参院選挙の開票日(7月10日)が迫る中【若者の政治離れ】が言われて久しい日本。
イギリス政治理論家で「ジェネレイション・レフト」の著者であるキア・ミルバーン氏に時事
Youtuberたかまつななが独占インタビューを行った。
〇 誰も助けてくれない。若者は選挙に行こう
「ジェネレ―ション・レフト」格差是正や気候危機への対応を求め、社会運動を繰り広げる若い世代
を指す言葉が世界中で注目を集めている。その中心はZ世代やミレニアル世代、この世代の多くは資本
主義を見直し社会主義を肯定的に捉える左派的主張に共感する傾向がみられるという。
この言葉を自身の著書で提言したイギリスの政治理論家キア・ミルバーン氏を全国の学校で主権者教育
を行うたかまつななが直撃。日本の若者の政治参加を促すためには何が必要かヒントを探った。
ー−−まず【ジェネレーション・レフト】を書かれたきっかけとそこに興味を持った理由をお教えください
ある現象に気が付いたのです。イギリスでは政治における世代間の分離が顕著になっていました。
若者たちが左派に移行する一方、高齢者特に55歳もしくは65歳以上の世代では顕著に右派へ移行している
ことが明確になりました。
‐−−なぜ若者たちは左派に移行しているのでしょうか?
これは世界共通ではなく、イギリスとアメリカでもっとも顕著に表れている現象です。特にイギリスで
顕著に表れたのは労働党の左派リーダーだったジェレミーコービーん氏が労働党の党首に就任したことが注
目を集め若者や若い活動家たちの支持を集めました。
アメリカだとバー二・サンダーズ氏が2016年に民主党の大統領選挙の候補になろうとしたときに多くの若者や若い活動家が支持を集めました。この傾向は西ヨーロッパでも見られますが東ヨーロッパやそのほかの世界の国々ではあまり見られません。
理由は複数考えられますが、第一に挙げられるのが労働年齢の人口の中で特に若者たちの生活水準が大幅に
低下したことです。主な原因が賃金水準の停滞つまり賃金が上がっていないのです。
2008年の経済危機を起点にイギリスの賃金水準をインフレ率も含めて計算すると2028年になってもそれ以前の水準まで回復することはないといわれています。つまり20年間賃金が上がらない中で家賃や電気料金など生活にかかるコストが高くなっているのです。
それは仕事の給料を頼りに生活をしている若者にとって非常に重要な問題です。すでに家を所有し年金を株に
投資しているような高齢者の収入は住宅価格などの資産赤くの上昇や年金額に依存しているため、若者とは
立場が異なります。つまり、高齢者の物質的な関心は株好きや住宅価格など資産価格の経済です。
それに比べ若者の関心は賃金や仕事の給与など近年停滞しているものに結び付いています。
これが若者が不満をいだくことになっている主な原因です。
〇 日本の若者がなぜ左傾化しないのか?
―――同様に賃金の不満や環境問題への関心の高さはあっても日本の若者が左傾化しないのはなぜか?
興味深い質問ですね。イギリスやアメリカ、西ヨーロッパの経済を変えた重要な出来事として2008年の金融危機はあります。それ以降経済は成長しておらず停滞し続けています。
だが、日本ではこのような状況はさらに長く続いているのではないでしょうか。さらに日本は高齢な国です。
イギリスやその他の欧州の国々に比べて人口の平均年齢はさらに高い。それは政治にも特異な特徴を与えて
いると思います。
人々が反発したり不満を持つのは状況が悪化したときあるいは新たな何かを創り上げようとするきっかけが
見つからないものです。あとは政治における可能性が不足しているのかもしれません。
日本には若者の関心事を代弁するような魅力的な人物がいないのではないでしょうか。
―――日本でもほとんど政党が高齢者にフォーカスしていて若者たちに目が向けられません。それは人口
比率として高齢者が占める割合がとても大きいからです。だから若者たちの投票率を上げることで政党も
良い若い世代にフォーカスするようになるのではないかと考えています。
そうですね。若者たちが政治に産あKすることは必要不可欠です。選挙に行って投票しなくてはなりません。
更に詳しく知りたければ下記をご覧いただきたい。
https://shueisha.online/culture/30403 ご覧いただきありがとうございます。