たとえば、休日にいつもより朝ご飯を9時過ぎに食べたとしても、お昼になった(もうたべなくっちや」となり、3時になったら、お茶の時間にお菓子を食べる、という具合です。
もともと日本には、野良仕事の合間に、ちょっと休憩してお茶を飲むということはあったにせよ、伝統的のお茶の時間を大切にするイギリスのように、3時のお茶に時間にスコーンなど甘いものを食べたりする習慣ななかったはずです。おやつというのは、育ち盛りの子供に食べさせる間食のことで、本来、大人には必要ないもの。子どもの場合、食べたものの栄養は、ほとんどが成長のほうへ回っていくので、エネルギーをそんなには蓄えることができない。食べても体の残らないので、おやつも必要になるわけです。
私が子供時代の昭和30年代には、おやつと言えばふかし芋やトウモロコシ、夏場はスイカやトマトなどがほとんど。今のように袋菓子もなく、おはぎや牡丹餅ということはあっても、誕生日など特別の日でもない限り、ケーキがおやつになるなどということは、まずありませんでした。それが、いまではおやつといえば、あまいお菓子が出てくるのが普通になっています。
ケーキなどの砂糖たっぷりの甘いものを食べると、体がホカホカしてきて眠くなってきますが、それは血糖値が上がってきたからです。
この砂糖が体を老化させ、命を縮める原因となっていることをご存じでしょうか? タバコの害が知られていますが、砂糖はタバコのも匹敵するほど、健康に害を及ぼすものなのです。
スイーツを食べると、血糖値はだいたい140mg/dl以上の上昇します。それはタバコを4本吸った時と同じくらい、血管の内側の細胞を傷つけます。こうした糖の持つ毒性は「糖毒性」と呼ばれ、動脈硬化や脳卒中、心臓病などの原因となるだけでなく、内臓脂肪を増やすので、ダイエットの大敵になります。
さらには、、血液中のコレステロール値をどんどん上昇させます。コレステロールから出ている性ホルモンは、ダイレクトにその影響を受けるので、閉経後の女性に乳がんや子宮体癌が最近とみに増えているのは、このためだと考えられます。
コレステロール値を重症させる肉や乳製品、砂糖たっぷりのスイーツを日本人の5倍も食べているアメリカ人は、乳がんの発生率も日本人の5倍、前立せん癌になる確率も5倍です。早い話、これらを7倍食べれば癌になる確率も7倍に、10倍食べれば10倍に高まるということです。
それだけに、本当にスイーツには気おつけていただきたい。血糖値を急激に上昇させてしまう砂糖を摂取して体を傷つけるようなことは今すぐやめていただきたい。
そのために高血糖はまず膵臓対しても強い攻撃を行います。膵臓のランゲルハンス島β細胞を破壊するのです。β細胞はブドウ糖をエネルギーとして細胞に吸収する働きのあるインスリンというホルモンを分泌するところです。インスリンがどんどん働くと血糖値が下がる代わりに内臓脂肪がどんどん蓄えられて太ってしまいます。それを防ぐためにβ細胞を破壊して太らない体を獲得するのです。それが糖尿病です。
糖尿病になったら、次の標的は捕食器官です。食事を摂るための機能が優れていれば、どんどん食べて太ってしまうので、捕食器官を攻撃して太らなくするのです。
そのために、まずは目の網膜です。網膜を破壊して失明させれば餌を見つくられなくなります。次は腎臓です。腎臓を破壊すれば党が尿中にどんどん出ていってしまうので太れなくなります。そして足です。足の血管を破壊して足を腐らせてしまえば、もい獲物を追っかけることもできなくなって痩せてしまいます。
「糖毒性」は、甘いものを止められないあなたをこれ以上太られないための、生体の防御反応なのです。
砂糖を大量に取るようになったのは、戦後、高度成長以降、飽食の時代になってからのこと。一昔前ま
菓子と言えば、水菓子と呼ばれた果物であり、おやつといえば、吸収の遅いでんぷん質で作ったものがほとんど。血糖値が急に上がるようなことは、まずありませんでした。このあたりにも日本の伝統的な食文化を見直す点が多くあります。
白砂糖が駄目なら、精製していない砂糖はどうかというと、これも結局ショ糖なので、血糖値を上げることには変わりません。もし甘いものを食べるのであれば、さつまいもや小麦、トウモロコシ、コメ、クズ、カタクリなど、でんぷん質を原料としてつくられたものがおすすめです。そうすれば、唾液に含まれるアミラーゼという酵素が、デンプンを糖に変える働きをしてくれます。
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