネラルの摂取についても気をつけておきたいところです。
カリウムは、余分なナトリウムの排出を助ける働きがあります。カリウムは野菜や果物、芋、豆、海藻、きのこ等に多く含まれ、加工品なら野菜ジュースにも多く含まれています。
■野菜ジュースの誤解・その4:「野菜ジュース=野菜?」
健康的な食生活の基本は、多様なものをバランスよく食べることです。とはいえ忙しい現代人は野菜が不足しがち。そこでさまざま栄養成分を手軽に摂れる食品として、野菜ジュースは有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
しかし、健康に有効な栄養成分を含むとしても野菜ジュースだけを飲んで健康になれるわけではありません。また同じ食品ばかり、大量に摂りすぎるのも栄養が偏ってよくありません。
問題は栄養面だけではありません。野菜を食べるときは、口に入れて噛んで飲み込みます。この「噛む」行為によって、脳の血流が良くなり、唾液の分泌を促し、満腹感が得られて食べ過ぎ防止にもなると考えられます。こうした点においては、野菜ジュースは「噛む」ことはないので、野菜と同じとはいえません。
普段の食事で野菜をできるだけ多く食べるように心がけ、野菜ジュースはあくまで野菜不足を補うためのものとして考えましょう。
また、食事前に野菜ジュースを飲むと、血糖値の上昇を抑え、メタボ予防効果があるという研究結果もありますので、野菜ジュースを上手に活用するのは効果的といえそうです。
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