2016年04月23日
ガスと電力の攻防戦!攻めるガス、守る電力!
電力小売りの全面自由化自スタートから2週聞か経過し、消費者が電気の契約を切り替える動きがじわりと広がってきました。
契約の乗り換えを行った件数は60万件を突破し、特に都市ガス会社が電気とのセット販売を伸ばしています。
守る大手電力も1年後に始まるガス小売り自由化への準備を加速しています。
「電力対ガス」の競争の構図が鮮明になってきました。
東ガスは26万件!
経済産業省の認可法人、電力広域的運営推進機関が15日、発表した電力契約の切り替え状況に
よると、8日時点では約62万2700件で、1日時点より約9万件増えた。
新電力では電気使用量が多いと最大1割程度、電気代が安くなるメリットがあります。
今週に入っても切り替えは増え続けているようです。
切り替える消費者の約9割は東京電カホールディングス(HD)と関西電力の管内に集中しています。
特に件数を伸ばしているのは東京ガスと大阪ガスです。
東電HDのコメントとして、「最大の強敵が東京ガスになっている」と記者会見で述べています。
東京ガスの電力契約は約26万件(11日時点)と全国で最多とみられるます。
自前の液化天然ガス(LNG)火力発電所で作った割安な電気を販売して、収益面でも貢献しています。
16年度に40万件、20年度には100万件規模の契約を獲得し「新電力でトップをめざす」とのことです。
これに対し、東電HDの広瀬社長は「新たな手を打っていかないといけない」と危機感を強めています。
すでに導入した使用量が多い世帯向けの割安プランに加え、使用量が少ない世帯でもメリットのあるプランの追加を検討する方針です。
ガス小売り全面自由化への準備も急いでいます。
工場などの大口顧客向けに加え、家庭向けにも17年4月に参入します。
東電HDは「電気とガスのセットで割安感を出す」と強調しています。
今後、利用者にとってお得なサービスが出る可能性があるため、目が離せません。
15年度の計画では134万のガス販売量を「10年後に100万トンの上乗せをめざす」とコメントしています。
変わって関西でも電力対ガスの競争が激しい攻防を繰り広げています。
大阪ガスはガスの顧客に電気も売り込み、3月末時点で16年度目標の約5割にあたる約10万7000件の顧客を関電から奪いました。
関電は高浜原子力発電所の運転差し止めを受け、5月に予定していた値下げ実施を延期します。
関電は15日の記者会見で「料金面での劣後は認識している」と述べています。
厳しい状況が続く中、関電も来春のガス小売りを計画しています。
火力発電用に大阪ガスを上回るLNGを調達している強みを生かし、価格面のメリットを出す考えです。
関電は首都圏への電力小売り参入の準備も急いでいます。
関西で顧客をとられた分を新規顧客の獲得で補う考えで、「具体的な料金などの検討を進めている」とのことです。
首都圏進出では東京ガスとの提携を生かす方針です。
両社はすでにLNG調達で提携しており、今後は首都圏での発電所の共同建設も検討しています。
関電は「東ガスとお互いの強みを生かして連携を拡大したい」と強調しています。
今後、業種や地域の壁を越えた競争や合従連衡が激しくなりそうです。
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