副業

近年、副業やパート・アルバイトの掛け持ちにより、複数の勤務先から給与を受け取る人が増えています。その結果、年末調整を2箇所で行ってしまうケースも見られます。この記事では、年末調整を2箇所でしてしまった場合の対応方法と注意点について詳しく解説します。

年末調整を2箇所でするとどうなる？
年末調整は、複数の勤務先がある場合でも、どこか1つの勤務先のみで行う必要があります。複数の勤務先で年末調整をすると、所得控除が重複して適用されてしまうため、正しい税額が計算されません。

2箇所で年末調整をしてしまった場合の対処法
1. 主たる給与と従たる給与を決定する
まず、収入の多い勤務先を「主たる給与」、収入の少ない勤務先を「従たる給与」として区別します。主たる給与の勤務先で年末調整を行い、従たる給与の勤務先に対しては確定申告を行います。

2. 確定申告を行う
複数の勤務先で年末調整をしてしまった場合、合計の収入が103万円を超える場合は必ず確定申告を行いましょう。正しい税額を算出し、納税を行います。

3. 扶養控除申告書の取り下げ
従たる給与の勤務先に提出した扶養控除申告書を取り下げ、確定申告を行います。取り下げを行うことで、重複した控除の適用を防ぐことができます。

企業側が行うべき対処法
1. 従業員への周知
年末調整の時期に、従業員が複数の勤務先で年末調整を行わないように注意喚起を行います。

2. 確定申告のサポート
従業員が確定申告をスムーズに行えるよう、必要な書類（源泉徴収票など）を早めに提供します。

確定申告を忘れてしまった場合のリスク
1. 無申告加算税
確定申告をしなかった場合、追加で無申告加算税が課されます。これは、納付すべき税額に対して15％（50万円を超える部分は20％）が加算されます。

2. 延滞税
納税が遅れた場合、延滞税が発生します。法定納期限の翌日から実際の納付日までの日数に応じて、利息分相当の延滞税が課されます。

まとめ
年末調整を2箇所でしてしまった場合は、確定申告を行い正しい税額を算出することが重要です。また、扶養控除申告書の取り下げも必要です。従業員に対しては、年末調整の注意点を周知し、スムーズに手続きを進められるようサポートしましょう。

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