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2020年07月25日

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Side Y








別れてからも毎日のように言われていた
『好きです』
という言葉
それが突然、チャンミンの口から聞かれなくなった
だからここ最近ずっと、チャンミンの気持ちが分からない



毎日言われていたのにそれを口にしないという事は、もう俺にその気持ちが無くなってしまったのだろうか、としか考えられない
それでもチャンミンは変わらずに俺の隣で笑顔を見せてくれたり、
『ユノオッパに可愛いと言われると嬉しい』
『ユノオッパが一番格好良いからミスターコンテストで優勝して欲しい』
『ユノオッパの為に特別なクレープを作りました』
『一緒に写真を撮れて嬉しい』
なんて…
好きだと言われない以外は変わらない



そもそも、俺がチャンミンの事を振って恋人関係を解消した
男である事を黙っていたチャンミンに、その事情を何も知らなかったとは言え、今思えばきつい言葉で
『俺を裏切った』
『嘘を吐かれて傷付いた』
そんな風に責めた



俺にだって理由がある
女の子だと思って好きになって、大事にしていた
素顔で向き合っていると思っていたのに、嘘を吐かれていた
男だと最初から分かっていたら…
一目惚れなんてしなかったし、転入してきたばかりの可愛い後輩の助けになれたら…
と、あそこまで思わなかった
下心、という程では無かったけれども、やはり一目惚れしたから行動を起こして告白をしたのだ



理由があって、どうしようも無くて
許すも許さないも…
性別が違うだなんて、そんな次元の話でも無いから別れた
だけど、別れても尚健気に俺を見て好きだと言うチャンミンに…
変わらない笑顔に、ただ好きで居るだけなのだというその切なげな表情に、男だと言い聞かせても惹かれた



もう一度告白をしようと決めた

チャンミンへの一度目の告白は深く考える事も無く…
良い雰囲気だしきっと大丈夫だと思ったから告白をした
女の子だと思っていたし

でも、二度目は男であるチャンミンへの告白
男同士である事を全て受け入れられた訳では無いし、覚悟も必要
それに、一度振ってしまったという負い目のようなものも有るから、酷い言葉を投げ掛けて傷付けてしまったであろうチャンミンの前にもう一度…
出来たら恋人として堂々と立てるように、今までの俺とは違う、これまで向き合って来なかったものに本気で向き合う姿を見せて、結果を出した上で告白しようと決めたのだ



「ユノオッパ、何にしますか?
クレープを食べたから今度はおかずになるものが食べたいです」

「どうしよう…
チャンミン、他のクラスは何を出しているか知ってるんじゃ無いの?」

「…それが…
クレープを売っていた時は忙し過ぎて、周りのお店を見る余裕も無かったんです
僕だけじゃ無くて周りのクラスメイト達も…
だから、こうして中庭のお店を見るのも今が初めてなんです」

「そうだったんだ、ごめん」



静かな裏庭でクレープを食べてから、屋台が並ぶ中庭に移動した
丁度昼時だからか、それともどの時間帯でも、なのかは分からないけれどもひとが多くて混みあっている



「ユノオッパが謝る事なんて何も無いです
それに、ユノオッパも他のお店はまだ見てないんですよね?」

「え?ああ
体育館でスピーチを終えて、一度クレープの列に並んだけど… 
その時はチャンミンしか…」

「え?」

「…っいや、じゃ無くて…
チャンミンのクラスのクレープ屋しか見ていなかったから」



つい、思わず本音が出てしまいそうになる
と言うか、本音を閉じ込めるのはなかなかに辛い
特に、こんなに可愛い…
メイド服とウイッグを被ったアイドルのようなチャンミンを前にすると



「ユノオッパも同じですね
お互いにまだどんなお店があるのか分からないので… 
色々見て、何を買うか決めませんか?」

「うん、良いよ」



俺は、本音が漏れかけてしまって慌てていたのに、チャンミンは何でも無いような笑顔で俺を見る



きっと、今の俺達は周りから見れば仲の良いカップルに見えるのかもしれない
と言うか、校内ではもう俺達が付き合っている事は以前から知られていたし、お互いにミスター、そしてミスのコンテスト代表に選ばれたから、それまで知られていなかった生徒達にも更に知られる事になった筈
だから、デートだと思われるだろうし…
それで良い

