資格、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。いわゆる「五感」は、支障なく日常生活を送るために重要です。
また、芸術や料理を楽しむといったように、人生をより豊かにするためにも大切です。
五感のうち、視覚と聴覚は、すべての人で加齢による衰えが進むといわれています。
一方で、味覚、嗅覚、触覚の加齢変化は比較的少ないことがわかっています。
レンズが硬くなると老眼になる
人の目はカメラのように、同じ場所からやってきた光を1点に集中させることでピントを合わせるのです。
目に入る光の量は、瞳孔の周りにある【虹彩】と呼ばれるうすい膜の大きさが変わることで調節され、角膜
と水晶体がレンズの機能をを果たします。水晶体は周囲が筋肉(毛様体)で囲まれており、見たいものの距
離に応じて、毛様体によって厚さが調節されます。このようにして調節された光は、網膜の上で像を結び、
その情報が神経によって脳に送られます。
50歳を超えると、ほぼすべての人が、近くのものに焦点が合わない【老眼】になるとされています。
近くにピントを合わせるには水晶体を収縮させて厚みを増す必要がありますが、加齢とともに水晶体の弾力
が衰えるのです。毛様体の筋肉細胞の数が減ることも、老眼の進行に拍車をかけるとされています。
音の信号が脳に伝わりにくくなる【老人性難聴】
音とは、空気が振動してできる波(音波)のことです。音波は、耳の入り口【耳介】から外耳道を経て鼓膜
に伝わり、「耳小骨」と呼ばれる三つの骨に届きます。耳小骨では、振動の力が20倍以上に増幅されま
す。増幅された音波が奥に伝わって【蝸牛】の中にある体液「リンパ液」を振動させると、蝸牛の内壁にか
かる圧力の変化が、【有毛細胞】という細胞にとらえられます。有毛細胞はその名の通り、「感覚毛」と呼
ばれ毛のような束を持っており、振動によって毛が動きます。毛の動きは「神経伝達物質」の報質を促しま
す。子の神経伝達物質が脳につながる神経を興奮させ、信号が脳に到達すると、音として知覚させるの
です。
加齢に伴って聞こえが悪くなることを老人性難聴といい、特に高い音が聞き取りにくくなります。主な原因
は、有毛細胞の数や、感覚網が減少することにあるとされています。また、鼓膜を構成し、骨同士をつない
でいるコラーゲンが、加齢によって硬くなることなどにより音の増幅機能も衰えます。こちらも、聞こえの
トラブルの原因になります。
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