≫ BlogCat の SF小説「不思議なお店営業中」Excel 3 次元グラフ(原点からの距離 r の逆数)
今回は x - y 面内における原点からの距離 r の逆数が組み込まれた関数について調べます。 r は
r = sqrt(x 2 + y 2) [1]
で定義されます。sqrt はエクセルで用いられる平方根(√)を表す記号です。Latex で全ての数式を書くのはちょっと手間がかかるので、今回から √ は sqrt で表すことにします。少しだけ楽をさせてくださいな。グラフを調べる前に、 [1] の偏微分 ∂r/∂x, ∂r/∂y を求めておきます。すでに大学で偏微分を習っている学生さんにとっては易しい演習問題ですが、まあこういう計算は繰り返しておいて損はありません。
∂r/∂x は y を定数と考えて x で微分する
∂r/∂y は x を定数と考えて y で微分する
だけのことですから、合成関数の微分を知っていれば、高校生の皆さんにとっても、さほど難しい計算ではありません。でもちょっとだけ注意点を1つ。 [1] のような式を見たとき、
r = (x 2 + y 2) 1/2
のようにみて計算してしまいがちです。「指数の 1/2 を下ろして - 1/2 にして、えーと、それから( )の中身を微分して ……」というように計算しても別に間違いではないですし、今回のような例ではさほど時間もかかりませんが、以下で説明するような計算方法を覚えておくと、もっと複雑な関数を微分するときに応用が効きます。まず [1] の両辺を2乗します:
r 2 = x 2 + y 2
それから両辺を x, y でそれぞれ微分すると、
2r(∂r/∂x) = 2x, 2r(∂r/∂y) = 2y
となって、
∂r/∂x = r / x, ∂r/∂y = r / y [2]
と簡単に求められます。距離 r の偏微分はよく出てきますから、公式だと思って覚えてしまってください。
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