他の男に牽制出来るから



「チャンミン」

「え…っわ…」

「ひとか多いし危ないから…
ひとりに見えたらその、盗撮とかナンパとか色々と危ないから、ちゃんと俺から離れないようにして」

「…ありがとうございます」



でも実際は、隣に居たって手を繋ぐ事なんて無い
せめて、こうやってチャンミンを守る名目で腰を抱き寄せて距離を詰めて、そして…
直ぐに手を離して
「気を付けて」
と覗き込む事くらいしか出来ない



見るひとが見れば、今の俺達はやはり恋人同士には見えないのだろうか
ただの、先輩と後輩に見えるのだろうか
そんな事が気になって仕方無い



「ユノオッパ!あれ…唐揚げ、美味しそうです!」

「へえ、唐揚げなんてあるのか?並んでみる?」

「はい!」



チャンミンは満面の笑みで俺を振り返って、早足で駆けていく
慌てて追い掛けたら、フリルのスカートを揺らして振り返って
「早く並べば早く買えるので」
なんて言う
危ないから、半袖から伸びる白い腕を掴んで一緒に走って列の一番後ろに並んだのだけど…



「チャンミン、足は?走ったら駄目だろ」



つい、メイド服のチャンミンが可愛くて忘れていたけれども、彼はまだ捻挫が完治していない筈
もう最近は湿布は貼っていないけれども、数日前にも
『まだ少し痛みがあります』
と言っていた
白い、足首までの靴下を履いたチャンミンの足首を見ても、勿論どうなっているか分からないし…
ミニスカートを穿いているのにしゃがみ込んで足首に触れる事も…
人前だし出来ない



左腕を掴んだままチャンミンをじっと見たら、彼は少しだけ眉を下げて困ったような顔をした
その顔を見て、やはり痛みを堪えているのかもしれない
そう思ったのだけど、彼の口から出た言葉は予想外のものだった



「治ったみたい、です」

「…え…」

「ええと…僕、じゃ無くて私も…
まだ完治していないと思っていたんです
でも、さっきひとりで居た時につい走ってしまったら、痛く無い事に気が付いて…
何時の間にか捻挫が治ったみたいです」



列に並んでいて、周りにもひとが居る
視界の隅に映るひと達は俺達を…
いや、チャンミンは
『擦れ違うひと達が皆ユノオッパを見てます』
なんて言っていたけれど、俺からすれば周りは皆可愛いチャンミンを見たり見蕩れている

人目があるから男である事を隠して『私』と自称するチャンミン
彼の言葉に固まってしまった



「…ユノオッパ?」

「え…っああ…本当に治ったのか?
後で痛んできたりとか…
治り掛けが大事だから、今痛くないからって走ったらまたぶり返すかもしれないよ」



チャンミンが怪訝そうに首を傾げた
慌てて掴んでいた腕から手を離して心配する表情を作った
けれども内心、心臓がドッドッと音を大きく立てていて耳の奥でもキーンと音がしている



もう、このまま…
告白をしても上手く行かなければ、チャンミンの登下校を自転車で送り迎えする理由が無くなってしまう
勿論、捻挫は早く治った方が良い
痛みを抱えていて欲しい訳じゃ無いし、治ったなら良い事だ
でも、俺は自分勝手でそれを寂しい、もう少し後であれば良かったのに、と確かに思ってしまった

そんな風に自分勝手な自分が居る事がショックだ
そして、チャンミンだって怪我が治ればもう、俺に送ってもらう理由が無くなると分かっている筈なのに
まるで何でも無い事のように微笑んでいるのを見ると胸が苦しくなる



「急に沢山走ったら危ないかも、ですよね
気を付けます
でも、今少しだけ走ってしまいましたが痛くなかったです」

「…今も?全然痛くないの?」



執拗いって分かっているけれども尋ねたら、チャンミンは一度俯いてメイド服のスカートの裾を両手でぎゅっと握ってから、含羞むような笑顔で
「大丈夫です」
と答えた



「あ、前に進みました
意外と早く買えそうですね」

「え…うん」



チャンミンと別れてからも当たり前だった事がもう、当たり前では無くなってしまう
『彼女が怪我をしているから』
と何かあった時に教室に行ったり、心配して会いに行く理由が無くなる
助ける理由も無くなってしまう
だって…俺達は本当はもう別れているから
何時までももう、付き合っている振りをしている理由だって無いのだから



怪我が長引く事は勿論良くない
痛みなんて無い方が良い
だけど、チャンミンの捻挫が治ったと聞いたら胸が痛む
何でも無い事のように微笑むチャンミンを見たら、自転車での登下校を特別だと…
今でも思っていたのは俺だけなのか、と思ってしまう



