2017年09月24日
『話す』 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ6 『話す』 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ6
1.4 中国人に日本語を教授する
目標分析票を見ながら、時間毎の教案を書いていく。書きながら、何を教えるのか(導入としての教材研究)、どのぐらい教えるのか(展開のための目標設定)、どのように教えるのか(整理のための授業計画)といったことを考えていく。教材の研究は、主に担当教師が行う作業である。クラスの始めに挨拶をして、ウォーミングアップで学習者の気持ちをほぐしていく。前回の質問事項にもこの段階で回答しておけばよい。復習をかねることにもなるためである。教材からの提示については、漢字系の学習者の場合、母国語と全く同じ単語または推測がきく語彙を使用して、定義文(ある語を定義する文のこと)を交えて話を進めるようにする。黒板に書くと、反応が違う。
目標の設定では、スキルの獲得と応用を目指す。最初は教師の指示の下で日本語を表現する。その後、教師から離れて自由に日本語を作る作業に入る。ヒアリング指導の場合、言語的知識(音素識別力、語彙力、文法力)と思考活動(予測、記憶、判断、照合)の両面を発達させることが重要である。例えば、スキミング(全体の大意を捉えて、だいたいどんな事を言っているかを聞き取る)とかスキャニング(自分がほしい情報だけを求めて聞き、後は聞き流す)あるいはマッチング(ある特定の情報だけに限定して聞き取る方法で、スキャニングよりも限定的)といったヒアリングのタイプは、どちらかというと言語的知識を活用している。一方、ハイポセシス・テスティング(自分の予想が当たっているかどうか確かめながら聞く)は、どちらかと言えば、思考活動のトレーニングになる。
花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
目標分析票を見ながら、時間毎の教案を書いていく。書きながら、何を教えるのか(導入としての教材研究)、どのぐらい教えるのか(展開のための目標設定)、どのように教えるのか(整理のための授業計画)といったことを考えていく。教材の研究は、主に担当教師が行う作業である。クラスの始めに挨拶をして、ウォーミングアップで学習者の気持ちをほぐしていく。前回の質問事項にもこの段階で回答しておけばよい。復習をかねることにもなるためである。教材からの提示については、漢字系の学習者の場合、母国語と全く同じ単語または推測がきく語彙を使用して、定義文(ある語を定義する文のこと)を交えて話を進めるようにする。黒板に書くと、反応が違う。
目標の設定では、スキルの獲得と応用を目指す。最初は教師の指示の下で日本語を表現する。その後、教師から離れて自由に日本語を作る作業に入る。ヒアリング指導の場合、言語的知識(音素識別力、語彙力、文法力)と思考活動(予測、記憶、判断、照合)の両面を発達させることが重要である。例えば、スキミング(全体の大意を捉えて、だいたいどんな事を言っているかを聞き取る)とかスキャニング(自分がほしい情報だけを求めて聞き、後は聞き流す)あるいはマッチング(ある特定の情報だけに限定して聞き取る方法で、スキャニングよりも限定的)といったヒアリングのタイプは、どちらかというと言語的知識を活用している。一方、ハイポセシス・テスティング(自分の予想が当たっているかどうか確かめながら聞く)は、どちらかと言えば、思考活動のトレーニングになる。
花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より
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