花粉症 父の苦労は見えにくい。

おそらく、誰もが一度は手にしたことがある『不幸の手紙』もしくは『チェーンメール』。

友達が少ないのに、なぜかこういうのはよく回って来ていた子供の頃の私。

・・・渡した方も、友達じゃないから私に回したんでしょうけれど。

私の子供時代は『不幸の手紙』と呼ばれていて、

「この手紙を書き写したものを５人に出してください。もしこの手紙を止めたら、必ず不幸になります。」

といった内容でした。

こういうのって、誰かが止めなければ迷惑が広がるわけで。

幼い私は、

「あたしが不幸を止める！！」

と、オンナ気を見せることもなく、

「不幸になりたくないよん！」

と、せっせと５通の不幸の手紙を書き、回してしまったものです。

・・・やはり、タマオのセコみも私譲りかもしれません。

（例えば）

さすがに大人になってから回ってきたチェーンメールの類は無視していますが。

先日、我が家に届いたペマコ宛の一通の手紙。

郵便受けに入っていましたが、切手は貼っていなかったので、わざわざうちに来て投函したのでしょう。

差出人は、ペマコのクラスメイトの女の子。

ドイツ語の手紙は全てダンナ様の手に渡るので、私は見ていなかったんですが。。。

私のもとにやってきたダンナ様。

「あのね、ペマコちゃんに送らなきゃいけない手紙が届いたけどね、こういうのお金だったらスイスでは犯罪よ！」

？？

ペマコが犯罪に巻き込まれたの？！

言っている意味が分からなかったため、手紙を見せてもらい、よくよく話を聞いてみると。。。

内容はざっとこんな感じです。

・手紙の一番下の＃１に書かれている人にステッカー（シール）を送る。

・原紙を１２枚コピーする。

・手紙の差出人（#2）の名前を#1に記入する。

・受け取った人（この場合ペマコ）の名前と住所を＃２に記入する。

・これを原紙となる無記入の用紙と、自分の名前と#1に友達の名前を書いた用紙の２枚を入れて６人に送る。

・６日以内に出来ない場合は、差出人または差出人の親に知らせること。（ステッカーを受け取る人の公平を確保するため）

これで、３６枚のステッカーを受け取ることができます。

・・・ねずみ講じゃんか。

これには追伸があり、

ご両親へ

〜前略〜

お子様たちがこの手紙を開けた時、その笑顔は一見の価値があります。

〜後略〜

これ、親も絡んでるんですよ！

ビックリしませんか？！

別に不幸の手紙ではありませんが。。。

私は日本で金融機関に勤めていたせいか、個人情報の取り扱いにはとても敏感。

そのため、知らない人にシールを送ったり、自分の知らない人に個人情報（名前と住所）を知られるというのは気持ち悪いのです。

そして、子供の頃から、このねずみ講システムを学ばせるというのはどうでしょう。

ちょっと頭のいい子であれば、高額なものやお金を要求することを思いつくんじゃないか。。。

例えば、ステッカー１枚を送るのを１フラン（約１００円）に変えると、３６フラン（約３６００円）を手にすることが出来るという事。

子供達の笑顔は、こういう方法でなくても見ることが出来るはずです。

近年、スイスではステッカーではなく、金銭でこういったチェーンレターが回っており、被害者も出ているとのこと。

ステッカーは犯罪ではないのでやっている人がいたら申し訳ないですが、こんな手紙を親が加担して出すというのはやはりおかしい気がします。

この手紙には、ダンナ様もプンプン！

「ヘンだな！こんな手紙！この子の親にこういう手紙を出してやりましょうって思うなっ！」

・・・あんた、犯罪で捕まるよ。

「子供のために」

「子どもが喜ぶから」

こういった理由で常識を外れるようなことや、人に無理強いをする人をたまに見かけます。

それはチェーンメールだけでなく、様々な場面で。

反対意見を言おうものなら「子供の笑顔のため」と、子供を盾にするその考え方がどうにも好きになれません。

皆が丸く収まらない形で笑顔になっても、その裏を知ってしまえば子供達は本当の笑顔になんてなれないはず。

こういうものには賛否両論あると思いますが。。。

普段はさほど何も気にしないダンナ様ですが、こういった迷惑な手紙に、珍しく私と共に怒っているのでした。