「チャンミン」

「はい」

「良かったな、治って」

「…はい
ユノオッパが怪我をした時からずっと、丁寧に色々教えてくれたり…
最初に処置をしっかりしてくれたお陰です
僕の不注意だったのに…」

「気を付けたって転ける時はあるし仕方無いよ
痛みが強かった時は、ひとりで生活するのも大変だったろ?
頑張ったな」



チャンミンと同じように微笑んだつもり
上手く、いつも通りに笑えていたかは分からないけれども
それから、右手を伸ばしてウイッグの上から頭にぽん、と手を置いた

ウイッグ越しだから
直接触れている訳では無いから
これなら、もしももうチャンミンにとって俺が…
ただの『少し特別な先輩』と言うだけで恋愛対象では無くても、気持ち悪がられる事は無い筈だから



「ユノオッパのお陰です、本当に…
でも、まだ無理はしないようにします
ユノオッパに迷惑を掛けたく無いし」

「迷惑だなんて思った事無いよ」

「…ありがとうございます」



好きだと言われる代わりに、俺の事は『特別な先輩』なのだと何度か言われた
俺だって…
やはりチャンミンの事が好きなのだと自覚して、だけど自分から振った手前簡単に好きだとは言えなくて、その代わりに
『特別な後輩』
と言った

きっと、俺の思う特別とチャンミンの思う特別、は違うのだろう
だって、俺は捻挫が完治したと聞いて胸が苦しいのに、チャンミンは笑顔だから



「あ、後もう少しですね
五個入りで、さっぱり味と辛い味があるみたいです
ユノオッパは辛いのが苦手だから、さっぱりにしましょう」

「…チャンミンは本当は辛い方が良いんじゃ無いの?」

「ユノオッパと一緒に食べられる味が良いです」



その言葉が嬉しい
でも、ただ気を遣われているだけなのだろうか、と思ってしまう
今日この後告白をして、例え振られたとしてもこれからは素直な気持ちを伝えていこうと前向きに決めた筈
それなのに、小さな事で沈んでしまう



付き合っていた時は、チャンミンの口元についたパスタのソースを指で拭って…
それを当たり前に舐め取っていた
けれどもさっき、チャンミンの口元に付いたクレープの生クリームを指で拭うまでは同じだったのに、その後は以前と同じようには出来なかった
まるで関節キスのような事をすれば、チャンミンに嫌がられるかもしれないと思ったから
ふとそんな事が頭を過ぎって、クレープの包み紙で指先を拭いた

チャンミンは何も言わなかったし、その時の彼の顔も見ていない
だから、彼が何を思っていたのかは分からないし、パスタを一緒に食べたデートの事なんてもう、忘れてしまったのかもしれない



「唐揚げ、辛くない方を二パックお願いします」



唐揚げはどんどん揚げられているようで、列の長さの割に早く買う事が出来た
注文して財布を出したら、チャンミンが慌てたから
「俺が出すから」
と微笑んだら、申し訳無さそうに
「すみません」
と言われた

そんな光景だって、付き合っていた時もそうだったのに…
今は、他人行儀だって思ってしまう



「あの…チョン先輩、ですよね?」

「え…うん」

「わ!あの、急に話し掛けてすみません
私達、スピーチを体育館で見ていて…
ポスターを見た時からずっと、チョン先輩が一番格好良いって皆で話していたんです」



屋台のレジ担当らしき後輩女子は俺を見て嬉しそうにしてくれた
今年のミスターコンテストは必ず入賞以上、になりたい
そうしてチャンミンに少しでも堂々と告白したい
だから、営業スマイル、とも言えるくらいの笑顔を作った



「ありがとう
ミスターの代表はイケメン揃いだから…
お世辞でも嬉しいな
でも、お世辞でもそう言ってくれたからには、皆で揃って投票してくれるのを待ってるよ」



こんな風に、半ば無理矢理媚びを売るような事は苦手だ
でも、そんな事は言っていられない



「はい!勿論皆で投票します!」

「あの、良ければサービスするので…
この味も食べてください
美味しかったら、周りの先輩達にも勧めてくださいね」

「え…良いの?ありがとう」



後輩女子達は、唐揚げのパックのなかに赤くて…
見るからに辛そうな唐揚げをふたつ追加した
正直、俺には少し辛そうに見えるけれども、チャンミンは辛い物が得意だし、良かった



