純白の正義と黒灰の卑劣。あまりにも相性は最悪で、笑えるほどに正反対。スノウの瞳は嫌悪を浮かべ、シンデレラの口元は嘲りに染まる。
許せない。殺したい。ぐちゃぐちゃにしたい。正したい。
作者の復活のためにその欲望を真綿で包み、二人は視線を交わし合った。
それは決して理解し合うことのない嫌悪の同盟。
戦いが舞う不毛な空間、ライブラリ。自分以外の全てが化物であると思ってたその場所で、少女達は邂逅する。
生を束縛されるアリス。正義に囚われるスノウ。
彼女達は出会った瞬間に理解した。お互いの思想が相容れない事を。
そして……作者を復活させる為には、目の前にいる少女を殺さねばならない事も。
正しき者を阻む事は出来ない。正しき者を罰する事は出来ない。
正善なる刃は光となり、正善なる鉄槌は秩序となる。
だから正義の名の下に。数多の命を捧げよう。
我が主を復活させる事、それこそが私の正義。
スノウは認識する。どこまでも続く黒い闇。赤く染まった雪の中。己が歩むべき道を見る。
細切れのこよりを集め一つに紡いだグリム兄弟。為すべきは恩ある主の復活ただ一つ。
その願いの前に、たとえ無数の犠牲が必要だとしても彼女は進む。
この使命、阻むモノ全てを踏みつけて。
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