しかし、どれほどの量を食べれば十分量が満たされるのか。これまで食べてきたつもりでも、果たして足りているのだろうか?と不安を覚えているかもしれません。
そのような時に、私が患者さんへいつもお伝えしている、簡単な目安があります。
それは【野菜は1日4色いじょうたべてください】というものです。野菜は量ではなく、色を目安にすると摂取が足りているかどうかの判断がとても簡単になります。
野菜を食べる時【赤、黄、橙、緑、紫、黒、白】の7色を意識して、これらの中から4色を1日のうちに必ずとる、というルールを定めてください。 これらの色を持つ野菜には、それぞれに独特の香りや苦みがあります。それは【ファイトケミカル】という化学物質の特徴であり、他にはない特有の力を持っています。
ファイトケミカルとは、「植物が持っている化学成分」という意味で、五大栄養素に次いで第6の栄養素と呼ばれる「食物繊維」に続く第7の栄養素と呼ばれています。
ファイトケミカルとは、自分の力では動けない植物が点滴や紫外線などから身を守るために作り出した成分と言われており、それを食べた人間にも健康を増進する効果があるということがわかっています。
ベーターカロテンやポリフェノールといった抗酸化物質の名前を、耳にしたことがあるかと思います。それも、ファイトケミカルの一種です。
ファイトケミカルを健康投資に効果的に活用するためには、様々な力を持った抗酸化物質を合わせて摂ることが重要です。1日4色の野菜を組み合わせて食べていくことで、いくつもの抗酸化物質が力を出し合い、その効果を最大限に発揮してくれます。
各職が持つファイトケミカルの名前、特徴、該当する野菜を次にまとめておきます。
【赤】
● リコピン…抗酸化力を持つベータカロテンの皿の10倍、ビタミンEの100倍ともいわれている。
該当野菜は、トマト、スイカ
● カプサイシン…リコピンよりも強力な抗酸化作用を持つ。血流を良くして代謝を田豆、体脂肪の燃焼を促す作用を持つ。 該当野菜は、唐辛子。
【黄】
● フラボノイド類…抗酸化作用はもちろん、ビタミンCの吸収を促す作用や血管を強くする作用を持つ。
該当野菜は、玉ねぎ、黄色のパプリカ。
【橙】
● ベータカロテン、アルファカロチン、クリプトキサンチン…体内でビタミンAに変換される。抗酸化作用を持ち、皮膚や粘膜の保護、がん予防などの作用も持つ。
該当野菜は、、かぼちゃ、にんじん、。ただし、糖質が多いので食べ過ぎには注意してください。
【緑】
● クロロフィル…植物が光合成をおこなうための成分。抗酸化作用のほか、血液をサラサラにし血中コレステロールを下げる作用などを持つ。 該当野菜は、ほうれん草、小松菜、春菊、キャベツ。抹茶も忘れてはいけない重要な栄養食材。
【紫】
● アントシアニン…強い抗酸化作用を持つほか、白内障を予防する作用を持つ。熱に弱いため、生食が適している。該当野菜は、ナス、赤キャベツ、赤シソ。
【黒】
● クロロゲン酸…空気に触れると黒く変色する成分だが、変色は酸化した証。抗酸化作用のほか、体脂肪をも得やすくする作用を持つ。該当野菜は、じゃがいも、さつまいも、ごぼう、。ただし、と異質が多いので食べ過ぎは要注意。野菜ではないが、コーヒーもクロロゲン酸が豊富。
【白】
● 硫化アリル…辛味のある成分。抗酸化作用のほか、がん予防と体内の有害物質の排泄を促す作用を持つ。該当野菜は、にんにく、長ネギ。
● イソチオシアネート…辛味のある成分。すりおろす、刻むなどして細胞がこわれたときに生じる。抗酸化作用のほか、血液をサラサラにする作用、ピロリ菌を除去する作用がある。該当野菜は、ブロッコリースプラウト、ブロッコリー、キャベツ、大根。
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