唐揚げの屋台を離れて、辺りを見渡した
それから隣のチャンミンを見たら…



「チャンミン?」

「……」

「どうした?
ほら、辛い方も貰えたしラッキーだったな
票も入れてもらえそうだし…」



チャンミンが俯いていて、顔を上げてくれない
もしかして、やはり今頃になって足が痛み出したのだろうか



「チャンミン、何処かに座るか?
足が痛いんじゃあ……っえ…」



覗き込もうと首を傾げたら、半袖から伸びた白くて細い、けれども本物の女子よりは少し骨ばった腕が俺の制服のシャツのウエスト辺りをぎゅっと掴んだ



「チャンミン?」

「……ユノオッパは、僕の先輩です」

「え…」

「ユノオッパは無防備過ぎます、女子は皆ユノオッパを見ているのに…
あんな風に笑い掛けたら…
ユノオッパが特別な目で見てくれているって勘違いして、好きになるし…」



好きだとは言われない
以前のように俺を切なげに見る事も少なくなった
その分、堂々と俺を見て笑顔を見せてくれる事が増えた



俺の事を特別な先輩なのだと言う
俺の為に、大きなクレープをふたつも用意して、まるで結婚式の場面のようなトリックアートの前で一緒に写真を撮ると赤くなって…
俺の写真が欲しいのだと言う



チャンミンの言う特別、は何処まで特別なのか、今の俺には分からない
だけど、分からないから…
こうして、彼の言葉や、笑顔や、まるで嫉妬されているような行動に振り回されて、不安になったり幸せになったり
その繰り返しだ



「勘違いされたら駄目かな」

「…当たり前です、勘違いなんてさせたら…
だって、今は僕達はまだ付き合っているって事になっているんですよね?」

「うん」

「じゃあ、此処で唐揚げを食べさせてください」

「え…」



俯いていたチャンミンが顔を上げて大きく口を開けた
呆気に取られていたら、彼は真っ赤な顔で
「さっきの後輩達が勘違いしたら大変だからです」
と言う



「どっちの味が良い?」

「…ユノオッパと同じ味」

「辛くない方で良いの?」



尋ねたら、無言で頷く
それが何だか雛鳥のようで可愛くてつい笑ってしまった
チャンミンは真剣な顔で俺を見上げて
「ユノオッパは僕の特別な先輩なんです」
なんて、少し潤んだ瞳で続けた

俺が、その言葉に…
胸が苦しくなったり幸せになる事なんて知らないのだろう



「大きいけど、大丈夫?」

「うん」



こくん、と頷くから、パックのなかに入っていた串で赤い唐揚げを刺してゆっくりとチャンミンの口に運んだ
頬が膨らむ程大きな唐揚げをひと口で頬張ってしまったチャンミンは、何だか一所懸命に咀嚼していて小動物のようだ



「美味しい?」

「…ひゃい…」

「あはは、言えて無いよ」



両想いでは無いかもしれない
だって、もう好きだとは言われないから
でも、やっぱり隣に居ると幸せになれる

必死に口を動かすチャンミンに見付からないようにしてスマホを急いで取り出して、チャンミンの顔の前に構えた



「…っ、今は撮らないでください」

「駄目、可愛いから
それに…ムービーだよ」

「え…本当ですか?」

「うん、静止画だけじゃ勿体無いから
笑って?」



漸く唐揚げを飲み込んだチャンミンは、まだ赤い顔で背を向けてしまった



「次のお店も行かなきゃ、休憩時間が終わってしまいます」

「うん、じゃあ探しながら撮っていようか?」



恥ずかしがるチャンミンが可愛くて、これは先輩として撮影しているだけ、と自分に言い聞かせながら右手でスマホを掲げた
すると、チャンミンはくるりと振り返って手を伸ばしてきた

スマホを取り上げようとしているのかと思って、チャンミンが届かないように右手を上に上げたのだけど…



「こっちです」

「え…ああ、唐揚げ?まだ食べる?」



チャンミンが取ったのは、俺が左手に持っていた唐揚げのパックだった
相変わらず動画を撮影しながらゆっくりと中庭を歩いていたら、チャンミンは唐揚げに串を刺した
そして…



