この現象は、記憶を検索する機能や集中力の衰えなどによっておきます。また、注意力が低下すると【ブレーキとアクセルを踏み間違えそうになる。」といった現象が起きます。
人体の司令塔である脳の老化は、運動や感覚をはじめとする、全身のあらゆる機能に影響します。
脳の老化の原因として,大きく【血液や栄養分の供給量の低下】と【細胞の変化】があげられます。
加齢によって脳の萎縮が進む
脳の老化は、脳容積の減少(萎縮)となって表れます。加齢に伴い、脳内部の空洞や表面のしわの落ち込みが大きくなるのです。
東北医科薬科大学医学部の福田宏教授らの研究から、加齢のよる委縮は20代から始まること、委縮は「灰白質」特に大脳の前側の【前頭葉】や横側の【側頭葉】で顕著であることがわかっています。
大脳は脳の各部位の情報を統合施行などを近さどっていますつかさどっています。そこが委縮するとなれば、中高年以降に脳の衰えを実感するのは仕方ないことです。
ただし、福田教授らは、神経細胞同士をつなぐ【神経線維(せんい)】の束が走る部位(白質)は委縮しにくいこと、つまり神経細胞同士のネットワークは減りにくいことを示しています。
これは、高齢になっても、神経細胞間での情報伝達能力は衰えにくいことを示して言えるのかもしれません。
脳の部位によって萎縮のしやすさは違う。
長い間、成長以降には神経細胞は新たに作られてきました。しかし、1990年代、海馬に存在する【神経細胞】が増殖・分化(ある細胞が特定の機能を持つ細胞になること)していることがわかりました。
海馬は記憶の中枢として重要な部位です。名古屋大学大学院医学系研究科の祖父江元徳仁教授らは、健康な高齢者の脳の萎縮を部位ごとに調べました。そして、海馬やその周辺の容積は45歳ごろまで増大することなどを明らかにしました。45歳〜50歳以降、脳の領域間の情報伝達の効率はむしろ高くなることも示しました。
これらの研究は、脳の各部位は老化するものの、それを補うように部位同士の情報伝達が強化されることで、記憶などの機能型も立てることを示しています。脳の炉以下は生活環境や遺伝などでも左右され、個人差が大きいものも特徴です。
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