「ユノオッパもどうぞ」

「…っん……うん、美味しい」

「美味しいですか?良かったです」



咀嚼しながら撮ると、俺に話し掛けるチャンミンが映し出されている
スマホ越しにその笑顔を見ると…
物凄く良い笑顔だったから、また好きな気持ちが膨らんでしまった



言えないまま、想いだけがどんどん募る
想いが募る程に不安な気持ちも膨らむ
面倒な恋をしたい訳では無い
だけど、本気だから面倒でも嫌いになれないし…
やっぱり誰にも取られたく無いと思う



「ユノオッパ」

「ん?」



次はたこ焼きの屋台に並んでみた
流石にムービーを撮り続けるのも恥ずかしいから一旦止めて、並びながら唐揚げを食べている

チャンミンは大きな口で唐揚げを食べてから、俺をじっと見て口を開いた



「最近は、こんな風に普通に話す事が出来て凄く嬉しいんです」

「チャンミン…」

「ミスの代表になってしまったり、メイド服を着る事になったり…
初めての事ばかりだし不安も大きくて本当は凄く怖かったんです
でも、ユノオッパが可愛いと言ってくれて少し自信が持てたし…
こんなに楽しい文化祭は初めてです」



もう、特別な…
恋愛感情が無いから、何も無かったかのように普通に接してくるのかもしれない
でも、例えそれだとしても、チャンミンが楽しいと思ってくれたのならそれで良い



「そっか…俺も楽しいよ、凄く
何だか、忘れられない文化祭になりそうだ」

「はい
ユノオッパはもう三年生だから…
もっと沢山思い出を作りたいです」



少し凹んでいたけれども、また元気になってしまった
もう、後はきっと凹んでいる暇なんて無い
だから、やはりチャンミンの事をじろじろ見てくる男達を牽制する為にも…



「…ユノオッパ?」

「え?ああ、ごめん
混んでるからもう少し寄った方が良いかと思って」



一歩、右側のチャンミンに近付いた
俺のシャツの袖と、チャンミンの剥き出しの二の腕が触れ合う
今日は少し涼しい筈なのに、何だかそれだけで…
一気に暑くなってしまった



チャンミンと付き合っていた頃は、たまにチャンミンが抱える影のようなものを感じて不安になる事はあっても…
それでももっと心は穏やかだった
一度有り得ない、そう思ってからまた好きになったら今はもう、こんな恋は初めてで、何だか一秒毎に感情も切り替わるようで目まぐるしいし、俺らしく無い



今日告白をして玉砕すれば、送り迎えを抜きにしてもこれまでのように傍に居る事は難しくなるかもしれないと思った
だから、朝から隙を見てはチャンミンとの写真を撮ったり、動画を撮ったり
普段は使わない連写モードまで使って、あっという間にカメラフォルダは今日のチャンミンでいっぱいになった

その内の一部をチャンミンに送信して、残りは…
もしも振られたら思い出のようにしてひっそり持っていよう、なんて事も弱い自分は考えたりする
でも…



「楽しいですね、文化祭」

「うん
チャンミンと回れて良かった」



何度めげたって、結局気持ちは変わらない
だから、例え思い切り恥をかく事になっても青春らしくぶつかってみよう
こんな決意だって、また直ぐに萎れてしまうかもしれない

けれども、こんな風に俺を見て微笑む
そんなチャンミンの笑顔を見たらまた直ぐに前を向けるようになるのだ











ランキングに参加しています
お話のやる気スイッチになるので
足跡と応援のぽちっをお願いします
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文化祭編も漸くクライマックスです
後少しお付き合いくださいね

読んでくださってありがとうございます




湿布に癒される女性が急増中


初恋の味と言えば「カルピス」

今パッケージが話題

表面

裏面

飲み終えると

家族3人でこの発想おやゆびサインおやゆびサインおやゆびサイン


また先日高3の部活の先輩の引退式が4ヵ月遅れで開催されました。学年毎にメッセージを録音して、更にそれを人形劇で表現

この発想もハートフルでおやゆびサインおやゆびサインおやゆびサイン
とても優しい先輩達だったのでハチコも大号泣だったようです


ハチコもこういった発想出来る人になって欲しいですね。


さてハチコ 昨晩スタバのカップコーヒーにストローさして吸い上げた瞬間に、首に激痛、その後首を曲げることが出来なくなりました。

湿布を貼ったりして寝ましたが、今朝は更に痛みが悪化…

取り急ぎ朝病院に行ってきます。

それにしても、ストローの吸引でギックリ首になります?

疲れが溜まってるのかな…





タグ:湿布
posted by hanagatumaru at 01:20| 日記
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